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ロアルド・ダール愛

こどもの頃になんだかどうしてもワクワクした本、好きだった本ってありませんか?
私にとってそれは、イギリスでは知らない人はいないくらいの児童文学の巨匠、ロアルド・ダールの本でした。

彼の本を読んでから読書が好きになったと言っても過言では無いし、大学の頃は彼の本を読んで英語の勉強をしたし、最終的には起業後の社名まで彼の本から取っています。

私が現在取り組んでいる「子育て家庭のためのミールシェアサービス」は「マチルダ」というサービス名(社名も同じ)なのですが、最近由来を聞かれることが多くなってきました。

※年配の男性からは由来について、「中尉?」とよく聞かれますが、声を大にして言います。違います。


マチルダ ちゃん

(サービスキャラクターのマチルダ ちゃん。とても素敵なイラストレーターさんに私のイメージを伝えて描いてもらいました。生命力に溢れた5歳の輝く女の子です。)

「ロアルド・ダールの本からとっているんですよ〜」と言ってもイマイチな反応をされることが多いので、ここらで1つ、ロアルド・ダールの紹介をさせてください。


ロアルド・ダールとは


以下、プロフィールです。

ロアルド・ダール
1916~1990年。イギリスの作家。サウス・ウェールズに生まれ、パブリック・スクール卒業後、シェル石油会社の東アフリカ支社に勤務。第二次世界大戦が始まると、イギリス空軍の戦闘機パイロットとして従軍したが、撃墜され、長く生死の境をさまよった。戦後、この経験をもとにした作品で作家生活に入り、変わった味わいの短編小説を次々に発表して人気を確立。結婚後は児童小説も書きはじめ、この分野でも、イギリスをはじめ世界じゅうで評価され、愛される作家となっている


作品(一部)です。みなさんが読んだことのある本も多いのではないでしょうか。

おばけ桃の冒険
オ・ヤサシ巨人 BFG
こちらゆかいな窓ふき会社
チョコレート工場の秘密
(チョコレート工場の続編)ガラスのエレベーター宇宙にとびだす
ぼくのつくった魔法のくすり
魔女がいっぱい
マチルダは小さな大天才
魔法のゆび


ロアルド・ダールの特徴


ロアルド・ダールは(大人になってから読んでも理解ができないかもしれない)「子供を強烈に引きつける引力」のある作家です。

ロアルド・ダールの作品は独特の世界観を持つので、好き嫌いが分かれるかもしれません。
以下が私の思う、ロアルド・ダールの特徴かつ私が好きなところ3つです!


1. 強烈な文章

ブラックユーモアがとにかくすごい。
大人になった今読み返すと、顔をしかめたくなるような表現も多くでできますし暴力的な表現も比較的多くあります。例えば...↓

夫妻にはマイケルという息子とマチルダという娘がいた。そして夫妻は、とりわけマチルダを、かさぶたかなにかぐらいにしか思っていなかった。かさぶたは、ある期間がまんすれば、つまんでとって、プッと吹き飛ばすことができる。ワームウッド夫妻は、彼らの小さな娘をつまみあげてプッと吹きとばす日を、大いに待ち望んでいた。なるべくなら、となりの国か、あるいはもっと遠いどこかしらへ、吹きとばしてしまいたかったのだ。
(出典:マチルダは小さな大天才)

「マチルダは小さな大天才」の比較的冒頭の文章です。
「かさぶた」とか「プッと吹きとばす」とかの表現がロアルドダールっぽい。

裏を返すと、これこそが子供たちに受ける理由かもしれません。
彼の描く大人は理不尽でバカだし、彼の描く子供は無知でバカなんです。でも同時に素直で謙虚で賢くて勇敢な大人も子供も出てきます。
その正直さ(大人が正しいわけではない。バカな人は大人にも子供にも沢山いる)が心地よいのです。


2. 特徴的な挿絵

ロアルド・ダールの作品の多くの挿絵を、クェンティン・ブレイクという人が担当しています。
見慣れない、味のある特徴的な絵で、ロアルド・ダールといえばこの絵!くらいのインパクトが残ります。

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魔女がいっぱいのこの絵↑とかも良いですね…
魔女の特徴が本で描かれるのですが、みんなスキンヘッドにカツラをかぶっていて、そのカツラのせいで頭皮にかさぶたのブツブツが沢山できているという設定なのです(笑)不気味なのにポップ。


3. 非現実的でワクワクする物語展開

巨大なガラスのエレベーターに乗って宇宙に飛び出したり、天才少女が超能力を使って威圧的で理不尽な大人をこらしめたり、動物たちとタッグを組んで窓拭き会社を始めたり、指から魔法を出して隣人を鳥に変えてしまったり、人間のふりをして子供たちを殺そうとする魔女をやっつけたり….

