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2020夏・好きになった食べものたち

食べることが、大好きだ。
そして、食べものの魅力を語ることも大好きだ。

この夏、新たにわたしの「好き!」に加わった、5つの食べものたちをご紹介したい。

クリームみっちり♡「カフェ ネージュ」のシュークリーム

dancyuの記事を読んで知ったお店。
シュークリームを注文すると、その場で生地の中にクリームを絞ってくれるのだという。

家から歩いて約5分という近さが魅力で、数日後すぐに出向いた。
シュークリーム250円。持ち帰りにしてもらう。
その日はあんまり暑くてうんざりしていたのだけれど、丁寧な接客とやさしい笑顔に思わず心がほぐれた。

帰宅から数時間後。さあ食べようとお皿に出してみたところ、その重量感に驚いた。
コンパクトな見た目に反して、まあずっしりと重いこと。生地の間からは、とろんとかわいいクリームがはみだしている。

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かぶりつくのは難しいと判断し、まず上の皮をはいでかじってみた。
買ってきてから時間が経っているのに、さっくりとした食感は少しも損なわれていない。こうばしい風味と、粉糖のまっすぐな甘さも舌にうれしい。

そして何よりも驚いたのは、想像をはるかに絶するクリームの量。
おおげさじゃなく、こんなにクリームたっぷりのシュークリームは生まれてはじめてだった。スプーンを持ってきてアイスクリームのように食べてみたのだが、まあすくってもすくってもなくならないこと。

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さらに、その味のすばらしいことといったら!
自他ともに認める生クリーマーのわたしにとって、一般的なぷるんとしたカスタードのシュークリームはちょっと物足りなく感じてしまうのだけれど、ネージュのものはまったく違う。

なんでも、カスタードと生クリーム(乳脂肪分42%と35%のブレンド)を半々で合わせているそうだ。
満足感をしっかり得られるくらい濃厚でコクがあるのに、後味は少しもくどくなく、甘さひかえめで、いくらでも食べられてしまいそうなおいしさ。

「食べても食べてもクリームがある」というのは、この世でかなりすてきな部類に入る現象(?)だとしみじみ思った。
シューの底の底、隅の隅までぎっしりと詰まったクリームは、だれが何と言おうと幸福と平和の象徴だ。ちょっとコストパフォーマンスが良すぎて心配になる。

大好き。ぜったいにこれからも通います。
イートインのフードメニューも気になる……!

ちゅるりんジューシー!万能トマト

食わず嫌い→食べても嫌い→食べられんことはない→まあ好き、と順調にステップアップしてゆき、ついに今夏「好き」への昇格を果たした食べもの。

さっぱりちゅるんとしたのど越しが気持ちいい。なんだかよくわからないうちに、するするとたくさん食べてしまう。
味付け次第でジャンクにもなるのに「身体にいいものを食べている感」が損なわれないところ、洗って切って調味料で和えたら、それだけで一品になる手軽さもいい。

特に、クレイジーソルトとオリーブオイルで和えただけのやつは数え切れないくらい何度も食べた。粗塩とごま油で和えたやつも。
そこへアボカドやチーズなんかを入れると、ちょっとリッチな気持ちになれてうれしい。

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また、卵といっしょに炒めると、立派な主菜になるところもすごい。
これまでは鶏がらやオイスターソースで中華風にすることが多かったけれど、最近、塩だけの味付けを試してみたらおいしかった。

ただ一つだけ不満があって、切ったあとのまな板がでろでろに汚れること。
包丁を入れると、あのぐちゅっとした中身が散乱してしまう。流してしまうのはもったいないから集めてうつわに入れるのだが、分解されてしまったトマトは食べづらく、どうしても最後に「すする」という作業が必要になった。

「種の部分を避けてくし切りにすればよい」という情報を得てからというもの、幾分ましにはなったけれど、角切りにするとやはりぐちょぐちょが飛び出てしまい、皮だけが残ったような状態になることが多い。
うまい切り方をご存じのかたがいれば、ぜひ教えてください……。

苦いのがいいなんて……。衝撃ピーマン

まあ食べられんことはないけど、わざわざ買うまでもないな……と思って、これまでずっと遠ざけてきた食材のひとつだった。

食わず嫌い寄り→大好きへと一気に変化を遂げたのは、明確なきっかけがある。

あれは、恋人が東京に来ていたときのこと。
ウーバーイーツで中華料理をたのむことになった。何にしようかと散々迷った挙句えらんだのが、餃子、油淋鶏、そして青椒肉絲。

じつはわたし、人生で一度も青椒肉絲を食べたことがなかった。
実家では父も弟もピーマンが嫌いで、しぜん食卓にのぼることはなかったし、なじみがないから外食をするときもメニューが目に入ることすらなかったのだ。

