スター・ウォーズ - 見返しての感想

ここ数年でシリーズを見返したので、感想を日記的に書き残します。
日記です。
感想です。

エピソードⅠ、Ⅱ、Ⅶは書いてない。順番は言いたい事が多いシークエルから。



エピソードⅧ 最後のジェダイ

まとめ

◯数年経ってもここまで考えてるならそれだけ楽しませてもらってるという事かもしれない。

◯ストーリーをテリングするよりも神話の解体やリブートの難しさを語った。新しいことがしたいけど、出来ない。という終わり。
やりたいけど出来ない、新しい世界の提示を出来ないこと自体を描きたかったのかもしれない。伝説を続けるのはほぼ無理だというメタなメッセージを2時間半かけて伝える。提示しない・出来ないなら、やる意味あったのか?言いたいだけなら断れば良かったのでは?という結論になりました。

◯いや、でも、難しいとはいえ同じ世界観でもかなりフレッシュだった前作があるから、新しいこと出来んじゃないのかやっぱり…?作るのは出来るけどまとめるとか続けるのは話が別、って事なのか…?🤔

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感想

・宇多さんの評論(公式サイト書き起こしとポッドキャスト)聞き直すと、やっぱり物語上ではほとんどが無駄に終わっているなと思った。
シリーズの自己言及、リブートの存在意義を物語と重ねる。でも監督の意図としては、ストーリーテリングよりも神話の解体とか、歴史の続きじゃなくて自分達の世界を作りたいっていう志を描く事に特化・優先させたのかな?と。
ホルド提督の策が引っ張ったあげく無駄だし特攻しちゃう、っていうのはやってる事が無駄になり過ぎて、偉い立場に居る人の深遠慮は無駄なんだというライアン・ジョンソン監督の考え方を表す為だけの展開だったのでは、とすら思えるほど。そういう、自分より偉い人の言う事に対する反抗心だけでしかやっていない、と思えてくる程の展開や演出が多い。
上の考えを無視したポーやフィン、ローズも、やり方は違えど結局は上の人と同じで同じ世界(シリーズ)を続けたいって目的。ならば、続けるのは難しいんだから、方法が違っていようが結局無駄なんだ、と。ゼロから作り直さなきゃ何も変わらないんだ、という監督の考えなんでしょうか。途中で出てくるベニチオ・デル・トロも、途中から口出してくるけど掻き回すだけ掻き回して責任取らずに立ち去る会社の人、その比喩の為だけに登場させたのかとさえ思えてくる。

・レンが色々なしがらみを捨てて新しい世界を、自分達の世界を作ろうとするのは、SWというシリーズやそれに対する世間の期待、ディズニーの圧
カとかルーカスが作った歴史とかすっ飛ばして、好きな様にやりたい事をやろうぜ、という監督の考えを表しているのか。
レンが監督なら、それならレイやレジスタンスはディズニー側?歴史的シリーズという、上手く続けるのは難しいけど、それでもこの世界の中で生きていこうとする、ディズニーの理想を体現しているのが主人公サイドなのか?
突然出てきた本とか燃やすのも、反抗心や志があるのはわかるけど、それがわかるだけ。で、あなたの言う新しい世界ってどんなものか?それを提示していない。
しかも結局レン=監督は。
それならばと新しい世界を作ろうとしたレン。ルークにしてやられた(乗り越えられなかった)あのレンの最後の描写は、結局は大元のスター・ウォーズというシリーズ、(4、5、6)を超えられないと自覚している監督の、愛憎混じった叫びを映しているのか。
老兵はクールに去って、続編が見たいディズニーや世間=主人公サイドは生き残る。逆説的に監督の絶望を表している様に思えてきた。

・ただそこは続編で見せますよ、という意図だったのかもしれない。次は自分が監督しないにしても、その人もきっと新たな世界を描いてくれる筈、という希望があったからかもしれない。もしくはそういう、新しい世界を描けないという絶望で終わること自体を全体で描きたかったのかな。

・新しい事がしたいけど出来ない、という終わり。
監督の意図を数年越しにやっとわかった気がする
けど、、、
......それならわざわざスター・ウォーズでやらなくても!!じゃあこの仕事受けるなよ!
新しい世界を望んでるのがわかる作り方だけど、基本的なストーリーテリングが崩壊するほど意図を盛り込むなら別の作品でやれば良かったのでは?
物語が成立していないなら、文字通り話にならない、なっていないのが残念で。
それこそ、途中で口出しするだけして、何も残さず去っていくベニチオ・デル・トロの役と同じじゃん...。

