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『光る君へ』第9話を観て・・・ ※ネタバレあり、残酷な表記もあります

みなさん、こんばんは。
第9話はなかなか視聴する気持ちが起きませんでした。
それはやはり直秀の死、というのが重くて、ですね。


  遠くの国

「遠くの国」って、遠すぎる黄泉の国でしょう。。。
鞭打ちされ遠投になるかと思えば、右大臣家への嫌がらせなのか、あれだけの命を容赦なく奪うのが、なかなか残酷な描写が多い今年の大河ドラマです。
しかもカラスが屍肉を狙いにくるという、これまた酷な描写でした。
鳥辺野は古くから死者が葬られた場所です。
私は行ったことがありませんが、東山区の清水寺がある場所のすぐ近くということです。
ここに場所が選定されたのは、あまりに遠いと不便であり、西方に浄土があると信じられていたので、死者の魂が西に向かっていく、ということから定められた地です。
平安の都は当時人口12〜13万人。
しかも人の寿命も短く、葬送に関する問題は深刻なのでした。
鳥辺野とはその名の通りに、身分の低い者は風葬、鳥葬による弔いが主流でした。遺骸は鳥に食べてもらいやすいように木の上に晒すように葬られたそうです。
人は死して無に帰るというように、鳥によって肉は削がれ、落ちた骨が地に帰るという葬送でした。
貴族は大抵火葬にされ、その灰を大地に帰したのです。
身分卑しいあまりにカラスに狙われた直秀の遺骸を自らの手で穴を掘って大地に弔った道長とまひろ。特別な絆を育むとともに、互いを恋い慕う間柄に発展するようです。
「ソウルメイト」というのが二人の関係性らしいですが、平安の身分に縛られた貴族社会にあっては、さもあらん、ですね。

 右大臣の諮りごと

やはり右大臣は病んでいるふりをしていただけでした。
そんな気がしていた通りに道兼はいち早く右大臣の意を受けて花山天皇に取り入ることに成功したわけです。
そして花山天皇に道兼を紹介したのがまひろの父である為時というのが、なんとも皮肉。。。
右大臣は自分を裏切る者にはあくまで容赦がありません。
学者である為時には、政事のなんたるかを理解することはけして無いのでしょう。それ故に花山天皇の退位後には再びの無官という辛酸を舐めることになるのです。
さて、来週は花山天皇が出家させられる大きな場面を迎えます。
「大鏡」に描かれた通りの大きな政変です。
スーパー陰陽師・安倍晴明その人が星を読み間違うはずもなく、まさかのコンダクターとは、驚きですね。
しかしこれも大いなる流れの中では些末なこと。
やはり道長の顔をじっとみつめていたのは、望月が見えていたとしか思われません。
一年という長いスパンのお話の伏線とみました。

 今週の真宙君

私の個人的な好みで注目しております、高杉真宙君。
紫式部の弟役として、実にのびのびと存在感を増しておりましたが、とうとう大学寮に入る事となりました。
勉強が苦手なのにねぇ・・・。
源氏物語では、源氏の息子で葵の上の忘れ形見の夕霧が父の意向で同じように大学寮に入れられます。
これは紛れもない源氏の親心からでした。
実力なくば家門に頼るばかりで腑抜けになる、という源氏の危惧がさせた行動でしたが、夕霧は父の思惑に打ち勝つほどの実績を示して後には大臣にも上るのです。
夕霧とは比べものにならないヘッポコな弟君ですが、今週もほっこりさせていただきました。
次回はとうとう花山天皇包囲網が大詰めを迎えますね。

では、また来週☆


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