アルビノで発達障害の私が、障害年金を申請した話。

障害年金っていうのはとても重症な人にしか出ないのだと思っていた。私は今外に出て働くことができていないけれど、きっとすぐ治る。だから障害年金なんて通らない。

その考えが、私の生活を苦しめていた。

私はネットで記事を読み漁った。障害年金の申請のしかた、申請から審査までの期間、給付されるまでどれくらいかかるか……、そもそもどんな人がもらえるのか。

なかには信頼性の低い記事やコメントもあって、「◯◯(知的障害者を馬鹿にするネットスラング)のふりしてればもらえる」というコメントまで平然とネットにはあった。ネットだからこそあったのかもしれない。

重篤な障害のある人のみを障害年金の対象者として語ると、重篤ってほどではないけれど働けていない、もしくは経済的自立が難しい人は申請しづらくなってしまう。

実際私も親に申請を止められそうになった。親の目を盗んで申請を完遂したのである。現実に私は経済的自立ができていないのに申請を止められたら、死ねと言われているのと同じことである。

そして私は申請を終えたので、このnoteを書こうと思った。というのも、だ。ネットにある情報は具体的にどんな症状の人が障害年金を受給しているのか、いないのか、情報が少ないからだ。

理由は言うまでもない。生活保護と同様、障害年金の受給も"叩かれる"要素になりうるからだろう。実際、とある障害者に「(障害者)手帳を返納していますか」と質問が来ていたことを覚えている。いったいどの立場で、その人が手帳を返納すべきだなんてジャッジしているんだ? 何様のつもりだ? 健常者様か? と怒りを覚えた。

それでなくても、このnoteを公開することで、スタバのドリンクを飲んでいたら「障害年金でスタバとはいいご身分だな」とか言われるのかもしれない。

でも、noteを書くと決めた。それは、障害年金の現実を記録し、発信することで、申請を迷っている誰かの助けになればいいと思うからだ。

前置きが長くなったが、さっそく本題に入ろう。障害年金の制度については調べれば出てくるので、このnoteのメインはどんな症状の人間が申請をしたか、にしようと思う。申請のしかたや制度については多分ライフハック記事の方がずっとわかりやすいだろうし、noteに求められるのはそれじゃないだろう。

費用がかかり過ぎるし戻ってもこない

申請を迷っている人の助けになればいいと思って書いているのに最初から崖に突き落とすようなことを言って申し訳ないが、とにかく金がかかる。

診断書の費用が後から助成されるなんてこともない。全額自己負担である。この負担をできないもしくは難しいからこそ、障害年金の申請を考えている人も多いと思うので、年金の診断書は0割負担で出るとか、何かそういう制度を作って欲しい。

特に私は眼の症状と精神の症状の両方で申請したから余計にお金がかかった。総額1万は軽く越えるし、書類のやり取りをした私の労力もそれなりのものである。

ないエネルギーをどこかから持ってこなくてはならないくらいに重労働であった。それでも生活の安定のため、申請する必要があった。

心療内科の前の主治医には、「難しいと思う。出るとは断言できない」と言われたが、それでも可能性があるのなら、と診断書の作成をお願いした。

眼の症状

役所に問い合わせたところ、眼と精神の症状を申請した方が精神の症状単体での申請よりも通る確率が上がるがそれでもやはり通るとは断言できない……と言われ、少しでも可能性を増やすために、眼と精神で申請することにした。

眼の診断名は、眼白子症。いわゆるアルビノである。黄斑低形成とか斜視とか眼振とか診断書には書いてあった。

視力は両眼とも0.1前後。視野は特に問題なし。眼鏡による矯正の効果は薄い。

これは視覚障害者手帳は出ないけれども、車の運転免許は取れないという視力である。目で見て判断する業務(例えば清掃とか食品の選別とか)はできないし、車の運転を必要とする仕事には就けない。そこで生活の困難と就労の困難が生じている。

精神の症状

診断名はASD(アスペルガー症候群/自閉症スペクトラム)と適応障害である。

病歴就労状況申立書という書類に初診までの生育歴を書かねばならないのだが、正直に言って困った。私は何かやりづらいなと思いながら生きてきたが、自分がどう人と違ってやりにくいのかは未だに掴みきれていないからだ。

初診の頃のことは問題なく書けた。微熱や頭痛が相次いだこと、外出や炊事がどんどん億劫になっていったことなど書けることはたくさんあった。外出先でめまいや吐き気に襲われたり希死念慮があったりした。

生育歴のところにはとにかく対人トラブルが絶えなかったとか、友人ができにくかったとか、そういうことを書いた。もうそれ以外思いつかなかった。学業は特に問題なかったし。

ぶっちゃけ何がどうなってうまくいっていないかよくわかってないので、書くのに苦労した。

申請が通ることを願って

もう申請したので、2,3ヶ月後の結果を待っているしかない。この症状で申請が通ることを願う他ない。

少しは役に立っているといいな。

執筆のための資料代にさせていただきます。