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息子の知り合いのネコ様に、会う。

二週間ぶりに家の外に出ました。
よく晴れた風の街は、やはり通常よりも人出が多い雰囲気でした。川を渡る橋ですれ違う人など、いつもであれば2〜3人程度のような気がするのに、10人くらいの人とすれ違いました。

川沿いは、散歩したりジョギングしたりしている人が多く、何だかびっくりするぐらい爽やか。こんな時ですが、街が活き活きしているような感じを覚えました。

「ミャーオ」

橋のたもとに降りると、彼がいました。

「おお!この子は、あの子じゃないか」と、
訳のわからない言葉を発して、シャッターを切りました。

うちの息子は中学校に上がる時、学区外の中学に入学しました。大好きなバスケをするのに、学区内の中学にはバスケ部がなかったからです。
幼稚園・小学校と、なじみのある友達と別れて、隣の学区の中学に入学することに関しては、彼なりに悩んだ時期があります。
小学校6年生で、初めての「人生の決断」のようなものを体感したわけです。

中学受験をする子も多い地域なので、友達と別れるということ自体に関しては珍しいことではなかったと思います。それでも、「そばにいるのに、離れている」という状況を選択するには、彼なりに悩んだんですね。

結局、隣の学区の中学校に入学した彼は、川を越えて通学しました。
いくつかのルートを気まぐれにたどって通学していたようで、この橋を渡るのもその選択肢の一つでした。

本人の選んだ中学だとはいえ、入学したての頃は、馴染めるかどうか心配していました。
でも、ここで彼はやはりバスケに助けられたようで、バスケを通じて友達になった子がいたため、戸惑いながらも毎日通い始めることができました。

同じようにバスケがしたくて、別の小学校からこの中学に通い始めた友達と、フラフラと帰る様子を伝えてくれるようになりました。
その一つに、「川のたもとにいるネコと遊んでから帰ってくる」というエピソードがあったのです。


息子の知り合いのネコ様に、会う。

「おお!この子は、あの子じゃないか」

帰宅してから、息子にネコ様の画像を見せると、「ああ、そう。あの時のネコ。」と頷きました。他にも何匹か川のたもとにはネコがいるようで、そのうちの一匹だそうです。

もっと懐かしんだりしてくれるかと思っていたのですが、母の興奮の割に淡々とした表情。笑
それでも、耳がちぎれているとか、他のネコの特徴だとか、ネコを通じて話をしたおばあちゃんの話だとかを口にしはじめました。

私が会った時、ネコ様はとてもフレンドリーで、そばに近づいてきました。不覚にもネコ見知りしてしまった私は、しゃがみ込んだまま、ビビって後ろに尻もちをついてしまいました。

それこそソーシャルディスタンスを保ちつつ、ネコ様に心の中で「あの頃は息子がお世話になりました」と、それはそれは丁重にご挨拶。お辞儀はちゃんとしました。



素知らぬ顔で、それでも若干うれしそうにネコ様のことを語る息子の声を聞きながら、小さなことに感動している自分に気がつきます。



ああ、小さなことを綴るのも、大切だと思いながら
犬派の私は、これからもnoteを書き続けます。(=^・^=)


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