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「輪島塗のレンタル」で2週間おうち料理してみた

私は、フリーランスでPRの仕事をしながら、最近では料理コラムを書かせてもらったり、仕事でもプライベートでも料理の頻度が人より多い。

普段、レシピを考えるときは外食で食べた料理からインスピレーションをもらうことも多かった。しかし、3月半ば頃から今日に至るまで、外食・買い物は気軽にはできず、もっぱらPinterestやレシピブック、映画を中心に次のレシピアイデアを探す毎日だった。

そんな私がこの時期、レシピを考えるエッセンスにしたもうひとつのアイデアが「器」

緊急事態宣言が出された4月半ば、以前、輪島塗を購入した「田谷漆器店」10代目のnoteを読んでいたら、こんなお知らせが。

「輪島塗のレンタル」か。単純に"面白そう"と言うのと10代目の"伝統工芸をもっと身近に感じてもらいたい"と言う熱い気持ちが、私の好奇心を誘った。ただでさえ料理頻度が高いことに加えて、おうち時間。ここは、器から何かインスピレーションを受けるのも面白そう、そう思って問い合わせ。

ようこそ我が家へ、輪島塗さま

問い合わせから数日して、早速我が家に10点の輪島塗が届いた。

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箱を開けるまでは何が入っているか、お楽しみ。ワクワクしたテンションを1人で受け止めるのはもったいないと思った私。GWまっただ中の昼間、80人以上の人たちが見守る中、暇だった私は開封の様子をインスタライブした(▽インスタライブ後の私の興奮度高いフィード投稿)。この様子は大いに盛り上がり、我ながら「おうち時間」の楽しみ方をマスターしている様な気分に。

初めて見る「盃洗(はいせん)」なるものから、蒔絵が美しい大皿に、モダンなコーヒーカップまで多種多様な10点。総額で一体いくらくらいなのだろうか…。レンタル料は1万円(保険料・往復送料込)だが、東京の器リース店でこれだけの漆器を2週間レンタルしたら、そもそもこんな値段では借りられない(しかも壊したら、しっかり弁償)。

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到着してからまずは記録用に写真を撮ったら、この美しさ。自然光に反射する輪島塗の光沢は艶っぽく、思わずカメコの様にシャッターをきる私。正直、器を眺めているだけでも、こんなに幸福感に満たされるだなんて思ってもなかった。

レンタル期間は2週間。10種類を使い切るには、1日1種類は使わないと使いきれない。そこで私は、使う器を決めて作る料理を考えると言う手順を踏むことにしてみた(普段は料理→器の順がほとんど)。

一番最初に盛り付けた器

一番最初に使ったのは、鶴と桜の蒔絵が描かれ、《THE 輪島塗》オーラがすごい「盛器」。

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これは同じくお皿に負けないパンチのある料理が良いだろう。と思い、『南インド料理の「ミールス」風・鹿肉の自家製スパイスカレー』を。パパド(パリパリのやつ)を乗せて、ターメリックライスと付け合わせの野菜でコントラストを。カレーもちょっぴり"和シック"に。これはこれでアリな盛り付けに。

ほぼ毎日使った器

それは言わずもがな、コーヒカップ。漆器の特長のひとつ"熱を通しにくい"のが特に分かりやすかった器だった。

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淹れたてのコーヒーでも、カップはほんのり温いくらいで、持ちやすい。何よりも、カップの淵が口当たり滑らかで、コーヒーを口に含む瞬間もまろやか。次にまた輪島塗を購入することがあれば、迷わずコーヒーカップを選ぶと思う。

木×木の相性もいい

レンタル中盤になってくると、輪島塗単体で使うのではなく、自分の器ともコーディネートできる様になって来た。特に相性が良かったのは木目の器との相性。輪島塗も天然の木を使って作られている器。素材が同じなら相性もいいのでは?と思って試してみた。

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木目のトレーに輪島塗の小皿とカップを合わせておやつプレートのアレンジに。単体だと渋みのある朱色も、木目のプレートと合わせるだけで柔らかい印象に。焼き菓子を乗せてると可愛らしく、上品なティータイムプレートになった。カントリー風もいけるのか、輪島塗。

いつもの日本酒もワンランクアップ

自宅に保管してあった輪島の「白藤酒造」で購入した日本酒がまだ残っていたので、週末の夜はぐい呑みを使って晩酌。

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底に浮かぶ金色のエビの蒔絵が、ゆらゆらキラキラと映るのが美しい。この日は『鰤のハーブ香草焼き』とペアリングに。日本酒がすっと口元に運ばれ、滑らかに感じる。贅沢な夜更だった。

最後の晩は輪島塗ありがとうパーティー

いよいよ明日で2週間一緒に過ごした輪島塗もお別れ。今夜は思いきり輪島塗のテーブルコーディネートを楽しもうと決めた私。最終日の夜は中東料理『ファラフェル』を江古田の「シャマイム」からデリバリーしたものを盛り付けてみた(原稿に追われて料理がままならなかった)。

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一番大きな卓上膳が使いこなせず、どうしたらいいかと思っていたが、思い切っていろいろ盛り付けた。碗にはひよこ豆のペースト、小皿には付け合わせのサラダ、ピタとファラフェルは卓上膳に直盛りで豪快に。不思議と中東料理ともぴったり。自粛期間でなければ、友人を呼んでファラフェルパーティでもしたいくらい、立派なテーブルコーディネートになった。

無事にミッション完了

載せた写真以外でもほぼ毎日輪島塗を使うミッションを達成した私。連載中のレシピコラムでも、たくさん輪島塗を使った(5月29日にも1本公開予定)。

どれも軽くて使いやすく、思っていたよりもどんなジャンルのお料理とも相性がいい。「輪島塗=和食とコーディネート 」という固定概念をカジュアルに壊して、いろいろアレンジできた。

和食器コーディネートをカジュアルに、自由な発想にチャレンジできる「輪島塗のレンタル」思っていたよりも楽しめた。器から料理のインスピレーションやアイデアを得るのも、想像以上にいい刺激になった。

ひとまず、輪島塗のコーヒーカップをいつか購入できる様に「輪島塗貯金」を始めようと思う。


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