見出し画像

ごみの回収をやっと人に任せた母

私の母は、とても神経質で細かい。何もかも順序と形式が決まっている。例えば、ヨーグルトにブルーベリージャムとドライフルーツを入れる時は、ドライフルーツが先。ティースプーンで2杯。そのあとジャムを同量。ジャムを先に入れようものなら「違う」と咎められる。
理由はある。ジャムを先に入れてしまうと、スプーンにジャムが付いてしまい、ドライフルーツが同じスプーンですくえないから。
私も母の気持ちは分かるが、正直、どっちでもいいし、なんならドライフルーツは手のひらに開けてヨーグルトに入れたっていいし、スプーンを2本使ってもいい。でもそこでスプーンを2本使うと、スプーン入れの中のスプーンの個数が減ってしまうので困るらしいのだ。スプーンは別の引き出しにいくらでもあるのだけど。

同様のことが、家にある合計7箱のごみ箱の位置、それぞれのごみ箱に設置されているビニール袋の大きさ、その袋のかけかた、はみ出したビニール袋の取っ手部分のしまい方まで決まっている。しかも、なんと、ビニール袋の保管場所は大きさによって違う。
私はとても覚えられないし、間違うと困るようなので。ごみ袋は一か所にまとめてほしいとずっと思っていたし、例えば小さなごみ箱に大きなごみ袋をかけてしまうなど、少しでも間違うと、こっそりやり直しをしていたが、母の家なので、母のやり方に従えばいいやと思っていた。

母にとってはその秩序が精神安定剤であったから、私も口出ししなかったけれど、とうとうそれが難しくなってきた。
父の介護で母が精一杯になってきたのだ。

まず、腰痛もひどいので、介護保険でヘルパーさんにごみ出しをお願いした。家の掃除と、ごみを集積所まで持って行く身体介助。父が入院中の話。その時、母は、そのヘルパーさんがすぐに持って行けるよう、なんと、前の日の夜、ごみを自分で集めて1つにしていたらしい。腰が痛くて大変だったとのこと。確かに頑張ればできるけれど、誰のためのサービスなのか……。

母は優しいので「ヘルパーさんが少しでも楽なように」と思っていたらしいが、しかし、実際問題、父の介護で手一杯になった母。私と妹で「各部屋のごみを集めてもらうところからヘルパーさんにやってもらろう」と説得。やっとのことであきらめてくれた。

今日はその初日。母が父の世話をしている間、私はヘルパーさんに、我が家のごみのルールを伝授した。ヘルパーさんは、母の性格を把握しているので、たんたんと覚えて、きっちりこなした。さすがプロ。

母も安心したらしい。でも、母のことだから、そのあと、私が見ていないところで、細かい手直しはしたと思う(笑)
でも昔の母に比べたら大きな進歩。そもそもごみ出しや掃除の為に他人が自分の家に上がるなんて、耐えられないと思っていたのだから。

私もそんなことどうでもイイと言いつつ、母の行動を予測しているあたり、自分こそ神経質なんじゃないか?
やっぱり遺伝しているのか?(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?