・もっと物語上で無難に語る事が出来ていれば、この作品は本当に歴史的な作品になったかもしれない。
評論で言及されている通り、レンにまつわる部分は力が入っている分とても良かったし、そこは本当に評価される所だと思う。ただそれ以外が大き過ぎた...。この作品だけレン主人公に変えたら良かった気もする。それはそれで別作品でやれよってなるか?
評論に感化され過ぎな部分はあるけど、聞き返したおかげで良かった方の部分ももっと好きになってます。

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・レンのマスク、皆から"ふざけてる"言われる(笑)
・R2がアレを見せるの、それはずるいってファンも思ってるよ。
・52分30秒。あの岸壁に打つ荒波はどう撮ったのかな。作ったのかな。
・賭博場みたいな所のあの動物。人じゃないけど、縛られたものを解放する事にもグッとは来る。レジスタンスの存在する意味っぽくて、あのシーンは良いかも。BBとかハッカーとか、全然目的を達成してないシーンだけど…。
・新しい宇宙人とか少なかったけど、新しい動物は多い。
・エピⅥまでの神話は片方の勝利で終わった。それでバランスは取れたのか?と思っていたけどその後も銀河はまだ戦いが続いてた。
今作では特にバランスに関して語られる事が多いけど、シークエルでは、またしても、片方が勝ってバランスが取れるという事にするのだろうか?それとも?(←また片方だけ勝った。)

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・スノークの服良い。顔芸出来るのがこういう特殊な撮影に必要なスキルか。
・レイアとレンの交互ショット。顔が全く同じ位置のアングル。
・寝起きドッキリが好きなルーク。
・自らの出自を解き明かす為に、暗黒面に触れる事も厭わないレイ。それを「恐ろしい」と否定するルーク。それは罪か?かつての弟子がした事を"失敗"として、同じ事をしそうなレイも怖いという。普通はそうするけど、それを否定したから失敗したのでは?いや、でも、「怖い…やっぱり触れないのが一番だ」と閉ざす気持ちも普遍的で、わかる気がする。
でもルークは光のフォースからも閉ざしていた。
・過去シリーズの人達が出てきて、少しでも後始末をつけようとする辺りはシークエルの良さな気がしてきた。4〜6が最初なんだからプリクエルの登場人物がその後何もしてないように見えるのは仕方ないし、そもそもほとんど死んでいるからだけども。←いや4、5、6できっちりケジメ付けてるか…。
・レン、上手い話に唆されてブラック企業の良いポジになったけど上司には酷く言われ他の同僚ともピリピリ状態。レイと会ってやっと同世代の同僚が欲しい事に気づいて、それからやりたい様にやれば良いって会社辞めて、同グループの新しいブラック企業作ろうとした感じ。
・レンの真意に気づいた時のレイの表情良い。
・ハックスの変わり身の早さよ
・防護扉、何で閉めておかなかったんだ
・人は失敗する、繰り返す、仲違いする、って事を伝えたかったのかな?それが監督の言う所の"神話の解体"だったのかな?


エピソードⅨ スカイウォーカーの夜明け

まとめ

◯グダグダという表現がしっくり来る。
演者が皆ちゃんとやり切った所とか凄い、評価できるし評価されてる。とりあえず終わらせたJJとかも、一応やり切ったとは思う。

◯アダム・ドライバーの役者としての成長が目を見張るものがあって、シリーズを重ねる毎に大きくなっている。彼が主役だったら…と思ってもあれはライバルキャラだからここまで魅力的になった所も大きいだろうし、レンが主役ならそれこそエピソードⅧ風な、いやもっとダークな雰囲気に寄って行っちゃっただろうし。それじゃあSWじゃなさ過ぎる。SWといえば宇宙での冒険活劇〜〜〜みたいな所もあるし。
でもレイも、デイジー・リドリーもちゃんと主役をやり切ったし、新しい三部作の主人公としての風格があるのが凄い。

◯レン騎士団は最後、どんな気持ちだったんだよと思ったけど、あいつらもきっとレンのブレブレな危険な部分も知っていたと思う。「ウチのバンドのリーダー、あの突き抜ける勢いがあるから皆やってこれた所もあるけどさ。その危うさも知ってたけどさ。始めはポップスだったけどロックに憧れてずっとそれやってきたのに、結局『やっぱ歌モノってイイよね!』って、あんたさ、そういうとこだよホント…!!!」って感じだったと思う。

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感想

・マスク要らんって結論になった前作だったけどまたマスクしてる。

・容赦なくなってるレン。弱さや罪悪感を隠すようにマスク?
自分の顔、見た目、そこから連想される血筋。それらが嫌で、見た目からアイデンティティーを変えようとするのは分かる。でもそれってやっぱり若いような。作品ごとに迷いが見えてブレるキャラだけど、それを演じるアダム・ドライバー自身はむしろ作品を経る毎に成長しているのは本当に凄い。

