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子供を愛せるか心配だった過去の自分に送る、子供を愛せるための3条件

私は元々子供がほしいと思っていたわけでもなく、子供はほしくない派でした。自分が子供を愛せるかどうかは分からなかったし、愛せないからといって放り出してはいけないのだから、愛せるか分からないならほしくないと言うのはそれなりに筋が通った判断でしょう。「自分の子供は絶対可愛いから大丈夫」と言ってくる人もいましたが、過去に私がいらないと思った内容について「絶対〇〇だから〇〇しておいた方がいい」というアドバイスを受けてやってみたことは全て「やっぱりいらなかった」という結論に達したこともあり、信用できませんでした。大体自分の子供が絶対可愛ければ乳児遺棄も虐待もネグレクトも起こりません。(本人が愛情表現のつもりで行う虐待はここでは除きます。)
その後結婚してこの人が子供を欲しがっていてここまで色々やってくれると言うのなら、懸けてみてもいいかなと思って子供を産んでみた結果子供は可愛いと思えたのですが、まぁそれも産んで2ヶ月ちょっと経ってからです。それまでは毎日お世話しているのにも関わらず私の抱っこでは泣き止まず(体の大きい夫の抱っこはちょうどいい包まれぶりなのかすぐに泣き止む)、途方に暮れていました。
これらの経験を経て、今の私から当時の私への特に乳幼児期の子供を愛すための3条件を記します。同じように不安から子供をほしくないと思っている人にも参考になればいいと思います。

条件1
自分に懐いてくる人を貴方は好きですか?

例えば後輩が貴方に懐いてきたとき、ペットや野良猫が懐いてきたとき、貴方はどう感じましたか?好かれたら好きになれる人は第一条件クリアです。後輩や野良猫よりも一緒に暮らす分、懐かれていれば好きになりやすいかもしれないですね。
私が子供を可愛いと思えたきっかけも、2ヶ月のときに目が覚めて泣き出した子供を抱きに行ったら私を見つけて泣き止んだのを見たときです。「え?貴方全然私に懐かなくて私に抱っこされても泣き止まなかったのに、私のこと見て泣き止むの?私のこと好きだったの?」と思いながら、子供が急に可愛く思えたのを覚えています。(※人見知りをするより前の子供には他人の判別力はないため、我が子は単に誰かしら世話人が来たぞ、と気づいただけであること補足します。)
人間には好意の返報性というものがありますので、頼られたらいいところを見せたくなったり、好かれたら好きになったりする人が多いと思いますが、これに自分は当てはまらないと思った人は、子供を可愛いと思えないかもしれません。

条件2
子供は貴方に懐いていますか?貴方は子供に時間を割けますか?

余程愛に溢れていて他人を無条件に愛せる聖人ならともかく、貴方が一般的な人なら自分に懐いてくる人が好きになれるのだから、子供が貴方に懐けばいいですね。では何をしたらいいのでしょう?
今度は先輩や友達のことを思い出してみましょう。貴方が(人間として)好きだった先輩や友達はどんな属性でしたか?頼れたり信頼できたりといったあたりではないでしょうか。もしかしたら顔が好みだっただとか能力が優れていたなんて意見も出てくるかもしれませんが、特に低月齢の子供は親の顔や能力は気にしないので、その辺りについては横においておきます。
困ったときに頼りになる、信頼できる。これが子供が懐くときに感じることでしょう。「自分が困ったときにトラブルを解消してくれる、この人の側にいれば大丈夫だと思える」と子供に思ってもらえる人になれば子供は貴方に懐くわけです。そして乳幼児期についてはこれはお世話をしてくれることとほぼイコールです。
よく世話してくれる人については「この人はいるときは助けてくれる人だな」というのは生まれて数ヶ月くらいからわかります(信頼できない人には人見知りをするわけです)。
ですから、貴方が育児の主体者であったり、主体者でなくても子供の都合に合わせて子供のお世話をする限り、子供は貴方に懐く可能性が高いです。
そういう意味で養子や継子は初めに信頼してもらうハードルが自分の子に比べると高いかもしれません。
余談ですが、乳幼児期にはドラマチックなイベントで本人に感謝されるといったような信頼の稼ぎ方ができない以上、子供に信用してもらうにはある程度の時間が必要です。それなりの時間を取れない場合子供にとってその人は、同じ部活に所属しているものの関わりがなくて疎遠な先輩くらいの立ち位置にしかなれません。見覚えがあるので赤の他人よりはマシなものの、顔は知っていても仲の良い先輩よりは信頼はできませんね。懐かれたければ子供が起きている時間くらいは子供のお世話に時間を割きましょう。逆に時間をかけていないのに懐かれたいというのはムシが良すぎます。

条件3
貴方に心の余裕はありますか?

条件1、条件2を満たして必ず子供が可愛いと思えるかというと否、もう一つ大切な条件があります。貴方の心の余裕です。
例えば貴方が失恋したとき、失敗したとき、降格したとき、事故にあったとき、疲れ切っているときに何かを楽しんだり新しい面倒事に取り組もうと思ったり出来ましたか?そんな気分じゃないよ、と感じたこともあるのではないでしょうか。
心に余裕がない状態のときは、子供を可愛いと思う心の余裕が持てないことがあります。マタニティブルーや産後うつ、育児ノイローゼなんかもこの範疇ですね。よく寝て自分だけの時間を取ってストレスを発散することで心の余裕が戻ってくれば、子供を可愛いと思う余地も出てきます。

どうだったでしょうか。
人によってはこの条件1-3は意識しなくても達成できるので、「自分の子供は無条件に可愛い」とまで言えてしまうかもしれません。ですが、世の中には悲しい事件もあるのにこう言い切ってしまうのは違和感があります。
私は児童福祉の専門ではないため正確性に欠けるかもしれませんが、この条件1-3は虐待やネグレクトもある程度説明できるシンプルな条件ではないでしょうか。この3条件を満たせない人にとって、自分の子供は可愛くないです。また逆に3条件を満たしていれば養子でも当然可愛いでしょう。
これを読んで、それならいけそう、と思う人もいるでしょうし、やっぱり自分には無理と思う人もいるかもしれません。どのような判断にしろ、過去の私のような子供を愛せるか不安という人の何らかの助けになればと思います。

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