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無職日記:5/11〜13

5月11日(火)

はじめての元町映画館で『街の上で』を観た。
ひとつしかないスクリーンはほぼ満席。ひとりで来ている人が大半のようで、さまざまな年代の方がいたけれども、それこそこの映画に出てくるようなお洒落でかわいい女の子が多く、なんだかどぎまぎしてしまった。

映画は、期待をはるかに上回っておもしろかった。映像ぜんたいの空気感、さりげなくも秀逸な会話劇が最高。
また、若葉竜也さん演じる青はもちろんのこと、登場人物ひとりひとり(特に女性陣!)があまりにも魅力的だった。決して派手なわけじゃないのに溢れてやまない唯一無二の存在感がうらやましくて、わたしもこんなんになりたい〜!と胸をかきむしりたくなった。

ラストに近い路上での会話シーンでは、会場のあちこちで笑いが起こって、わたしも笑って、たのしかった。単館系はこういうことがよく起こるのでうれしい。

夜、なぜだか無性にとんかつが食べたくなり、スーパーで買う。
あつあつのごはんと一緒に食べると、このうえなくしあわせな気持ちになった。食べたいときに食べたいものを食べられること、ほんとうに幸福だ。

昼 バタートースト、ヨーグルト、いちごのラングドシャ、コーヒー。
間食 アーモンド。空腹すぎてばくばく食べてしまった。いくらアーモンドでもばくばく食べるのは多分良くない。
夜 とんかつ、サラダ、キムチ、おみそ汁、ごはん。
ビエネッタはんぶん。

21時、とわ子を見てくすくす笑う。
毎週のことながら、1時間がほんとうに一瞬!

***

5月12日(水)

今日は、ずいぶん前に申し込んでいた会社の面談。
通勤に1時間くらいかかるし、詳細の連絡は滞っているもののアルバイトも決まったし、正直ないだろうなと思いつつ、場慣れしとこう程度の気持ちで思って出かけた。

ところが、帰りの電車に乗るころには、すっかり心を決めてしまっていたのだった。

この会社で働こう、と思った。
面談を担当してくださった方は終始柔和な雰囲気で、わたしの職歴などを聞くと、それは弊社の業務との親和性も高いですね、すぐにでも来てほしい、と仰った。

うれしかった。
必要とされていると感じてうれしかった。わたしは、わたしを必要としてくれる場所で働きたい、と思った。それから、昼休憩はひとりで取れるらしいというのも魅力。



1年くらい前から、津村記久子さんの小説を読むようになった。
無職になってからは特に読みあさっていて、次第に、わたしはこの人の小説の登場人物みたいな労働者になりたい、と思うようになった。

高望みせず淡々としていて、熱意や野心は多くないけれども、自分がやるべき業務には誠実に真摯に取り組み、それでいて、その仕事が必ずどこかのだれかの役に立つような。
業種や職種を問わず、それが今の自分のいちばんの理想かもしれない、と。

そう、だれかの役に立ちたい。
これまでは「クリエイティブ」という言葉の持つ華やかなイメージとか、好きなものに携われるとかいう、あくまでも自分主体のものを第一に据えていて、それは決して間違っていたとは思わないのだけれども、津村さんの小説を通じて、ちょっと違った考えを持つようになった。

決して華やかではなくても、だれもが名を知る商品やサービスでなくっても、自分の少し得意なことを通して、確実にだれかの役に立てる仕事はこの世にいくらでもあるのだと知って、そういうことをやってみたいと思った。

それから、彼女の小説のタイトルにもある通り、"この世にたやすい仕事はない"ということにも改めて気がついた。
程度や種類は違えど、たやすい仕事なんてないに決まっているのだ。そう割り切ってしまえば、多少の困難には耐えられそうな気がする。めちゃくちゃな激務とかパワハラとかは無理やけど。



ひさしぶりにヒールを履いて歩いたせいで、足の先が強烈に痛む。
ストッキングを脱ぐと、左の薬指と右の小指に水ぶくれができていた。

帰宅後すぐ、帰りに買った「りくろーおじさんのチーズケーキ」を切り分ける。
箱の注意書き通りに少しだけ温めると、ふわっふわのぷるっぷるになったので癒された。

実ははじめて食べたのだけれども、あまりのおいしさに身悶え。スフレで軽いし、勢いで3切れも食べる。
所詮は銘菓とどこかで侮っていたことを心の底からあやまりたい。おいしいです。でもレーズンはなくてもいいかもしれない。

