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ワインについてのあれこれ

皆さん毎日楽しんでいますか?
コロナ禍の今、そんな気分になれないという方もいるでしょうが、時間はどんどん過ぎ去っていきます。
何も感染リスクの高い行動をあえてしろという意味ではなく、興味を持っていたけれど時間がなくてできなかったことやコロナ禍後にやりたいと思っていることの下調べ、はたまたおうちでのお楽しみ方法など、やれることはたくさんあります。
私の場合は妊娠中で今お酒が飲めないのですが、せっかくなのでワインについて基礎的な知識をつけようと思い立ち、ざっとワインショップやワインアカデミーのウェブサイトやwikipedia、個人ブログなどを回って調査をしています。
個人用備忘録も兼ねて、初心者用の広く浅い知識をまとめました。
※執筆現在妊娠中でアルコールが飲めず具体的な味や香りは試せないため、国や品種の大まかな特徴などのみまとめています。そのため具体的なワインが知りたいなどのご要望には向きません、あしからず。
初見のワインを見たときにラベルから生産国や品種を確認して「これはこういうワインかな?」とわかる程度を目指しています。
また初心者を想定しているため、各国の高級品についても記載はほぼないです。

概説

ラベル

ラベルには専ら「メーカー名・(商品の愛称、ブランドライン、等級・)ブドウ品種名・(ヴィンテージの場合は摘んだ年)」が記載されている。
ヴィンテージとは特定の年に摘まれたブドウがとよそ85%以上(各国の法律による)を占める場合に名乗れる称号であり、新種だろうとヴィンテージはあるし、古酒だろうとノンヴィンテージもありうる。
同じブドウ品種でも育つエリアやメーカーによって味はピンきりになりうる。
フランスのみ原産地統制呼称制度(AOP。AOCとも)に適合するワインでは、ラベルに原産地が記載される代わりに品種名が記載されない。

ワインの色

赤、白、ロゼの他に最近はオレンジや青(藍など天然色素での着色のため、スペインやフランスの法律ではワインの基準を満たさない)がある。
赤ワインは黒ブドウを皮などごと発酵するのに対し、白ワインは主に白ブドウを皮などを除いて発酵するという違いがある。またロゼは黒ブドウを白ワインの作り方で、オレンジは白ブドウを赤ワインの作り方で作る。
濃いワインは赤ワインが多く、軽いワインは白ワインが多いが、例外もある。濃厚な料理には濃いワイン、あっさりした料理には飲み口の軽いワインが合う。

国際的にメジャーなブドウ品種

赤ワイン(黒ブドウ)
カベルネ・ソーヴィニヨン→ボルドーの赤ワインに使われる品種として有名。タンニンが多く酸味が強い。一般に重ための赤ワイン。
メルロー→ボルドーの赤ワインにカベルネ・ソーヴィニヨンと共に決まった比率で使われる。カベルネ・ソーヴィニヨンに比べるとタンニンは少なめ。
ピノ・ノワール→ブルゴーニュの赤ワインに使われる品種として有名。冷涼な環境で育つ。比較的軽めの赤ワイン。
グルナッシュ→地中海周辺地域でよく栽培される。スペイン語ではガルナッチャと呼ぶ。
シラー→シラーズとも呼ばれ、オーストラリアワインによく使われる。栽培地域で味が変わる個性的な品種。
ガメイ→ボジョレーの赤に使われる。比較的軽めの赤ワイン。

白ワイン(白ブドウ)
シャルドネ→比較的どんな環境でも育てやすい。育つ環境(テロワール)によりかなり味が変化する。比較的軽めの白ワイン。シャンパンにも使われる。
ソーヴィニヨン・ブラン→シャルドネに比べると暖かい地域を好む。香りと酸味に特徴がある。比較的軽めの白ワイン。
リースリング→ドイツワインによく使われる。しっかりしている品種のため、実が凍るアイスワインづくりにも耐えられる。貴腐ワインの極甘口から辛口まで味のバリエーションも豊富。
セミヨン→ボルドーの貴腐ワインであるソーテルヌに使われる品種。比較的重ための白ワイン。

