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雪無灑(ゆきなさい)

 季節の巡りは思いのほか早いもので、ずいぶんと暑くなってきました。また、お別れの時が迫ってきたようです。毎年のことと、この時期の定めと分かっていても、やはり淋しさは拭えないものです。

 こうして別れと再会を繰り返しながら、お互いにずいぶん長く付き合いが続いているものですね。不思議なものです。きっと、少しの傷みくらいで草臥れたりなどしない、あなたの強さがそうさせてくれるのでしょう。人は弱いものです。凍てつく風に晒されれば、すぐに心まで冷え固まってしまいます。ここまで生きていられたのは、ひとえにあなたのお陰なのです。

 まだ一抹の不安も、あるにはあります。移ろう日々のさなかには、ときに陽射しの弱い日もありましょう。雨の日さえも……。離れた後にぬくもりが恋しくなってしまう時ほど、侘しい瞬間もありません。
 あなたに包まれるあたたかさや、いだかれるような心地よさ、そんな安らぎさえ、一緒くたに押入れの奥に仕舞いこんでいるかのようにも思われます。けれども物事というのは、片付けるべき時に片付けてしまうのが、お互いの為ではないでしょうか?

 手短に済ませるつもりが、つい長々と綴ってしまいました。改めて言葉にするとなると、ことのほか長くなるものですね。名残惜しさは尽きないものですが、そろそろ結びとしましょう。

 それでは、また会う日まで。
 さようなら――羽毛布団。

カオラさんの企画に参加してみましたよ(´▽`)
構成やネタは被り気味だけど、まあ分かりやすいところから🛏️
君もチャレンジ!

#それやったんかーい


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