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整理が出来ないのは頭が良いから!?

もしかして、わたし、認知症?
最近、小さな約束をすぐに忘れるようになりました。
例えば「明日、5時半に起こしてね」と言われて30分後ぐらいに「あれ?さっき、何か頼まれたような……」という感じ。頼まれたことを思いだしても「何時だったっけ?」というような調子です。

大阪の言語聴覚士の友人に、「もしかして、わたし、認知症なのかな?」と相談したところ、「それ、認知症ちゃうわ。有香さん、忙しすぎるんよ。情報が脳で処理し切れていないから、そういうところから取りこぼしが出るんよ。」とのこと。「何でもかんでも認知症にしたら、認知症に失礼やわ」とおしかりを受けまして、で、彼女に本を紹介してもらいました。

『脳が冴える15の習慣 —記憶・集中・思考力を高める』
築山 節 (著)

あ、また話がそれた。書くこと決めて書いてもこれやもんな。さて、この本もまたすごくて、タイトルはまあ、自己啓発本にありがちな感じなんですが、とにかく書いている人が凄いから!

築山節

脳神経外科専門医が書いた本なので、論理的かつ専門的なんですよ。しかも分かりやすい。
例えば、散歩が脳にイイっていう話は、まあ、あちこちのブログで見かけますよね。意識高い系の人とかの。でも、この本を読むと、何故いいのか、しかもいつがいいのかが、脳神経外科専門医の知見で書かれているんです。

脳は「思考する」と部位だと思っている人が多いけれど、脳では思考系がそれだけで存在しているわけではないし、それ以前に、脳には、感情系や運動系などの機能ももちろんあります。で、その感情系や運動系の部分を活性化させておくと、思考系の作業がはかどるというのです。ロジカル!
そこで、散歩、片付け、音読などの作業をし、足や手や口を動かし、血液を脳に巡らせておくといい、足や手や口を動かす運動系の機能は、脳の表面中央付近に分布しているので、そこに至る血流を良くする、特に足を動かす機能は、その中でも頭頂部に近いところにある領域が担っているので、よく歩くと、脳の高い位置まで血液が行き渡る、ゆえに、散歩はまさに脳のウォーミングアップになると。ひゃー論理的!

この本は一事が万事そういう調子で書かれているので、なんとなく理解していたことに、しっかりとした医学的論拠があることを美しい!と感じる人には超オススメです。

一日中、スマホかPC画面ばかり見ていると、脳がどのようになるか、怖い例も書いてあります。もちろん、解決策も。
だから、便利だっていうだけで、子どもにスマホを与えたり、オモロイっていうだけで、子どもにVRを与えたりするなってことやね。もちろん時代が時代だから、使わせないってわけにはいかないけれど、小さな画面を見続ける弊害をきちんと知っておくことが、親としての責務だと思うわ。
参照→習慣7「注意力を高める」小さな平面を見ている時間が長すぎる

で!肝心な私の認知症詐欺部分なんですが、

習慣6「思考の整理」に書いてありました。

頭の回転が速いのに物忘れをする人

これですわ。ズバリ。
そしてこの「頭の回転が速い」に自分を当てはめちゃう性格についても、こう書いてあります。

そういう人は、多くの場合、もともとの能力として仕事ができない人ではないと思います。
むしろ、人並み以上に要領が良く、若い頃から評価されていた、その能力を自分で過信している場合が多いと、私は外来を訪れる人達と接していて感じます。

がーん「過信」! そ、そうかも。最近、25分で1セットのポモドロシステムで仕事しているんですが、自分が想定した以上に作業に時間がかかるということが分かりました。
そして「外来」とありますが、そう、私と同じように、このタイプの人で「脳がおかしくなってしまったのでは」と病院を訪れる人が多いのだそう。言語聴覚士の友人が「認知症に失礼やわ」と言っていた意味も分かりました。すみません。

さて、こういう人の特徴として、物忘れより先に、机の上や鞄の中が整理されていないとのこと。散らかっているとか汚れているではないんです。整理されていないんですね。
確かに、私の机の上は散らかってもいないし、汚れてもいない。ただ、確実に「整理」できていない自信はあります。自慢じゃないけど。
例えば、きちんと整えられ積み重なった手紙の山の下の方に、期限切れの請求書があるくらいです←本当に笑えない

