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『光る君へ』第13話を観て・・・※ネタバレあり

みなさん、こんばんは。
次回、『令和源氏物語 宇治の恋華 第百二十一話』は4月7日に掲載させていただきます。

さて、第13話のタイトルは「進むべき道」でした。
まひろが道長と決別し、政治の世界では一条天皇が御年15歳にて元服されました。
道隆(井浦新さん)は娘の定子(高畑充希さん)を入内させましたね。
定子はお主上より三つ年上ということですが、ドラマで描くのは厳しいところですね。やはり違和感は拭えないものでした。


 兼家の耄碌と呪詛

時は流れ、物語は大きく動きました。
道長(柄本佑さん)と北の方の倫子(黒木華さん)との間にはすでに運命の中宮・彰子が誕生しておりましたね。
そして老いた兼家(段田安則さん)は耄碌発言が飛び出し、一族は、ひいては道長は大きく動揺します。
政変のキッカケを自ら作り、成し遂げた兼家は目的を果たし燃え尽きてしまった感があります。
しかしそれはまぎれもなく「老い」ゆえ。
倫子は同じく自分の父親にも老いを感じると、
「あれだけずっと頑張ってこられたのですから・・・」
優しげに「老い」を肯定する倫子はとても好ましいですね。
しかし道長はこれを受け入れられません。
人に等しく訪れる逃れられない宿命ではありますが、やはり偉大な父が呆けてゆくのは辛いことでしょう。父と息子という立場は、父と娘とはまた違うのかもしれませんね。
道長は倫子と同時に源明子(瀧内公美さん)を娶りましたが、明子は父である源高明の無念を晴らすために父を死に追いやった兼家に近づくために道長と結婚したのです。
ズバリ呪詛のため!
そして兼家を見舞いに行くとみせかけて憑代として兼家愛用の扇を手に入れました。 

 まひろの進む道とは

まひろは苦しんでおりますね。
「自分らしい道を探す」と道長に告げて別れましたが、それがどうしたことなのか模索中です。
実際に暮らしを立てなければどうにもならないわけで、まひろはとうとう女房として他のお邸に仕えることを決意しました。
しかしながらなかなかうまくいきません。
「下働きの下女ならば・・・」
というお話はありますが、それは父為時の矜持も許さぬところでしょう。
それにまひろにも躊躇いがあるのです。
まひろの苦境を救おうと道長の正妻の倫子は手を差し伸べますが、まひろにとってそこはもっとも居心地の悪い場所だったでしょう。
自分の書いた手紙を倫子に見せられるのも冷や汗ものだったに違いありません。
倫子に道長との関係を知られるのも憚られますし、何より道長と会うこともあろうかと・・・。
やはりラストでしっかり会ってしまいましたね。
数年の時を経て、互いにまだ何も成し遂げていないことを近頃の道長の焦りをみるや情けなく思っているのは感じられます。
そしてまひろも自分の道を定めることができずに喘いでいるのです。

 栓子の変貌と道兼の落胆

一条天皇の母である栓子は堂々とした風格を備えて、まさに女帝ですね。
まだまだ幼い天皇が、定子と隠れ鬼などをするのを冷ややかに見つめておりました。どこか人を寄せ付けない雰囲気に定子は呑まれてしまいます。
気軽にお義母さま、と呼べるタイプではありません。
後に女院と呼ばれ、道長と共に政治を動かしてゆく女性なので、普通に演じてはならないわけです。
吉田羊さん、アッパレ☆

道兼は花山天皇を出家させた功績のわりには自分の扱いが低すぎると不満轟々ですが、藤原公任(町田啓太さん)が接近してきたことに悪い気はしないもよう・・・。
いずれ娘を入内させ、兄の道隆を出し抜く算段をしておりますね。
この一族兄弟の争いは道長が制するというのは歴史を知る我々は心得ているところですが、道長もまだまだ未熟ですので、ドラマでどのように変貌してゆくのか楽しみです。
藤原実資(ロバート秋山さん)が誰にも平等に接する常識人ですので、道長の葛藤と焦りを見守ってくれる感じです。
さて、来週兼家はどうなるのか?
成るか、呪詛?!

では、また来週☆



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