児童書らしく、ワクワクドキドキする物語展開になっていますし、基本的には勧善懲悪で読了感がスッキリとした本です。


ロアルド・ダールのオススメ本ベスト3


マチルダは小さな大天才

あらすじ:
マチルダは天才少女。三歳になる前に字が読めるようになり、四歳で、有名な文学作品も読みこなす。ところが両親ときたら、そんな娘を「かさぶた」あつかい。「物知らず」だの「ばか」だのと、どなりちらしてばかり。学校にあがると、そこには巨大な女校長がいて、生徒をぎゅうぎゅう痛めつけている。横暴で高圧的な大人たちに頭脳で立ち向かうマチルダの、痛快仕返し物語。


言わずもがな、私が運営しているサービス名「マチルダ」はこの作品から取ったものです。
ろくでもない親のところに生まれた天才少女が、自分で自分の秘められた力に気がつき、その力をどうやって利用するのかを自分で考え、バカな大人に抵抗をする話です。
まだ5歳の女の子が、自分の人生を自分で掴み取っていく。
小学生の私は彼女をかっこいいと思ったし、ワクワクしました。


チョコレート工場の秘密

あらすじ:
チャーリーが住んでいる町に、チョコレート工場がある。世界一広大で、世界一有名なワンカの工場。働く人たちの姿をだれも見たことがない、ナゾの工場!そこへ、五人の子供たちが招待されることになった。招待状の入ったチョコレートは、世界にたったの五枚。大騒ぎになったけれど、チャーリーには望みがない。貧しいチャーリーがチョコレートを口にするのは、一年に一度、誕生日に、一枚だけなのだから…。


これはジョニー・デップ主演で映画化もされたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
とにかくチョコレートが食べたくなる本で、これでもかというくらい不思議な世界観で想像力が掻き立てられます。
極貧の少年、チャーリーがチャンスを掴んでいく序盤が特に気に入っていて、何度も読み返しました。


魔女がいっぱい

あらすじ:
この世の中、ほんとうは魔女がいっぱいいるんだ。そのへんの女の人とまったく変わらない格好をしているから、みんな、気づかないだけ。おばあちゃんが、見分け方を教えてくれたんだけど…。ある日、ひょんなことから、ぼくは魔女の集会をのぞき見した。魔女たちは子どもが大嫌いで、恐ろしい相談をしていた。運悪く、ぼくは見つかり、つかまってしまい、鼻をつままれて苦しくなったので、口をあけた…。


主人公の男の子の両親が事故で死んでしまう…という衝撃の展開から物語がスタートします。
おばあちゃんと2人暮らしになった男の子は、魔女に出会いネズミにされてしまいます。ネズミになった少年は賢く勇敢に、おばあちゃんと一緒に魔女に立ち向かっていく、という話。
マチルダと違ってこの少年は「特別」には描かれていないのですが、自分で頭を使って、勇気を出して戦っていく姿にとってもワクワクしました。
終わり方もなんだか不思議で、「あ、こんな終わり方でもハッピーエンドなんだな」という本で、大好きです。

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私がロアルド・ダールに出会ったのは小学校中学年の頃でした。
いとこの家からダンボールいっぱいに古本が運び込まれて、その中に入っているいくつかのお気に入りの本が全て「ロアルド・ダールという人が書いた本だ」と気がついたのは少し後のことでした。

無限にある本の中で、心に深く残りのちの人生に影響する本との出会いって、子供の時にも大人になっても本当にたまーにあって、私はその出会いが大好きで宝物にしています。

娘にも、素敵な本と出会って欲しいな〜と思っているので、我が家の本棚にもロアルドダールを含め、たくさんの本を並べておこうかな。

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