ワインの種類

スティルワイン
非発泡ワインのこと。赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、デザートワインなどを含む。
※デザートワイン
甘いワイン。一般にアルコール発酵は糖を消費して行われるため、甘くするには①そもそも甘い品種を使う、②途中でアルコールを足して発酵を止める(酒精強化ワイン)、③発酵後に糖を足す、④水分を除去して実を甘くする(レイトハーベスト、アイスワイン、ストローワイン、貴腐ワイン)、などの方法がある。アメリカでは②の方法で作られていた歴史的経緯から法律でデザートワインの定義があるが、技術革新の結果それに当てはまらないデザートワインや非デザートワインが出てきている。その他の国では法的な定義はない。

スパークリングワイン
発泡ワイン。フランスのシャンパーニュ地方でAOP(原産地統制呼称制度)に則って作られるワインだけがシャンパーニュを名乗れる。
一般名称は英語でスパークリングワイン、フランス語でヴァン・ムスー、イタリア語でスプマンテ、スペイン語でエスプモーソなど。
瓶内で二次発酵を行う瓶内二次発酵(シャンパーニュ)方式、タンクで二次発酵してから瓶に詰めるシャルマ方式、途中まで二次発酵してから瓶で続きの発酵を行う方式などがある。

酒精強化ワイン
スティルワインにアルコール度数が高いブランデーなどを追加したワイン。アルコール度数が高い酒を追加することで発酵が途中で止まり糖が維持されるため、通常より甘口のワインを作ることができる。またアルコール度数があがることから保存性を高めることも可能。
シェリー酒、マデイラ、ポートワインが有名。

フレーバードワイン
果汁や果実、薬草、香草を加えたワイン。サングリアが有名だが、他にベルモットやレツィーナもある。

パーカーポイント(ワイン・アドヴォケイトポイント)

ワイン批評家ロバート・パーカーJr.が取り入れたワインの採点方法。ポイントが高いほどパーカーが高く評価したという意味であり、そのワインは高値で取引される。現在パーカーは引退したため、このポイントは後継者らがつけておりパーカーの創設した雑誌名からワイン・アドヴォケイトポイントと呼ばれる。その他の批評家のポイントも存在する。

国別特徴

フランスワイン

世界のワイン生産量は例年イタリアと首位争いを繰り広げている。
AOP(原産地統制呼称制度)によりラベルに地域名が記載されている場合、その地域名から使われている品種が決まる。AOPに則っていない地域や製法のものでは品種名がラベルに記載される。AOPは四段階、例えばブルゴーニュであれば地方名、村名、一級畑、特級畑に分けられ、後者ほど厳しい基準となる。
スパーリングワインはヴァン・ムスーといい、そのうちAOPに則った瓶内二次発酵方式のものはシャンパーニュ産はシャンパン、それ以外の産地のものはクレマン・ド・産地を名乗れる。
ほぼ全州でワインが栽培されているが、際立って有名な産地としては以下。
シャンパーニュ→シャルドネで作られるシャンパンが有名。
ボルドー→カベルネ・ソーヴィニヨン(単独ではなくメルロー等を含む)の赤が有名。ボルドーではワインメーカーのことをシャトーと呼ぶ。
ブルゴーニュ→ピノ・ノワールの赤やシャルドネの白が有名。ガメイ種のボジョレーもブルゴーニュワインに含まれる。ブルゴーニュではワインメーカーのことはドメーヌを呼ぶ。

