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きみの1メートルに涙腺がゆるむ

私の息子(二歳)は、極端に人が多い場が苦手で、いつも慣れ親しんでいる大好きな公園でも、日曜日に人が多いと自転車から降りることすらしなくなる。
コロナの影響もあり、集団の場に飛び込む機会がなかったからか、元からの性格からかは分からないが、本当に初めての場所、初めての人、人が多い場所では固まってしまう。
家では、「おち○ち○ターイム!」とか叫んだり、変な踊りを踊ったり、ゲラゲラ笑ったりして暴れ回っているけれど、慣れるまでは心のシャッターをすぐ閉じる。

以前体験に行った英語教室は預けたわけでもないのに、入口から1時間以上ずっと泣き続けていた。
体操教室では、みんなの輪に入らず、1人おままごとをしていた。

今日、幼稚園の未就学遊び会に行った。
いつも大好きなアンパンマンの曲が流れても、体操するよーと集まる子供たちや先生の輪から本当に本当に本当に離れた場所に行き、固まっていた。
「もうバナナジュース飲んで、おうち帰る」と私の足にしがみつく。
先生が話しかけてもじー…と見るだけ。
最後は一人私に抱っこされていた。

その後、ホールで遊ぶ許可が出て、みんな勢いよく入っていく中、1人メダカを見たり、ホースを触ったりして遊んでいた。
外にいる人数が減って安心したのか、誰も寄り付いていないおもちゃに歩み寄り、いつも通り楽しく私と遊び始めた。
何回か先生が話しかけてくれたり、てんとう虫を見せてくれたりした時は、もちろんすぐにシャッターが降りる。
人がたくさんいる場所におもちゃを取りに行きたいときは、「かんちゃん(母ちゃんの私をこう呼ぶ)、一緒にいって」と手を引いて取りに行く。
「まぁいつも通りだな、でも泣かずに楽しそうにしてくれているから良かった良かった」と一緒に楽しく遊んだ。

お片付けの時間になった。
今まで使っていたものを、みんな、かごに返しに行く。

人が群がるそのかごに
息子は一人で入って行き
持っていたスプーンと包丁のおもちゃを片付けた。

その距離、たった1メートル。
もちろん私の顔は見えるし、手を伸ばせば届く距離。
それでも、その1メートルに涙腺がゆるんだ。
(今書きながら涙が出た)

たくさん人がいる場所が苦手でも
初めての場所で固まっても
初めての人に心のシャッター閉じても
息子は素晴らしいし、大好き。
そのままでも良いって本当に思っている。

それでも今日、その1メートルが私にはキラキラして見えて、
その瞬間を見ることができたことが幸せだった。

こんな一瞬で涙してたらこれからどうなっちゃうんだろう?笑
もともと涙もろいけど、息子に引かれるくらい泣きまくるんじゃないか笑
でも、その瞬間を、何気ない行動を、こうやって喜べる自分にも誇りを持てる瞬間だった。

ありがとう、こんな気持ちにさせてくれて。

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