お腹はくちくなっていたけれども、恋人が昨日から楽しみにしていたので餃子を作る。

ヒルナンデスで見た餃子包み器を嬉々として買ってきていた恋人。しかし、包み器が大きいのか、皮が小さいのか、どうにもサイズが合わず苦戦していた。
結局、わたしが5個ほど包む間に1個しか包めておらず、やりにくいことこの上なさそうだったので、ふたりして手で包む。

昼 ソーセージと新玉の卵チャーハン、サラダ、海老餃子2個、なんか緑の餃子1個、おみそ汁。
間食 りくろーおじさんのチーズケーキ 3切れ。
でも放射状に切った3切れじゃなくて、公式の「りくろーカット」という切り方をしたので、そんなにたくさんの量ではない(気になる方は調べてみてください)。
夜 餃子15個くらい、新玉サラダ、キムチ。
今日もごはんがおいしくて幸せ。

夜、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」5話を見てすごくしんどくなる。
ラストシーンで声が出た(そやったそやった……!)。でもこのあとの展開がまったく思い出せない。来週が待ち遠しい。

恋人がお風呂上がり、炭酸ジュースが飲みたいというので、ふたりで近くの自動販売機まで買いに行った。
いつか「カップル二人三脚選手権」に出るときのために、と二人三脚で帰路につく。
結局のところ、こういう時間がいちばん尊い。いつかこの時間を思い出してきっと泣いてしまう、のかもしれない。

明日はアルバイトが決まっていた会社に辞退の電話をかける。気が重い。

3時ごろ就寝。
予定通りにいけば、無職日記は5月いっぱいで終了予定。

***

5月13日(木)

12時起床。
そろそろリズムを社会人モードに切り替えなければ。

特に何もなかったけれど、先日flowerで買ったブラウスをおろした。
背中にりぼんがついているのがかわいいので、髪の毛は巻いて、ポニーテールにまとめる。
このあいだ買った淡水パールのネックレスをつけると、すっきりした首まわりに映えてとてもかわいい。最高の気分になる。

(急にインスタグラマーのような写真)

好きな服を着るとテンションが上がる。背筋も伸びるし、表情は明るくなり、いつもよりぐんと自信が持てる。
flowerの服を身につけるようになってからというもの、そんな当たり前のことをつくづく実感するようになった。自分の好きな自分でいられるとうれしいですね。

今日は、noteの企画 #元町の上で を見て気になった本屋さんをはしご。

前を通るたび気になっていた「storage books 」にも、はじめて足を踏み入れた。
何気なく手に取った本や、映画『街の上で』についてなど、店員さんとたくさんお話しできてとても楽しかった。うれしくて、初対面なのに自分でも引くほど喋ってしまう。

好きなものが似ている人ともっと喋りたい、という欲求がふつふつと沸いてくるのを感じた。
お店に併設されている書庫バーは6月から営業再開されるそうなので、絶対にまた行こうと思う。

そのあと、乙仲通の「1003」を覗いて、カルディでタイ関連のものをたくさん買い込み、ブックオフに立ち寄り、でも何も買わず、100均で日用品を購入し、大荷物を抱えて帰宅。
半袖だったのに、たくさん汗をかいた。

昼 ヨーグルト、りくろーチーズケーキ、コーヒー。
間食 アーモンド数粒。
夜 カルディのパッタイ、トムヤムスープ。餃子1個、海老餃子2個。
これまでどうして買わなかったか!?と自分を責めたくなるくらい、おいしい。家にあった豚肉で作ったから安上がりだし、思っていたよりもうんとかんたん。

ピーナッツがなかったのでミックスナッツを刻んでみたけれど、これはちょっと違ったみたい。アーモンドの主張が激しすぎた。
付属の唐辛子フレークは、ちょっと振りかけただけでも汗がだらだら流れるくらい辛いのに、ぎょっとするほど量が多い。結局、4分の1程度しか使わなかった。残りはとっておく。

食後、『女の園の星』2巻を読んで声を失うほど笑う。そのまま1巻から読み返した。

3時ごろ就寝。

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