イタリアワイン

世界のワイン生産量は例年フランスと首位争いを繰り広げている。
全州でワインが作られ、土着の品種も多い。有名産地はピエモンテ、トスカーナなど。イタリアワインにもAOPに似たDOC(保護原産地統制名称制度)があるが、イタリアのDOCはイタリア土着の品種でイタリアの製法を要求するため、フランス原産品種やフランス方式で作られた高級ワインはDOCを満たさない。DOCはDOCとDOCGに分けられ、後者の方が厳しい基準となっている。
スパークリングワインはスプマンテという。スプマンテでは白のプロセッコや赤のランブルスコが有名。フランチャコルタは瓶内二次発酵方式のスプマンテ。
甘口や辛口がラベルに明記してあることがあり、ドルチェは甘い、セッコは辛いという意味。またクラシコとは歴史的な生産地がDOCの基準エリアより狭い場合にその歴史的な生産地での生産品である場合、リゼルヴァはDOCの基準より長く熟成した場合、スペリオーレとはDOCの基準よりアルコール度数が高い場合にそれぞれ使用可能。

スペインワイン

ワイン生産量世界第3位。
こちらもテンプラリーニョ種など土着の品種が多い。フランスやイタリアに比べるとお手頃価格。
スパークリングワインはエスプモーソという。カバは瓶内二次発酵方式で作られるスパークリングワイン。また酒精強化ワインのシェリーも有名。産地としてはリオハなど。
スペインではAOPに当たるDOPがあり、DOPはDO、DOC、Vino de Pagoに分かれ後者ほど高級。
またスペインワインは熟成による分類体系も存在し、クリアンサ、レゼルバ、グランレゼルバの順に厳しい基準となる。

ドイツワイン

ドイツではgUという基準があり、QbAとプレディカーツヴァイン(旧QmP)に分かれる。プレディカーツヴァインは6つに分かれ、中には貴腐ワインやアイスワインも含まれる。歴史的に甘口白ワインの生産が多いが、最近は辛口の生産量も多くなってきている。
品種はリースリングが有名。
瓶内二次発酵のスパークリングワインはゼクトと呼ぶ。
日本ではビールのイメージが強いが、ワイン生産量も世界第9位。

アメリカワイン

新世界ワイン。カリフォルニアワインが有名だが、その他の地域でもワインが作られている。比較的金額と味が比例しやすい。世界のワイン生産量第4位。
AVAというアメリカ政府承認ブドウ栽培地域があり、AVAの基準を満たせば記載可能だが、AVA自体に上下の格はない。AVAの中に更に狭域のAVAが含まれることもある。

チリワイン

新世界ワイン。安価で美味しいワインで有名だが、近年はフランスに引けを取らない高級路線にも力を入れている。品種は国際品種の他にカルメネールなど。
降水量が少ないため、年毎の降水量の影響を受けにくく安定した供給が可能。
日本の輸入ワイン量はフランスやイタリアを抑えて1位。生産量は世界第8位。

アルゼンチンワイン

新世界ワイン。安価で美味しいワインで有名。世界のワイン生産量では第5位。品種は国際品種の他にマルベックとトロンテスなど。気候から害虫がつかないためほぼ無農薬でブドウを栽培できることから、オーガニックの高級ワインにも力を入れている。

オーストラリアワイン

新世界ワイン。品種は国際品種やシラーズ(シラー)など。世界のワイン生産量では第6位。近年オーガニック志向のナチュラルワインに力を入れている。

ニュージーランドワイン

新世界ワイン。ブドウの栽培に理想的な寒暖差があり、フランス以外では栽培が難しいと言われたピノ・ノワールの赤ワインも高く評価されている。品種はソーヴィニヨン・ブランがメインで白ワインの生産量が多い。

南アフリカワイン

新世界ワイン。新世界ワインの中ではヨーロッパのワインと一番味が近い。品種はシュナン・ブランやピノタージュなど。世界自然遺産に指定され保護区になっているエリアでワインの栽培をしており、また気候柄ブドウが病気になりにくいことから農薬等の使用量は世界一厳しい制限がかかっている。
生産量は世界第7位。

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