・ストーリーを畳んだ、というか何とかまとめただけで、メッセージ性とかは無いように感じた。元が活劇だからジャンルとしての仕方なさはあると思うけど、それにしても薄い。無くても、アクションとしてのカタルシスもかなり薄いと思う。
シンプルなメッセージすらも無い。大元のシリーズやプリクエルは劇としての盛り上がりはあった。
っていうかライアン・ジョンソン監督の言う"神話の解体"、それが行われた後に残るのは、それはもう"平凡な物語"なのでは?前作は"脱却"を目指してた感は伝わってくるけども。
シークエルは神話では無くなった、それがちょっと残念。EP7はまだ神話に触れていた。

・プリクエルはともかくシークエルでは、ハン・ソロの冷凍保存みたいな「あのキャラこんな事になるの!?」みたいな展開も無かった。サプライズとかじゃなくて、シンプルに驚くことが出来る演出が無かった。良い所もあるし、やっぱりセイバーのワープとかグッと来ちゃうけどね…!これは反対派の人でも居ると思います。

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・ファイナルオーダーってその意味で合ってるのかな?
・序盤、ファルコンが停留してる画面奥に向かってオーダーのファイターが飛んで行くシーン、JJっぽい。
・探す為のものを探す為のものを更に探す為のものを……
・怒りのデスロードみたいなギミックで飛ぶトルーパー。
・フォース綱引き、船の中に居る人達たまったもんじゃないな。
・トルーパーのみんながファルコンのジェット噴射で吹っ飛んで行くの面白い。


エピソードⅢ

まとめ

◯エピソードⅠ〜Ⅲは神話だと思って見れば、しっくり来なかったシーンも腑に落ちる所がありました。神話なので演技や舞台立てで見せる。前日譚だから作り手も鑑賞者も終わりがわかっている、というのもありますが、気を衒った展開やどんでん返しよりも、セットや美術、編集など、映画全体で物語ること。ストーリーをテリングする事に集中している。
それ映画なら普通じゃん、とは思いつつ、最近は予想できない展開を何かしら取り入れた作品は多いし、見る側もそういった展開を期待している人が増えている、といった話はよく耳にします。まず自分がそんな見方をしている所もあるし、そういう作品を選びがちかもしれない。

感想

・オビワンは理想の上司、中間管理職だけど、ジェダイという組織は反抗しちゃう。そういう風に思わせる作りになっているのが上手い。
・Ⅲは物語の向かう所がはっきりしてる分見やすいと思う。
・ラストの戦いは最大の見せ場。神話的プロローグの大団円とあって、ライトセーバーアクションは殺陣の様に綿密に作られていて見応えもある。でも今のアクションを知っていると、舞台の構造やカメラアングル、移動の激しいアクション等は無い。でも楽しいのはやっぱり計算されているからですか?
今のアクションは縦のアクション、横のアクション。カメラの動きやアングル、立地構造も含めたパルクールの様な、ダンスの様な、MVの様な、全体の"構図"と共に魅せる。且つスピード感のあるものが多い。

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・才能ある人の事がやっとわかってきたかもしれない。自分には才能無いけど、10・20代の頃には根拠の無い自信を持っていたり、客観視できていなかったし、そういう無鉄砲さを持っていた人は少なく無い筈。アナキンのオラつきも、根本的にはそういう"若さ"と大して変わんないのかもしれない。上手いか下手かの違いだけで。上手かったら傲慢になって余計な自信が付いちゃうかもしれないし、でも自信過剰だからといって無理に抑え込むのもダメだと思うから、才能と若さ(若い時の変な自信)は面倒臭さも含めて似ているのだと知りました。
・恋愛絡むと普遍性が増すおかげでアナキンの気持ちがわかる様になってきたかも。
・オビワンとアナキンは宇多丸&REC(笑)
・大切な人を救う方法があるとか言われたら、後先考えずにまずはやっちゃうんだよねきっと…
・母の死を経てのアナキン。エピソードⅡは最悪なパーティが始まる直前の高揚感


エピソードⅣ〜Ⅵ

・久しぶりに見て思ったというか思い出したのは、レイアの両親が居る惑星が爆発したのはとてもショックだった。それに対するレイアの感情も写されないから、あっさりしてる様に見えることにも衝撃を受けた。
・そういえばルークはエピⅤでヨーダに結構痛いところ突かれてた気がする。思い出せないけど。
・Ⅴでは訓練を放棄してレイアを助けに行く。エピⅥでは修行を終えたのか?またレジスタンスへ合流してる。で、エンドアで皇帝を倒しベイダー卿=父親とも分かりあって終わり。
この銀河やフォースで大切なのはバランスだとか散々言っておいて、結局この神話は片方が勝利する形で終わった。


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