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避難所マニュアルはまず型を作るべし

文章力養成コーチの松嶋です。文章力を買われて、居住している地域の避難所マニュアル作成に携わっています。もちろん、文学作品的な文章力ではなく、誰が読んでもその通り行動すれば避難所を運営できるという究極的にシンプルなものを目指しています。

今日は昨日の記事の続き。

都道府県ごとに、ある程度の型を決め、そこから先は、地域ごとの特性を加減していくようなことはできないか。できるとしたら、どんな作業が必要か。

この件について、考えを整理します。

1 共通の基本フレームワーク作成

都道府県レベルで、共通の災害対応フレームワークを作成します。どの地域でも共通して使用できる基本項目を網羅するようにします。


・災害時の初動対応(避難勧告や指示の出し方)
・避難所運営の基本ルール(受け入れ手順、物資の管理、避難者のリスト作成など)←今、ここに取り組んでいます。
・インフラ被害時の対策(ライフラインの断絶に対する基本的な対応方法)
・自治体と地域住民の連携方法(コミュニケーション手段の確保)

このような全国共通の基本項目を整理することで、各地域でゼロから作る必要がなくなります

2 地域特性を反映した柔軟性

都道府県ごとのフレームワークに基づき、各市町村や地域で必要な特性を加える部分を明確にします。


・地域の災害リスクに応じた対応(津波、洪水、火山噴火、地震など)
・地域の避難所の場所、キャパシティ、設備状況に基づく対応計画
・高齢者や障害者などの要配慮者への支援策
・地域住民の防災意識や習慣を反映したコミュニケーション計画

3 都道府県レベルのサポート体制強化

各地域が十分なリソースを持たない場合に備え、都道府県が人材や専門知識を提供する体制を整えることが重要です。


・マニュアル作成の支援チーム(防災専門家やコンサルタント)の派遣
・防災訓練のノウハウ提供やマニュアルの評価、改善アドバイス
・災害対応に関するデータや最新の技術を共有し、各地域の計画に反映

4 デジタルツールの活用

マニュアルの作成や更新の効率化を図るため、デジタルプラットフォームを導入することが有効です。が、それが大の苦手なのが国や都道府県。民間と協力しながら、入力しやすいフォーマットを用意し、都道府県が共通で利用できるテンプレートやチェックリストを作成することが望ましいです。しかし、ここは逆に、地域から都道府県にツールを提供しても良いと考えています。

5 住民の意見や知識の反映

マニュアル作成には、地域住民や自治会、ボランティア団体などの意見を反映させることも重要です。地域の災害リスクや、過去の経験に基づく実際の対応ノウハウを取り入れることで、実践的なマニュアルになります。そのためには、それら団体をチームに巻き込むことが必須です。

6 訓練と実践によるフィードバック

ここが最も大切です。机上の空論にならないよう、作成されたマニュアルは、定期的な訓練を通じて実際に使用され、そこで得られたフィードバックを基に改善していく必要があります。私たちの地域でも、マニュアル完成前に実践しました。マニュアルを完成させるためには実践が必要です。

7 公開

私は東京都に住んでいますが、新宿や渋谷とはことなる環境です。西側の市とも地形などが大きく異なります。作成途中のマニュアルを公開することで、同じ都道府県の中で完結することなく、日本中の似た地域で、マニュアルの共有が可能になります。

私は文章から解決策を見出すしかできないけれど、今一緒にマニュアルを作っているチームには、市議会議員、自治会長、自主防災会のメンバー、施設を借りることになる学校長、消防、市の職員、民生委員、PTA、様々なメンバーが集まっています。それぞれのメンバーが自分にできることを精一杯して、意見を出し合うことで、マニュアルができつつあります。
そのようなマニュアル作成プロセスも、noteで公開していきたいと思います。

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