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『光る君へ』第16話を観て・・・※ネタバレあり

みなさん、こんばんは。
『光る君へ』第16話のタイトルは「華の影」でした。


 さわちゃん、メンヘラ???

前回のラストでまひろに食ってかかり、死んでしまいたいとのたまったさわ嬢(野村麻純さん)。
たしかに母親違いの兄弟のいるところで継子であるさわは辛い思いをしていたことでしょう。継母が優しかった話などは紫の上くらいしか思い当りません。
そもそも前回石山詣でに出かけることになったのも、現在の境遇からを救い出してくる王子様に引き合わせてもらえるよう頼もう、と観音様に願掛けに行く、というのが発端でした。いろいろとツッコミたいところではありますが、まひろの自我が確立していることから鑑みても幼稚ですね。
しかも道綱の狙いがまひろであったことにも、逆恨み・・・。
まひろは手紙を毎日届けさせますが、受け取りもしない非常識な娘です。
こういう子はたいてい「自分は何も悪いことをしていないのに」と被害者顔をするものです。
乙丸が言うように放置しておけばよかったのではないかと思います。
しかしながら、まひろが死線を彷徨っていたことを聞くのでしょう。
来週の予告では仲直りができるモヨウです。

 白居易と雪遊び

道隆の嫡男、伊周(三浦翔平さん)は鼻持ちならない嫌な顔を見せております。帝の為に、といいながら、公任(町田啓太さん)や行成(渡辺大知さん)斉信(般若金田さん)などの若手の公卿を取り込もうとしております。
今回から初めて同母弟の隆家(竜星涼さん)が登場しましたが、なんともお気楽であけっぴろげな感じの若者でした。
雪遊びを始めた一同を「何が面白いのやら・・・」と冷ややかに見つめておりましたね。正直者です!
竜星さんは背が高くて頭が小さい!
ものすごいスタイルの良さですが、おどけた役なので圧迫感はなく、線が細いのでこれまた眼福です。
さて、脱線しましたが、この雪遊びの場面に続く前に、中宮定子(高畑光稀さん)が教養のあるところを見せました。
「少納言、香炉峰の雪はいかがであろうか?」
これは白居易(白楽天)が江西省香炉峰に左遷された時に詠んだ漢詩が元になっております。自然豊かなその地で白楽天が名勝の廬山を詠んだものです。
 香炉峰の雪は簾を撥(かか)げて看(み)る
定子の問いかけに、清少納言は御簾を巻き上げさせて雪景色をご覧にいれました。これは白楽天のこの漢詩を知らなければ返せない教養を見せる場面ですね。このことは『枕草紙』に描かれているので、まさかの紫式部のお話で枕草紙のオマージュ、という手法がとられたわけです。
しかし、ちょっと待て・・・。
少し巻き戻してみて気になることが。
行成が自分の書いた書を主上に献上し、斉信が鏡を定子に献上した後、定子は主上にお伺いを立てました。
「お主上、今日は何をして遊びましょう?」
疫病が流行っているというのに、遊ぶのか?
と、現代人の私は思ってしまいました。
そしていい大人が庭で雪遊びというのも、いかがなものか・・・。
道長が興ざめしたのは仕方がありませんね。

 道隆と伊周、調子に乗りすぎですよね・・・

道隆(井浦新さん)の身内贔屓はここに極まれり。
その後ろ盾に当然のように胡坐をかく伊周。
来週はどうやら頼みのお父上が身罷ってしまうのでしょう。
「関白は伊周に!!」
と予告で絶叫されておりました。
道隆はいわゆる糖尿病で亡くなったのです。
史実上の先の話でネタバレですが、(この頃の事情は『大鏡』に綴られておりますね)伊周はこの先道長と政権闘争を繰り広げてゆくことになります。
そして一条天皇からもその高慢な態度を嫌われてしまうのですね。
しかも今回女院(東三条栓子=吉田羊さん)を生意気にもやりこめて益々鼻を高くしておりました。
よくやったといわんばかりの父・道隆と母・貴子(板谷由夏さん)。
貴子は内侍として宮中にお仕えしていた才女でした。少し女院の存在を恐れはじめておりましたが、もう時すでに遅いと思います。
ガッツリ睨まれていると思います。
そして栓子は道長とは仲の良い姉弟でした。
父・道隆がいなくなってしまえば若造などはどうにもならないはずです。
人格も人望も、施政者として力量も道長の方が優れていると栓子は涙ながらに息子の帝に説くのです。
それにしても自分たちは疫病には罹らないから、民草はどうでもいい、というあの親子の姿勢がいただけませんね。
一条天皇は「徳の無い天子」と歴史上記されるのが嫌だと仰いましたが、その意向はまるきり無視されてしまいました。そしてどんどん最悪の状況になってゆくというわけですね。
今回、伊周は内大臣という分不相応な役職を賜ります。
そしてその上は右大臣となった道兼(玉置玲央さん)と父の道隆になります。
道兼はすっかり立派に政治家としての務めを果たし、民を思いやる姿も父の呪縛から逃れて頑張っているんだな、とちょっと感動しました。
道長との関係も良好なようで、道長の様子がおかしいと感じるや声をかけ、市井に確認に行こうとする弟を、汚れ役は自分の仕事だと案じます。
すっかりいいお兄ちゃんです。
結局二人で悲田院(ひでんいん=病気などにかかったものを治療する施設)に赴くことになりましたが、ここで道長は病に倒れるまひろをみつけるのでした。

 先週の予告から騒然のお姫様抱っこ

まひろは以前字を教えた平民のたねちゃんが両親が戻ってこないことに不安で、訪ねてきたことをキッカケに共に飛田院へと向かいました。
すでにたねの両親は亡くなっており、たね自身も発熱してまひろの懸命の看病虚しく亡くなってしまいました。
次々と人が倒れ、薬師も倒れ、病は広がる一方です。
もちろんまひろも罹患してしまい、昏倒してしまいます。
道長はまひろを家に連れ帰り ⇒ 馬から降ろしてお姫様抱っこ
当たり前なんですが、ほんの一瞬でしたね。
ネット上ではけっこうみなさん騒いでいたのに・・・。
(私はFacebookの大河ドラマ『光る君へ』について語るグループに所属しています)
それはもう、みなさん話題沸騰でした。
道長はまひろの父・為時(岸谷五郎さん)に有無をいわさず一晩看病を続けました。それはもう声をかけ続けて、「逝くな!」とまひろの魂をこの世に繋ぎとめた、感動の場面でした。
道長のおかげでまひろは峠を越したようですが、為時はビックリしたでしょうねえ。
大納言の道長が勝手知ったる風でズカズカと家に踏み込んできたのですから。下女のいとも「???」的な感じで下世話に興奮しておりました。
まだまだ財政が苦しい為時家ですから、あのいとは踊りださんばかりに喜びそうです。。。
さてさて、来週も波乱の予感。

では、また来週☆


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