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雨の日に、あの雨の日のことを、雨を思いながら書く。

雨の日、曇りの日が続く季節になりました。
天気が悪いだけならまだ良く、災害などにならないことだけを祈るばかりです。

どちらかというと自律神経系が弱い私は、頭痛を抱えがちな季節です。とはいえ、梅雨が終われば、あちらこちらで冷房が効き始めます。
気温差で体調を崩しやすいのは、梅雨明けの方かもしれません。
共感してくれる人がたくさんいそうだな。


そういえば今まで誰にも話したことがなかったのですが、私にはとある雨の日の思い出があります。

思い出といっても、ストーリー性のあるものではないので「思い出の場面」と言った方が適しているかもしれません。

小学生の頃でした。
5年生か6年生。
私はある女の子と一緒にいました。

名前は思い出せないけれど、部活が一緒の一学年下の子でした。
顔と雰囲気は頭に浮かぶのに、名前が思い出せません。

家の方角が一緒で、仲が良かったんですね。
私が小さい頃は、公立小学校は土曜日も学校がありました。
たぶんその日は土曜日でした。

部活が終わって少しのんびりしてたら、校内にいるのが自分たちだけなんじゃないかと錯覚するくらい人気がなくなっていました。


昇降口で何か会話をしました。恐らく「雨がいっぱい降ってるね」とか、そんなことを口にしていたのだと思います。

二人ともカサを持っていました。折りたたみ式でなはく、長いカサです。
それぞれカサを手にして昇降口から出ました。


その時の私たちは、テンションが上がっていました。何かとても面白いことを話していたのでしょう。ふざけあって笑っていました。

そして、私が言いました。

「ここにカサ置いて、校庭走ろうよ」

そう。
私ははっきり言いました。この場面だけはしっかりと覚えています。

下級生の彼女は始めこそ驚いていましたが、ふざけ合いの延長から、カサを起きました。

朝礼台の前のあたりに、カサが二本置かれました。

小雨ではない。しっかりと降る雨の中を、
私たちは、キャーとかワーとか、大騒ぎしながら走りました。

雨の中を。笑いながら走り回りました。


雨の日に、あの雨の日のことを、雨を思いながら書く。

雨が降ると必ず思い出します。
けれど、誰に言ったとしても「だから何?」と思われそうで口にすることはありませんでした。

それから、なぜよりによって、このシーンだけを思い出してしまうのか。自分でもよく分からなかったからです。
自分でも不可解なものを、誰かに伝えようとは思わなかったのです。


今日は、雨音がしたかと思って外を見ると、カサをさしている人がいない。その繰り返しの一日でした。

雨が降ったらカサをさすのが当たり前。


ああ、そうか。そうなのか。
この言葉が頭に浮かんだ時、突然答えが出たように感じたのです。

雨の日にカサをささないで、思いっきり雨を楽しみたい。
長靴を履いて、水たまりに思いっきり飛び込んでみたい。

ずっとずっと幼い頃、私はこんなことを考えていました。

小学校の頃の記憶は、もっと幼い頃の記憶につながっていたことに気づきました。

そして、大人になってからも、どうやら私は雨を楽しみたい願望があるということも。




窓の外は風が強く、明日は大荒れの天気予報と聞きました。
とても「雨を楽しむ」どころじゃないかもしれないけれど、今日の気づきはきちんと胸に。いつか叶えたいと思います。


いつだろう?
どんなときだろう?
ちょっとワクワクしながら、今日のnoteはこれで閉じます。


P.S.
ここまで書き上げたら、
雨の校庭を一緒に走った彼女の名前を思い出しました。 ^ ^








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