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人は誰しも成長したくない、だからこそ迷ったら危険な道へ

「迷ったら危険な道を選べ」
私が高校生の頃に読んだ岡本太郎の「強く生きる言葉」に書いてあった言葉です。
岡本太郎の考え全てに共感しているようなタイプでは決してないのですが、
この言葉が今も強く心に残っているのは、それがとても難しいことで、だからこそ心を揺さぶる刺激的な言葉だったからだと思います。


心理学的恒常性という言葉があります。それをはじめて知ったのはいつだったでしょうか。度々自己啓発の分野で使われる言葉ですが、私が初めて知ったのはしばらく彼氏おらんからそろそろ彼氏ほしい!などとしょーもないことを考えてた時だった気がします……。
人には心理学的恒常性というのが備わっていて、基本的には今のままでいたい、変化を恐れるものだそうです。だから彼氏ほしいとか言ってる人も結局彼氏のいない今の状態からの大きな変化を避けたいと思ってるんじゃないか?という。そういう恋愛的知見を知ってしまいまして、なるほどな〜などと思ったものでした。

人間は元来変化を嫌うものだそうです。変化ってストレスなんですよね、人間にとって。

私は音楽教室をしていまして、音楽のレッスンというのは生徒さんの音楽的成長はもちろん、音楽以外の部分でも何かしらの成長を促す機会なのだと考えています。
私自身も日々成長し、なりたい自分になりたい!と思っているつもりですが、
変化を嫌う人間にとって、成長、それもストレスの一つなのかもしれません。

たとえばですが、
クラス合唱で、「みんなで一生懸命練習して、上手くなって、学年一位になろうよ!目標に向かって成長しようよ!」と誰かが言ったとして、
それに対し「うぜーだるー勝手にやってろよ」という人がいるとする。
これ、ある意味とても人間的なのは後者の方なのかもしれないですね。だって頑張って努力して高みを目指し、変化を遂げていく……なんて最強にストレスじゃん〜。

多分みんな、本来、成長なんてしたくないのよ。成長を促されるとか、成長しようと言われるなんて、心底うぜーし、だりーし、余計なお世話なのだ。

ですが、余計なお世話だとは分かっていても、
やっぱり私は、成長しようよ、私も成長したい、その方が楽しくない?って思ってしまうのです。より良い変化を求めてしまうのよ。
見える景色も変わって、新しい自分が生まれて、知らなかったことをたくさん知ることができて、悔しかったり、嬉しかったりもする。ワクワクするやん。楽しいやん。
まあ、ワクワクするとか、楽しいと感じることも変化だから、それもストレスですよね。
心理学的恒常性を持った人間にとって、感情の変化なんて、絶対ストレスじゃないか!

しかしながら、そう考えれば考えるほどに、私は成長したいと思います。心理学的恒常性、人間が生きていくために、自分を守るために、必要な仕組みなんでしょう。本能なんでしょう。
でも私の人生、私は人間としての本能・構造にではなく、「私」自身に舵をとらせたいと思いますよ。

そんな頑張ってどうするん?
そんな張り切ってどうするん?
新しいことばっかり追い求めてどうするん?
今のままでいいやん、
このままでいいやん、
わざわざそんなんせんでいいやん、
いつも通りでいいやん、
前例ないやん、
考え過ぎだよ!

って
うるせえええええ
黙ってろ俺の、お前の、ホメオスタシス
そんなもんに指図されてたまるもんか

やはり私はより良い変化を求めたい。
立ち向かうのだ。それがたとえ本能的にはストレスであろうと。
だからこそ、
「迷ったら危険な道を選べ」
34歳にして、改めて心揺さぶられる言葉です。

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