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内大臣の今姫君について

みなさん、こんばんは。
本日は紫がたりに最近登場した内大臣の今姫君、『近江の君』について書きたいと思います。
源氏が見出した夕顔の娘、そして玉鬘姫はかつての頭中将で、今は内大臣に上りつめた葵の上の兄の娘ですね。
源氏はもともと子供じみたところがあり、悪戯心もあって玉鬘姫を自分の娘と世間に公表して世の反応を楽しみます。
「源氏の大臣の娘」というだけでも若い貴公子達は憧れに胸を焦がし、どれほど美しく気高いかと想像したことでしょう。
思った通りの効果が得られて源氏は満足しますが、それでいて一方では玉鬘姫に溺れてゆきます。
 
世の狂奔の的となった源氏を羨む内大臣は自分にもどこかほかに姫がいるはず、とついに探し出したのが近江の君です。
近江の君の登場は物語のエッセンスのひとつです。
まさにコメディ。
玉鬘と源氏の仲はじりじりと着かず離れず、なかなかの長丁場です。
紫式部が生きた平安の宮廷の浅薄な女官たちは新たな形の源氏の恋に熱中したことでしょう。
しかしながら物語というものは一人の人生だけを描くのでは深みがありません。
様々な人物が関わりあって横糸を織りなすのが物語の醍醐味というものです。
そういう意味では玉鬘の対抗馬として登場した近江の君は強烈で魅力的なキャラクターでした。
 
私の書く創作部分でもそのキャラクターを活かして姫君を面白く生き生きと描くにはどうしたらよいのか?
ここはとても考えました。
私の書くお話はセリフが少ない方だと思います。
そして、キャラクターの個性を引き出す時に有効なのがそのセリフだと考えております。
玉鬘の帖で登場した大夫監にもわずかですが、強烈な熊本弁で表現しましたが、さて近江の君はというと、滋賀の姫ですので、京都弁がよろしかろうかと考えました。
かなり下品な感じで・・・。
ところが私は関東の人間なので、大阪弁と京都弁の差がよくわかりません。
そこで京都出身の方にいろいろと教えてもらい、近江の君のセリフが出来上がりました。
さてさて、これからどうなることやら。
近江の君の暴れっぷりを面白く表現できれば幸いです。

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