パピーの甘噛みについて

こんにちは、ドッグトレーナーの村雨です。

今日は甘噛みについてお話ししたいと思います。

パピーのご相談で1番多いお悩みは、甘噛み についてです。

前提として、仔犬の甘噛み自体は

犬として異常な行動ではなく、自然な行動です。

しつけ不足から起こる行動ではないということです。

ただ、パピーの歯は成犬と比べて鋭いため

甘噛みであっても、とても痛く、手や足が傷だらけになってしまうご家族も多いですね。

どう対応すべきか?

状況にもよりますが、

甘噛みに対しては反応を返さない(見ない・動かない・声を出さない)

という対応が1番効果的だと実感をしています。

なぜなら、多くの犬が求めているのは、飼い主さんのなにかしらの反応だからです。

無視が難しい場合


ただ、小さなお子様は、反応を返さないということは難しいと思うので

噛まれない環境を物理的に整えてあげるサポートも必要かと思います。

それでも、飛びつかれたり、噛まれてしまった場合は
走って逃げるのではなく(追いかけられてまた噛まれてしまう)、

「木になってね」とお伝えしています。

また、それとあわせて
日ごろのコミュニケーション方法についても
別途アドバイスをさせていただいています。

噛みつく頻度が多すぎる場合

ただ、本当に痛い!!と感じた時に、反応を返さないというのは
大人でも、なかなか難しいですよね。
また、犬が興奮すればするほど、甘噛みの強さも強くなっていきます。

じつは、甘噛みで悩んでいる方のご家庭では、いくつか共通点があります。
その点について、ご紹介していきたいと思います。

①興奮をさせる遊び(引っ張りっこやボール遊び、走り回る)を多く取り入れている。


犬自身が落ち着いているときに、いきなり飛び掛かって、噛みついてくるケースは少ないですよね。(本気噛みの場合は別)
興奮をすると、甘噛みの頻度が増えます。思い当たる点はありませんでしょうか?

だから、犬と遊ぶな!というわけではなく
興奮を煽る遊びの頻度を減らし、知育おもちゃや嗅覚を使うノーズワークなど、落ち着いて取り組める遊びに置き換えます。

お散歩の目的も、走らせることよりも嗅覚を使わせることを意識します。

②人の手や足を使って遊んでいる


人自体が大きなおもちゃという認識になってしまっている可能性があります。

遊ぶときはおもちゃや食べ物を使用するなど、おもちゃと人間の線引きを曖昧にしないようにします。

③噛まれたときに大きな反応を返している


たとえ叱っているつもりであっても、実は犬が求めている反応を返してしまっている可能性があります。

その場合、パピー期を終えても、噛みつく頻度が減らない可能性があります。

また、家族で一貫した対応をしていないと
噛まれたときの反応が1番大きい方が、その後のターゲットになりやすいです。(お子様や女性など)

④齧る・噛む欲求を満たせる環境が整っていない


犬には噛みたい欲求があります。

とくに歯の生え変わる時期は、歯がむず痒く噛みたい欲求は高まります。

音が鳴るおもちゃやボール以外で
さまざまな形、大きさ、噛み心地のおもちゃや食べ物を、最低でも15個ほど用意できると安心です。

毎回片づけるのではなく、いつでも齧れる環境をつくります。
それらを満たしたいときに満たせる環境でないと、人や家具などがターゲットとなってしまうからです。

⑤すばやい動作やバタバタと行動をしている


走るものや素早く動くもの(雑巾で床を拭くなど)は本能的に追いかけたくなってしまいます。

とくにパピーは動くものに興味が津々で、興奮もしやすいので注意が必要です。

小さなころから興奮体質をつくらないように、興奮を煽るような動きは控えて、ゆっくりした動作をこころがけます。

⑥1日の大半を狭い空間(サークル・クレート)で過ごしている


長い時間を狭い空間で過ごしていると、そこから出してもらえた時の興奮が高くなります。興奮のオンとオフが、場所によって条件付けされてしまっている可能性があります。

なので、サークルやクレートから解放した瞬間、甘噛みが多発します。

また、余談ですが
室内フリーへの移行が遅くなるほど、その習慣(興奮のオンオフ)が身につき、なかなか室内フリーに踏み切れないというご家庭も多いです。

ドッグトレーナーやペットショップでは、誤飲防止にサークル利用をすすめる方も多いと思いますが、わたしは犬を囲うのではなく、危険なものを囲い安全で快適な空間を犬へ提供することを推奨しています。

いままでに6頭と過ごしてきていますが、サークルを使用したことはありません。

今日は甘噛みに悩んでいる方の6つの共通点をご紹介いたしました。
まったく思い当たることがないのに、甘噛みが減らないなと感じている方は、さらにカウンセリングで深堀していき、一緒に原因を探します。

じつは甘噛みではなく、本気噛みだったというケースもあります。
犬やご家庭によって、状況はさまざまです。

しっかり愛犬を観察していきましょう🥰

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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