ここで会ったが百年目(ちょっと違うやろう)。
めったにお目にかかれない牛肉があるっていうのに、まさかそれ以上に、ピーマンがこんなに旨いとは。衝撃だった。

肉の脂と甘辛い味付けがしっかり絡んだ程よい苦みがたまらなくて、無心でばくばく食べたことを覚えている。
あんまりおいしかったので、翌週は2回も青椒肉絲をつくった。牛肉の代わりに安い豚肉を使っても、じゅうぶんおいしくできることを知った。

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そのあとは、いわゆる無限ピーマンにはまった。
レンジでチンしたピーマンを、おかかやめんつゆで和えるだけ。かんたんなのに、本当にすばらしくおいしくなる。しかもビタミン豊富らしくて最高。

飲み口すっきり◎水出しコーヒー

毎日コーヒーを飲むのだが、冬場はドリップ、夏場はペットボトルのやつばかり。ずっと家にいることだし、ちょっとアップデートしてみたいな、と考えていた矢先。
カルディで水筒+水出しコーヒーのセットが売られていたので試しに買ってみたところ、即座にはまってしまった。

なんといっても、その手軽さがいい。
麦茶と一緒で、容器にパックと水を入れて放置するだけ。ずぼらなわたしでも苦にならない手間の少なさである。

そして、飲み心地のよいことといったら。
コーヒー党であるわりに、これまではさしてこだわりがなかったのだけれど、このたびはっきりと自覚した。

ホットは苦めの濃いやつがいいけれど、アイスなら、薄めのやつに氷をたっぷり入れて、遠慮なくごくごく飲むのが好き!
水出しコーヒーは、わたしの潜在ニーズを見事に引き出してくれた。

ペットボトルのコーヒーにありがちな澱というか、ちょっと舌に残るくどさみたいなのがまったくないところが素敵。
カルディのほか、無印良品とUCCのやつも試してみたのだけれど、わたしはカルディの飲み口がいちばん好みだった。

ちなみにペットボトルの中だと、無糖のブレンディがだんとつ好きです。
自分の好みに気づいてからというもの、たくさん入れた氷が溶けはじめるのを待ったり、少しだけ水を足したりして、ささやかなカスタマイズを楽しんでいる。

コクうま~!やさしい豚キムチ

にんにくがとにかく大好き。
リモートワークであることを幸いに遠慮なくマシマシ、ひどいときには、桃屋の瓶詰にんにくを単体でばくばく食らっている(えっ)。

それくらいにんにくラバーのわたしだが、なんとこの夏、“にんにくなしの豚キムチ”に魅せられたのだ。

自分ではまず試さないそのメニューとの出会いは、会社の先輩宅でのこと。
ごちそうしてもらった手料理のうちの一品だった。

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じゅうぶんにコク深く、キムチなのにじんわりとやさしい味わい。それはどこか、小学校の給食で出ていた豚キムチと似ている気がした。

レシピを聞けば、にんにくは使わず、代わりにしょうがを加えているのだという。良い意味でそれほど存在感を感じなかったので驚いた。
豚キムチならではの程よいパンチはそのままに、やさしさと奥行きだけがプラスされている。しょうが、すごいな。

翌週、さっそく自宅で試してみた。
大きく切ったにんにくを爆入れしたい気持ちをぐっとこらえて、代わりにチューブのしょうがを2~3センチ。
ふだんは豚肉とキムチだけという乱暴レシピなのだけれど、そこへめんつゆとごま油も適当に足してみる。

すると、先輩宅でごちそうになったものとそっくりな、まろやかでやさしい豚キムチができあがった!

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思わずひとりで「おいしい!おいしい!」と口走りながら、のむように白飯をかき込んだ。
翌日のぶんもと二人前作ったはずなのに、あっというまに皿が空になってしまったことは言うまでもない。

これまでは、豚キムチといえばにんにくガッツリこってりなものしか考えられなかったわたしにとって、新たな扉が開けた食体験であった。
先輩Cさん、ありがとうございます!

好きなものが増えるのはうれしいし、おいしい!と感じられる幅が広がるのはすごく楽しい。

これから先、わたしの味覚はどんなふうに変わっていくのだろう。
おいしい記憶をむくむくとたくわえるたび、少しずつ自分が豊かになってゆく気がしている。

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