オンラインで学童をやってみた
私が4月から関わっているプロジェクト「まほらbo」
超簡単に説明すると、学童。
東京学芸大学のEXPLAYGROUND事業の一環
JR中央線、武蔵小金井駅の駅近くに、念願の秘密基地ができた。というか借りた。壁がなんだかすごいことになっているけど、子どもたちの落書き。
本来なら、リアルにこの場所で学校帰りの子どもたちが集まり、わいわいと生活し、勉強し、夜まで過ごす予定だった。しかし、スタッフ一同話し合い、新型コロナウィルスの感染防止のため、急遽、すべての活動をオンラインにした。昨日はその体験会。私たちは「生活」「英語」「算数」「国語」そして長期休暇には「冒険」もプラスし、本物の「学力」「生きるための知恵」を子どもたちにつけさせていく。
「生活」では、みんなで「くねくね体操」と「がにがに体操」をした。
私だけバカみたいなのだが、子どもたち含め、全員でやっている写真が掲載OKになったら掲載する(笑) 実際の学童で「生活」としては、支度、片付け、段取り、簡単な軽食作り、一日の振り返りなどにも取り組む。早く一緒にそういうことができるようになりますよう。
ふりかえり指導中のたまほ先生
国語は、オリエンテーションなので、30分でササッとできるワークをした。
みんなで何か一つこの「型」で文章書いてみようか!と提案
問題提起として用意していたのは「今日の夕飯は何を食べるか」だったのだけど、うっかり前の日の、中学生の授業で提案したものがWordに残ってしまっていた。
01 問題提起
東京はロックダウン(都市閉鎖)すべきか?
あ、しまった。と思ったとたん、子どもたちから歓声が。
「おもしろそう!!!」
あ、そう? じゃあ、書いてみようか。学習は「意欲」がスタートですからね。
02 結論
すべき
満場一致。ちょっと怖い。でも進める。理由は何? 二人の子にそれぞれ答えてもらう。
03 理由
①家から出ると感染者が感染を広める
②若い人たちの警戒心を強められる
若い人たちって、あなたがたも相当若いけどねって思ったけど次へ。さてここからが難しい。
04の1 予想される反対意見
自分たちの意見が正しいと思っているのに、反対意見なんて普通は言えない。でもそこにあえて挑戦する。相手の立場に立つということも大事だし、自分の論点の欠陥を見つけるというメタ認知も必要になってくる。
例えば、すべての道路に点字ブロックをというのは当たり前の意見だと思っていたけれど、車椅子の人が「あれ、がたがたするの」と言った時、ハッと気づいた。誰かのバリアフリーは誰かにとってはバリアなんだと。他には視覚の人にとって頼りの車内放送は、聴覚過敏の人には害でしかない。そういう一方通行の意見をメタ認知して、欠陥を探す作業。
さてあなたが理由を述べた時、その理由に対して反対意見を言った人がいる。その人は何を根拠に反対したのだろう。
①家から出ないとストレスがたまるなどで困る人も出てくるよ。
②ロックダウンしたくらいでは警戒心が強まらない人もいるよ。
なかなか良い。ここで大事なことがひとつ。論点がずれないようにすることだ。例えば次のような反論は、ここでの論点とは微妙にずれている。
感染者が100人を超えてからで良いと思う
これは、03理由で挙げられた二つと話がかみ合っていない。だからNGというわけだ。学級会などでは、かみ合っていない意見も出てくるよね。でもそうすると、またそこを論点に話し合わなくてはいけない。ましてや1文書の中では、どんどん出てきてしまう。もし書くとしたら、論点を出し切ってから書いたほうがいい。今は03理由の2つの理由についての反対意見なので、上記の①②でOK
ちなみに、一番論点がずれた反対意見を言うのは母親だ(笑) 私もそう(笑) これについては後日。
04の2 それに対する反論
①家から出ないとストレスがたまるなどで困る人も出てくる。
→家でも体を動かしたり体操をしたりしてストレスがたまらないようにする。
②ロックダウンしたくらいでは警戒心が強まらない人もいる。
→それでもロックダウンすることでうろうろしている人に注意ができる。
いいぞいいぞ。これで自分の意見がさらに固まった。次の05結論では02の結論とは段違いの結論が出てくるはず。なぜなら、より高い視点から自分の意見を見ることができたからだ。
05 結論
ここから先は、この「まほらbo」に入った人だけが見える世界。この01~05の文章をつなげると、200文字弱の文章ができる。これを2000文字にする方法や、これをスライドにする方法、これを漫画にする方法なんかのアウトプット術を教えていくつもりです! お楽しみに。
算数
算数も新型コロナウィルスにちなんだ問題からの思考術。
東京の感染者数
大阪の感染者数
一件、面積で見ると大阪の方が多そう!この罠について子どもたちが気が付いたことをどんどん述べていきます。あなたは気が付いた?
英語
英語はジョリーフォニックス。昨日は「S」について。わたし、この授業、子どもたちに交じってちゃんと受けよう!と思えました。1年後、発音がめっちゃよくなっている、かたかな読みしない英語になっている気がします。
子どもたちは?
途中、ランチミーティングもしました。みんなで食べ物を食べながらおしゃべりします。オンラインなので感染リスクなし。みんな、本当に楽しそうにおしゃべりしていました。その時の写真も許可取り中なので、OKだったらアップしますね。
自宅はどんな様子だったかというと、お母様から写真が。こちらは許可とってあります。
これは英語の時間かな。ひとりひとりはこんなふうに受講しているんですね。
オンラインで学童をやってみた感想
学校や塾の授業と違い、学童は「生活」が中心。本来ならば、まずは公園でめっちゃ遊び、この秘密基地に移動し、軽食作りなどをしながら、勉強もする流れ。
EXPLAYGROUNDのサイトより
こんな気持ちの良い屋外で、思いっきり体を動かすことがごっそりと抜けてしまった。せめてもと、がにがに体操など、できることをどんどん入れていくことになる。「部屋の中で一人でできること」これがしばらく必須になっていくと思う。オンラインで競争する体力作りもいいかもね。
オンラインではスキンシップができない。これもしんどいところ。
「よくやったね!」
「できたじゃん!」
その時に子供の頭をくしゃくしゃっとする。そういうことがごっそり抜ける。私たちはジェスチャーでそこを補うことにした。手をひらひらさせ、手話で拍手をしたり、OKマークを出したり。zoomでは、全員の顔がこちらを向くので、笑うだけでもかなり違う。一人が笑うと全員が笑うのだ。
いつか晴れた大空のもと、子どもたちと思いっきり遊び、一緒に食事を作り、一緒に生きるための勉強をする。そういう日が一日でも早く訪れるよう、今は我慢と工夫のオンライン学童だ。
まほらboでは4月の受講生を募集中。オンラインなのでどこからでも受講可能。小金井市の子なら、休校が終わる日からリアルに遊べるよ。
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