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子供に何かを、してあげること。

実は、子供が小学生の頃にPTA会長をしていたことがあります。

長くPTA会長を務めていた方のお子さんが卒業されるタイミングで、内々の肩たたき(直接交渉)もうまくいかなかったようで推薦投票となりました。

数名、推薦された名前が挙がり、そこに一票だけ私の名前があったのです。

当時の私は、全般性不安障害を抱えて生きていましたが、子供の小学校が我が家の隣の距離ということもあり、リハビリ?も兼ねてPTA活動の参加率は高い方だったと思っています。

他にも若干、地域活動のようなことをしており、狭い範囲ではありますが地元の人に名前が知られているところがありました。


PTA会長になる人って、どんな人だと想像しますか?

地元の名主? どこかの会社の社長でもしてる人? 教育熱心なママ? 
自治会の会長?役員?

見るからに堂々として、交友関係も広くて、どっしり構えていそうな。
そんな人を想像したりしないでしょうか?

対して私は、小柄なごく普通の主婦でした。
どちらかと言えばコミュ障で、そこまで友達が多いとも言えません。
強いて言えば、地域活動を少し長く続けていたので、地元のご高齢の方とのつながりがあったぐらいでしょう。

けれど、そこに私の名前が挙がりました。
そして、東日本大震災の被害を多少なりとも受けた地域と小学校と、子供たちのために・・・、衝動的にPTA会長をやることになったのです。


保護者の価値観の違い

ここまでの経緯からすると、私のことを貢献心が強い人だと想像したかもしれません。
けれど実際の私は、どちらかと言えば自分の幸せを追求したい方であって、貢献心が強い方ではないと思っています。

自分の子供たちに対しても、あれもこれも世話するというよりも「そんなん、自分でやれ」ぐらいなスタンスです。笑
それは仕事でも言えることで、もともと技術者だということもあって、「自分のことは自分でやる」というのが根底にあります。

だから、親が先導していろんなことを子供たちのためにしてあげるような、そんな考えは持っていません。

そんな人がPTA会長になって感じたことは、保護者それぞれの価値観の違いでした。

①子供たちのために、いろんなことをしてあげたい。
 1から10までしてあげたい保護者。
②ある程度はやってあげて、残りは子供にやらせたい。
 1から5までしてあげたい保護者。
③お膳立てはするけれど、あとは子供にやらせるべき。
 1から2までしてあげたい保護者。
④PTA活動はやらないという保護者。

これくらいの段階に分かれる気がしています。
そして、このどれもが尊重されるべきだと考えています。


子供に何かを、してあげること。

当時、さまざまな価値観を持つ保護者がいることを体感した中で、私が意識していたことがあります。

すべては「子供たちのために」であり、「保護者のために」やらないこと。

そして、PTA活動としては「保護者」となるのですが、日常生活においては

すべては「子供たちのために」であり、「親のために」やらないこと。

と言い換えることができます。
つまり何が言いたいかというと、子供の成長と共に親も成長しなければならないということです。

生まれたばかりの子供は、当然ながら親の庇護の元でしか命を保つことができません。ある意味辛くなるくらい、全身全霊を子供のために過ごす時間もあると言えるでしょう。
けれど、徐々に子供が社会を知り、自分のコミュニティで生活していくに従って、子供を尊重していく必要があります。

この時、「あなたのために、親としてやってあげているのに」といった感情が出てきたら気をつけた方が良いです。
子供に対して一生懸命になっているのに、親が良しとする反応が返ってこないといった時に浮かびがちな発想です。

子供のことを最優先にしていそうで、実は自分のためにそれをしているからです。子供から感謝される自分。子供から尊敬される自分。子供から愛をもらえる自分。子供から親として認めてもらえる自分。

私は幼少期から高校生に至るまで、自分の母親から「どうして私がこんなにアンタのためを思って一生懸命になって言ってるのに、反抗ばかりするんだ。言うことを聞かないんだ」と言われ続けていました。

この言葉を投げつけられる時間は、私にとって大きな苦痛でした。
彼女の存在を認めるために生きているのではないと、ずっと思って生きていました。

「アンタのため」を指す言葉は、すべて彼女の価値観中の「正しい」であり、私の望むものではなかったからです。
彼女との生活では、私は常に彼女の価値観を尊重しないといけない状態でした。尊重されていないと感じた時のヒステリックなやり取りは、私にとって無駄な時間でした。


そんな私が親になり、自分の子供たちにどれだけのものを与えているかは分かりません。
けれど、だいぶ大きくなった子供たちのことを思うと、また一つ、私も成長して彼らの価値観を尊重していくことを優先にしなければいけないと気づくのです。

子供に何かをしてあげることは、とても素晴らしいことだけど、必要のないものを与えたり、与えすぎることは何かを壊していくことになると思っています。

そうしてあと数年もすると、完全に母親を卒業することになると思います。
母ではあるけれど、保護するでもなく、相談できる人でありたい。
これが今の私にとっての、数ある目標の一つです。


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