忙しいときほど「机の片付け」を優先させよう

こんなタイトルを見たら、ただただ断捨離の言葉のように感じていた私の脳が
この本を読んだ時から、脳が「いやこれ、断捨離本のタイトルちゃうで。あんたに対しての『警告』レベルの文やで。」と認知するようになりました。
変な話、妙に要領だけは良いから、何かが起きてもなんとかなっちゃう。なので、物事を整理しないできた結果、机の上が散らかっているのです。

☆書類を忘れたら家にいる息子に写メで送ってもらってコンビニでプリントアウトする
☆PowerPointのdocumentもクラウドに上げておけば、iPhoneアプリでセミナーを開ける

ITって、忘れ物をする人の為に開発されているのかもしれないと思うくらい、困った時になんとかする為のツールな気がします。マジで。

でも、脳神経外科専門医の話では、私は、整理に頭を使ってない、ということになります。
ガーンと、プライドが傷つきながらも、試しに、実際、机の上の手紙の山を整理してみました。実際に手紙を整理してみたら、かなり疲れました。本当に頭がへとへとになりました。普段どれだけ使っていなかったかということです。

そもそも何故手紙の山ができるかと言うと、ポストに入っていた手紙のうち、DMなどはその場で捨てるのですが、その先の作業をしていなかったからですね。例えば請求書だって「これは請求書だ」って分かるのですが、そこから先を怠っていたわけです。もちろん「後で処理する」つもりでその時は怠るのですが、実際にその先の処理は行われなかったのです。だって、本気で困ることはないし、困ってもすぐに対応できる自信がある。その自信から実現しない「後で」になってしまうのです。

実際、忘れ物をしてもなんとかしてしまう性格だから、忘れ物が減らないんですよね。

この本の著者、築山節氏は、若い頃から自分が要領の良くない人間で在ることを自覚していたので、整理することが一番大切だと考え、仕事も作業も優先順位を付けてファイル化していたとのこと。

机の整理は優秀な上司を持つことと同じ

だとし、他人が分かるレベルで、ラベリング、ファイリングして整理する作業を薦められました。そう、もう、相談に行って処方を受けたような気分になりました。

仕事に支障をきたすほどではないけれど、小さな忘れ物が増えたと感じる人、もし、過信するくらい自分のことを「何とかできる」と思っている人ほど、要注意です。

この本には、脳が冴える習慣が、全部で15載っています。私ができていない習慣はこの第6の習慣「思考の整理」です。中には私が得意とする「集中力を高める」「睡眠の意義」もありましたが、そのメカニズムを知り、ますます自信がつきました。みなさんはどうでしょう?

習慣1 生活の原点を作る……生活のリズムの重要性、音読が脳に与える好影響、物を作る習慣を朝に、など。
習慣2 集中力を高める……脳の基本回転数を上げる、時間の制約による判断の効率化など。
習慣3 睡眠の意義……寝ないから良い結論が出ないわけなど。
習慣4 脳の持続力を高める……やればできるのにやらない人のメカニズム、キーワードは選択・判断・系列化など。
習慣5 問題解決能力を高める……ルールと行動予定表についてなど。
習慣6 思考の整理……このブログに書きました!
習慣7 注意力を高める……目を動かさない人が陥る症状についてなど。
習慣8 記憶力を高める……出力を確認して入力をすることなど。
習慣9 話す力を高める……メモや写真を手がかりに長い話をする工夫など。
習慣10 表現を豊かにする……話を膨らませる技術など。
習慣11 脳を健康に保つ食事……体を動かすことの重要性、太らない食べ方のコツなど。
習慣12 脳の健康診断……医療検査の話。
習慣13 脳の自己管理……失敗ノートの薦め。
習慣14 創造力を高める……交友範囲を広げること、書くことの重要性など。
習慣15 意欲を高める……小さな成長を認めて褒める重要性など。←ここが先日講義した「自己効力感」の話にも繋がった。

手紙の山をやっつけてみたら、日程調整など連絡しなければいけない用件が2件、お金が返ってくる用件が1件ありました(笑)
確かに、このまま放置しても、当日多少慌てるかもしれませんが、私はきっと立派に解決できるでしょう。
でも、そうやってこれからも生きていくのか?ということを考えた時、小さな忘れ物を繰り返して信用を失うくらいなら、手紙くらい整理してみよう、そう思えたのでした。


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