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『光る君へ』第12話を観て・・・ ※ネタバレあり

みなさん、こんにちは。
ずいぶん陽も伸びてきてとうとう開花宣言がありましたね。
短い桜の時期を毎年待ちわびております。

次回、『令和源氏物語 宇治の恋華 第百十六話』は明日3月30日(土)に掲載させていただきます。


 道長の変貌

『光る君へ』第12話 「思いの果て」というタイトルでした。
互いを想いながら身分ゆえに結ばれることが許されないまひろと道長。
それぞれに苦悩を重ねて、分かれ行く決意をします。
今回は柄本道長の大きな変化が主軸になっておりました。
まひろとの約束「身分の低い者が虫けら同然に殺されるのが普通であってはならない、皆が平等に生きられる世界」そのような社会を作るには、道長が政治に食い込んでトップに立つ必要があります。
そのために一念発起、苦手な学問を克服して、左大臣の娘・倫子を妻として着実に権力を手に入れる算段をしました。
姉の栓子が推している源明子も妻に娶るモヨウ・・・。
(もうヤケクソなのか?)
以前藤原公任(町田啓太さん)が、「よい家に婿入りし、娘をもうけて天皇に差し上げ、いずれ帝の外祖父になり、家を栄えさせることが我らの務め」と打算的な発言をしていましたが、まさにその道を道長が進もうと決意するのです。
まひろは妾でも道長との愛を貫こうと決意したのとは真逆にすれ違うことになりましたね。
しかしその道長の変貌に公任は危機感を抱きます。
今や政治の要は摂政である兼家となり、公任の父である藤原頼忠は引退を考えます。公任は頼もしい父が弱気になることでさらなる危機感に苛まれます。そしてあろうことか道兼(玉置玲央さん)に接近してゆくのです。
これはまた先のお話になるので、ここまで。

 まひろの婿さがし

父の為時が官職を失ったせいで家は困窮します。
親戚で後にまひろの夫となる宣孝(佐々木蔵之介さん)は「よい婿をとって家を救え」とまひろに助言し、みずからも婿さがしに奔走します。
なんと白羽の矢が立ったのがあの濃い~い藤原実頼(ロバート秋山さん)とは。その時ちょうど赤痢にかかっており、「あれは死ぬな」という一言で切って捨てた蔵之介さんのセリフに笑ってしまいました。
さて、平安時代ではまさにこうした現実が目の前に横たわり、機転の利く女性は女房となって他のお邸に務めに出るか、実際に財力のある男性の妾になって家を守ったのでした。まひろが紫式部と呼ばれ、宮中に招聘されるのはまだまだ先のこと。
宣孝が夫となるという結果は知っておりますが、ドラマではこれからどのような展開になってゆくのか、佐々木さんとのラブロマンス要素はあるのか、楽しみにしたいと思います。

 倫子の懇願

とうとう源倫子(黒木華さん)が父の左大臣源雅信(益岡徹さん)に道長との結婚を願い出ましたね。
「猫にしか興味が無いと思っていた」という父親の娘心を知らぬ感じが笑ってしまいました。益岡さんは本当に困った顔がよくお似合いなので、今回のようなセリフと困惑ぶりがピッタリです。
摂政兼家から直々に縁談を強要されるのも、そもそもこの二人はそりがあわないようでしたので、まずその息子と愛娘を結婚させるのが嫌な左大臣なのです。
しかも兼家の手紙の使いとしてわざわざ道長を行かせ、そのしゅっとした男ぶりの良さをさりげなくアピール。益々気に食わない益岡さんはどうしても首を縦に振ることはできません。
しかしとうとう倫子の必死の訴えに負けてしまうのです。
平安時代では、身分の高い貴族は家同士が決めた相手と結婚する場合が多かったのです。身分が釣り合う相手を親が選び、当人同士は結婚の夜に初めて会うのもざらなこと。実際に結婚してみて相性が悪い場合もあったでしょう。
そう考えてみれば倫子は自分の意思で自分が好きになった相手と結婚できたのですから幸せな平安女性であったといえるでしょう。

今週はスローな展開で、新しいキャラクターであるなつめの娘「さわ」が登場しました。飾らないタイプでまひろとも気が合い、妹のような存在になりそうですね。まひろは漢文を嗜んでいたせいか、ちょっと女子としての感性がずれているようにドラマでは描かれています。
ひとつの恋が終わり、同性の友人ができたことでどのように磨かれてゆくのでしょう。
それもまた楽しみですね。

では、また来週☆


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