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【技術発信、つまり初心者はどうすればいいんだよ問題】に自分なりに回答してみる。

どうも、テックコミュニティで発信始めるまで20年近くかかったyukari_erbです。

最近また「テックコミュニティにおける、ITエンジニアの技術発信はどうあるべきか」論争が勃発してるっぽいですね。

多分この界隈、わたしが子供のころ出入りしていた20年前の2ちゃんねるから、似たようなコトを繰り返しているんじゃないでしょうか。


もはや漫画とかで出てくる「人類は何度争いを繰り返せが気が済むんだ」って、ダークサイドに堕ちたキャラのようなセリフが脳内を巡る週末でした。 (BGM : Sound Horizon 聖戦のイベリア

さて、勃発する論争を見て「じゃあつまりどうすればいいんだよ?」って、発信のあり方に迷いに迷っているであろう、ITエンジニアを目指す初学者がいるのではないかと感じました。

というか、かつての私もそう思いました。


今回の記事は、そんな方に対し

【まずは自分の課題を見極めてから、発信を含む手段を検討しようぜ】

っていうアドバイスを送るお話しです。


テックコミュニティの技術発信はこうあるべきだ!論を書いた記事ではないのでご了承ください。
私にもこの議題に対して物申したいことは過去の経験を通じて山のようにあり、その片鱗は過去noteでも語ってきました。
が、おそらくこの記事を読みたいと思った方は、そのような論争に辟易して「もうお腹いっぱい」でしょうから。

自分の「解決したい課題」抜きに、人のアドバイスを実行してはいけない

いきなりですが、あなたはなぜ
「エンジニアなら技術の情報発信をしなきゃいけないのかな・・・?」
と思うのでしょうか。

あなたが情報発信することによって、解決したい課題はなんですか?


世の中には「技術の情報発信すること自体が楽しい」って人もいますが、まぁそんな方は発信のあり方に迷ってこの記事を開いたりしないでしょう。


基本的に、多くの人にとって情報発信はあくまで手段です。
手段というものは「課題を解決する」ために実行するのであって、課題設定なき手段の実行はただの徒労です。

インターネットが爆発的に普及した現在、ネット上には技術発信に限らず
○○ならばこうしろ、ああしろ
と人に指示するフレーズが、本当に数えきれないほど溢れかえっています。


それら大量の指示にいちいち従っていたら、あなたの人生の時間はいくらあっても足りません。


盲目的にネットのアドバイスを実行するのではなく、自分自身の課題をきちんと認識した上で、従うべきアドバイスを取捨選択し実行しましょう。

「自分自身が解決したい課題」を見定めよう

私の経験則ですが、初学者のITエンジニアが抱える課題や動機は、大別するとだいたい下記4つに分類できるのではないかと思っています。

1. 技術力を伸ばしたい
2. エンジニアとして有利な転職がしたい
3. 同じ勉強をする仲間が欲しい
4. テックコミュニティの発展に貢献したい


ただし、ここで慎重に見極めるべきことは

- 「自分自身の課題」と「他人が協力を要請してきた課題」を区別すること- - 「課題解決に適した手段」を選ぶこと

です。


例えば、無償の貢献活動で支えられたテックコミュニティの発展に貢献すべきだ! と言うフレーズを、界隈にいればしばしば聞くことでしょう。
これは言い換えると、テックコミュティの課題解決にあなたも協力を要請されているわけなんですね。

しかし、それはあなたが本当に今抱えている課題でしょうか?


こうした場にいると、「他人が協力を要請してきた課題」をあたかも「自分自身の解決すべき課題」と感じ、すり替えてしまいがちです。


先の「ネット上に溢れるアドバイス」と同じく、世の中には課題が溢れかえってます。
なんでもかんでもそれに協力していたら、あなたのリソースはいくらあっても足りません。
しかも、なまじテクノロジーが発達した現代に残されている課題は、一朝一夕ではどうにもならない複雑なものばかり。

「自分自身の課題」と「他人が協力を要請してきた課題」を冷静に区別し、自分自身の限られたリソースを使ってどの課題解決に注力するかを判断しましょう。

課題解決に適した手段を選ぼう

自分にとって解決したい課題を見定めたら、次に「課題解決に適した手段を選び、実行する」する必要があります。

技術力を伸ばしたいのか、転職したいのか、仲間が欲しいのか、コミュニティ界隈に貢献したいのか・・・。
これらの目的は完全に別物。

目的が違えば、それを達成するのに最適な手段も違います。
結果的に一つの手段で複数の目的を達成することはありますが、最初からそれを狙っていると二兎を追って一兎も得られない事態になりかねません。

例えば

- SNSでの発信を頑張ることで、技術力を伸ばしつつ転職に有利なスカウトをもらいつつ勉強する仲間も手に入れてコミュニティに貢献しよう!

- 過激なことを言ってフォロバに勤しむことでフォロワー数といいね数を集めることに走ってしまった

- 結局技術力も伸びないし、転職に有利にもならないし、仲間ではなくフォロバ目当ての空虚なフォロワーしかいないし、コミュニティにも嫌われてしまった

ぶっちゃけ、こういう事案は至る所で発生してしまっているように思います。

−−−技術力を伸ばしたいなら?
Ruby on RailsチュートリアルやProgateの多様なコースをガッツリやり込んで、基礎固めに勤しんだ方がいいかもしれません。

−−−転職したいなら?
応募先の企業に売り込めるほどのポートフォリオになる自作アプリを作り込んだ方がいいかもしれません。

−−−仲間が欲しいなら?
やみくもにSNSでフォロバを集めるのではなく、仲間になりたい属性の人(自分と似た経歴とか、年齢とか)をフォローしたり、勉強会に参加する方が早いし確実かもしれません。

繰り返しますが、あくまで技術発信は手段です。
発信することで、あなたが今解決したい課題に効くことも確かにあるかもしれません。
しかし、技術発信以外の手段の方が効果的である局面も多数あります。


くれぐれも、テックコミュニティに限らず昨今の「何でもかんでも情報発信すべきだ!」論に流されて

- 手段と目的を取り違えてしまう
- 自分が解決したい課題を見失ってしまう
- 情報発信しさえすれば全て解決すると思って他の効率的な手段を見逃してしまう

といったことにならないよう、注意してください。

あくまで、今あなたの抱えている課題を見極め、発信を含むその解決手段を探し、実行しましょう。

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