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源氏壮年期の翳り・・・

みなさん、こんにちは。
 宝飾業界はただいま絶賛❗繁忙期でございます☆
みなさまの記事を読ませていただく楽しみが先延ばしになっております。
申し訳ありません。
「薄雲」と「朝顔」の帖を振り返りまして、今日はお話しようと思います。
 
須磨・明石の隠棲期間を経て、源氏は朝政に返り咲きました。
最初こそ真面目に勤めて国を建てなおした様子を好印象で描きましたが、「薄雲」の帖では秋好中宮に言い寄り、「朝顔」の帖では斎院の姫宮に言い寄るという、またいつもの悪いクセが出てしまった源氏の君です。
しかしながら、もう蝶よ花よと讃えられ、言い寄る女性が軒並なびいた昔の光る君、というわけにはいかないのが物語の面白味のあるところです。
秋好中宮は源氏の好色さを薄ら気持ち悪く感じられ、朝顔の姫宮も「今さらいい歳なのだからやめましょうよ」、という感じで源氏を拒み通します。
どう考えても壮年期の男性のいやらしさが先行してしまいますね。先になりますが玉蔓に対しての行いはもう、いやらしさ全開です。
惨めなのはこの男性の妻である紫の上ではないかとつくづく感じます。
 
これより先に源氏はとうとう女三宮を降嫁されますが、すでに明石の小さい姫を立派に送りだした紫の上にははっきり言って源氏の正妻の座などどうでもよく、最も尊い皇女という身分の新しい妻も関係ないのです。
私の創作全開の「紫がたり」では、ちょうどこれからの帖は源氏がこれまでの己の所業から復讐を受ける展開になってゆきます。
もっとも大きな復讐はというとやはり紫の上の死、ということになるのではないでしょうか。
 
源氏物語は光源氏という一人の人間の一生を描いたものです。
そこには光もあり、影もあり、浮き沈みもあってこその味のある物語であると思います。
私の書き進めるお話も中盤に差し掛かりました。
これからもどうぞよろしくお付き合いください。

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