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会いたくないから私は化粧する

「#日経COMEMO #会えない時代になぜ装う 」に投稿しようとしていたけれど、締め切りが残念ながら過ぎてしまっていて、けどまあ考えたことだし、ちょっと書こうかな、なんてね。

先日口紅を買った。イブ・サンローランの新作、タトワージュ クチュール ベルベットクリーム204番、ベージュ・アンダーグラウンド。JO1がサンローランのイベントで使用していて、デパコスブランドで男性をイベントや広告ビジュアルに採用するのも増えてきたなあ、しかも実際に使用してもらって、というのは時代の変化を感じる。

まあこの色は結構普通のベージュで日常使い・・・というか、ド派手じゃないので仕事の場面で「文句をつけられにくい色」なのだけれど、私が化粧とかで装うのが仕事の場面などにおいてとても嫌いなのは、少しでも化粧して出かけるとやれ「今日デートなの?」「なんか印象違う」といちいちいじられるのがいやなのだ。出先で何か言われたらはっきり言って終了閉店ガラガラ。そのいじりが「男?」のような低俗極まりない理由だと尚更。別に私は男のためになんか化粧してないし、これからもしないし、してる人間だなんて思われたくない。「ヤツのためだと思われるのはシャク」どころの話ではない。たまに真面目に毎日化粧して出かけようとした途端に、こういうことを言われるのが続いたので、生来の物臭な性分も相まって、普段からどすっぴんで仕事に出かけることが当たり前になってしまった。あとまあ、ヨーロッパにいたとき別にみんな化粧してねえしな、と帰国子女や留学経験者かのように主張する。

で、まあこのコロナ禍で、マスクをするようになったじゃないですか。

このサンローランのリップを勧めてくれたJO1推しの友人は春先に買ったリップが今年は使う機会がなかった、と悔しがっていたが、私は真逆で、年明けに買ったシュウウエムラのゴリゴリに金ラメの入った真っ赤な口紅をマスクの下に塗ってたのだ。だって見えないもん、マスク黒だし。

ゴリゴリでデーハーな最高にカッコいい真っ赤な口紅。まあ正直”仕事の”場面だとある意味顰蹙を買う、というかそういう風に見られがち言われがちだけど(そういう自意識も他人からの指摘もどちらも大嫌いなのだけれど)ある意味、今の時代は会えないからこそ他人の目を気にする必要なく装えるようになった、少なくとも私は。

画面越しの解像度の低さだとそんなのも対してわからないし、マスク越しだったらそうそう見えることもない。だって一緒に食事をすることだって激減しているもの。一瞬、マスクを外して何かを飲む瞬間が見られたところで口が晒されているわけではないのだから。ド派手な赤もピンクもどんとこいだ。

世の中のメイク特集とかは、他人からの受けを狙ったものばかり。おぼこそうに見えるための就活メイク、上司先輩後輩同僚に受けるためのメイク、彼氏をゲットするためのメイク。どれもこれも馬鹿馬鹿しい。そこに自分の主眼はないのか。

決して安い金額ではないものを、ただでさえ低い女性の収入の可処分所得から切り出させられるってだけでも噴飯物なのに、他人に合わせろだなんて、抵抗しかしない。

だから今、私は本当に自分のためだけに装えるようになってると感じる。

化粧は、自分のために、するものだ。


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