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母親は過去に原因を探す~子どもに何かがあったとき

不登校に関しては、様々な研究がなされ、書籍も販売され、また研究者側の発信のみならず、今、本当に困っている当事者・当事者家族からの叫びが社会的にも広がるようになった。
しかし、不登校の原因は1つではなく、学校制度、学習塾の存在、いじめ、スマホ依存、核家族化、地域とのつながりの希薄性など、本当に多岐にわたるので、それぞれが本腰を入れないと、命をかけた子供の叫びに気づくのが遅いと、本当に手遅れになる。

昨日、2023年9月18日、東京小金井市で、長崎総合科学大学の広木克行先生の「不登校、子どもの心を中心に~子どもは育ち直しの名人~」という講演を聞きに行った。

小中学生の不登校は、2022年度24万人に達し、前年と比べて25%アップ
先生は、小中高校生の自殺数にも注目していて、こちらは前年と比べて24%アップ
ここに相関関係はないか?というところに着目したお話になった。私が「ちょっとそれは怖いな……」と思ったのが、自殺者の中には不登校の経験者が多かったのだが、そのうち75%は短期間で学校に戻った子だという話。
これは一体どういうことなのか。

不登校に向き合うということは、学校に戻すとか戻さないとか、そういう現象の問題ではない。
どうしたら学校に戻せるか?
何を言ったら学校に行くようになるか?
と求めがちだが、親は、まず子供ときちんと向き合い、不登校になるというサインを発するに至った経緯に向き合う。そして、子どもが心から安心した時、そこから、親は、子どもの育ち直しと付き合うという姿勢が大事だとのこと。

詳しくは先生の書物に書いてあるので読んで欲しい。

私が先生の講演で興味深いと思ったのは、母親と父親の思いの違いだ。
母親は「私の子育て方法が悪かったのでは」「自分の親との確執が波及したのでは」と過去の掘り返しに心が向いてしまう。片や父親は「このままでこの子は自立できるのか」「生活できるようになるのか」「働けるようになるのか」「家族を持てるようになるのか」という将来に目が向き、その両親の思いの行き違いが、子供に悪影響を与えるらしい。

確かに、母親はそうなりがちだ。自分の例でもわかる。私の子供は喘息持ちだったのだけど「妊娠中にストレスがかかったのではないか」とか「空気清浄機を早く買えば良かったのではないか」とか「授乳中に何か悪いものでも食べたのではないか」とか、本当に自分を責めた。だから、発作を起こす子供を抱えて座ったまま眠ったりすることが、せめてもの「罪滅ぼし」になればいいとさえ思っていた。

それでは、子供の問題の本質と向き合ったことにはならないが、そうなってしまうのは、母親という性質なので仕方がないにしても、だからこそ、父親のように将来に目が向く人がそばにいることが重要だ。また、逆に、将来のことばかり考えて問題の解決を先送りし子供と向き合わず、大検のことを考えたり、フリースクールを探したりするのは、これまたちょっと違うよね。
夫婦は、二人の性差による考えの違いを意識しながら、それでも思いは同じだと確認しながら、過去を向いたり未来を向いたりしないで、今、今の子供に向き合うことが、大事なのかもしれない。

社会のサポートも必要だ。夫婦二人じゃやっていけない。

不登校に関しては、色々なセミナーイベントに参加しているので、また感想などを記事にします。反応があり、記事が溜まってきたらマガジンにする予定です。

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