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アンドロメダのリミト 4話

青年にそう言われると、

「もう少しいてもいいかな」と思い、

リミトは少しの間、ここにいることにしました。
危険なことは無さそうだし、

青年に腕を引かれたときの、自分の体の変化や、青年と目が合ったときの、体の不思議な反応が何なのか、リミトは考えていました。

そう、リミトは、地球人の青年に恋をしました。

しかし、「恋をする」という事態が、リミトにはわかりません。

アンドロメダには、国が数えきれないほど沢山あり、国民にとって、国王は血の繋がった父親です。

国王を筆頭に、一族がその国を納めています。

リミトは140才ですから、今まで異性と合ったことは何度でもあります。学校は卒業したばかりです。ついこの間まで、学生でした。ですが、「気が合う人」「遺伝子的に合う人」はコミュニケーションがとりやすくて、楽しい♪それだけの事でした。

例えば、もしもリミトがアンドロメダのどこかの国王に選ばれることがあれば、

気が合い、遺伝子的にも適合する者が、国王と体を交えて、子孫を残す事ができるので、

その状況は唯一、恋に近いのかもしれません。

でも、それは儀式的に行われるものであって、神聖なものであり、生命を育むヒーリングといった感じの子孫を宿すための儀式です。

リミトは他の星の事も、思い出して考えましたが、どこもアンドロメダと同様の場所が多かったように思えました。

恋は、宇宙では珍しいものなのかもしれません。

きっと、地球と、いくつかの引力の強い星が、子孫繁栄のためだけではなく、

恋をして繁栄しているのでしょう。

引力が引き合うように、

引かれ合うと、心が揺れるのでしょう。


恋をしたことによる体の変化と、地球に長時間いることで、リミトはすっかり疲れていました。

青年はとても優しくて、沢山お喋りをしてくれているようでした。お母さんも横になりながら、優しく笑っています。

とても居心地がいい空間でした。

リミトは、疲れるのも初めてでした。体に力が入らなくて、自分に起こっている事が良くわかりません。ルカに、自分の状況を伝えようとして、意識を向けます。

「ルカ、、、ルカ、、、」

呼び掛けますが、返事がありません。
意識を集中してもう一度、、

「ルカ!!」「どうしたの!?返事して!!お願い、、、。」

リミトがいくら頑張っても、ルカとつながることが出来ません。

もしかしたら外なら伝わるかも!と思い、立ち上がって外へ出ようとしましたが、リミトは力が入らず、上手く歩けませんでした。

危うく転びそうになったところを、青年がしっかり支えてくれています。

「大丈夫か?医者を呼ぶか?」

青年は言いますが、リミトには言葉が理解できません。

テレパシーと、イメージを送り合う会話しか、したことがなかったのです。

味わった事のない、不安と悲しみの中、
優しくしてくれる、青年とお母さんにお世話になることになりました。
初めて布団に入りました 。

アンドロメダは、疲れる事が無いので、ゆっくり寝る文化はなかったのですが、もう起き上がっていられないほどの疲労感に包まれていました。

意識がもうろうとしながら、父親である国王、母、兄弟、知っている人すべてに意識を向けて話しかけます。

アンドロメダに向けて、
「誰か、、、返事をして、、、ルカ、、どこにいるの、、、」

リミトはその日、泣きながら、深い眠りに着きました。

こんなに胸が苦しくて、不安で悲しい気持ちは初めてでした。

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