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アガサ・クリスティ沼へのお誘い


GW最終日なので、完全に趣味のnoteです。内容はタイトル通りです。

最近は偏愛ブームというか、みんなが好きなものを紹介していく流れがあると思うのですが、私はアガサクリスティをひいきにしています。

特にイマ!アガサ・クリスティを押したい理由はこれ!

電子版がある
→Amazonで本を頼もうにも欲しい本は在庫切れ、書店にもなかなか行けないしフラストレーションが溜まる今、アガサ・クリスティはめっちゃ電子で読めます。

作品数が死ぬほど多い
→アガサ・クリスティ、出産も経験して30歳になってから作家デビューしているにも関わらず、長編を66作も書いています。中短編数は156作。「韓国ドラマは全然終わらないから好き」とNetflixで韓国ドラマにはまっていた私もびっくりの作品数です。緊急事態宣言延長のこのおこもり期間、毎日読んでも絶対に読み終わりません。最高。

私は2年前にアガサ・クリスティびいきになったため、全然全部読むことができていません。今20冊読んだところです。でも、20冊全部面白いんです、アガサ・クリスティにハズレなし!

ということで、「私的、アガサ・クリスティランキングトップ20」(多い...)を紹介します!ネタバレもちろんなし!

※あらすじの出展はすべて早川書房のクリスティー文庫です

【2020/11/3 追記】
このnoteの続きとして、+13作品&私的ベスト10のnoteも書きました〜↓

1位:葬儀を終えて

あらすじ:リチャードは殺されたんじゃなかったの――アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが口にした言葉。すべてはその一言がきっかけだった。 翌日、コーラが惨殺死体で発見される。要請を受けて調査に乗り出したポアロが一族の葛藤の中に見たものとは?

ポアロもの。これ、読むまでタイトルすら知らなかったのですが、最後まで分からない犯人、ぞくっとする読了感。アガサ・クリスティ何作か読んだことある人は、絶対読んだほうが良いです。今までのクリスティ作品では、これが一番ゾクっと感が記憶に残りました。

「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」

この一文だけでテンション爆上がり、お酒が飲めます。

2位:鏡は横にひび割れて(マープル初心者にオススメ)

あらすじ:新興住宅地が作られ、セント・メアリ・ミードの風景もどんどん変わってゆく。だがミス・マープルの好奇心だけはいつも変わらない。有名女優が村に引っ越してきて、いわくつきの家に住み始めた。その引っ越しパーティの席上、招待客が死亡してしまう。

マープルもの。私は、クリスティの作品だとポアロよりマープルのほうが好きです。何故かというと、マープルはより丁寧に「犯人はどういう人なのか」、心情に迫る推理をするからです。

この作品は「犯人の動機」が…

動機が記憶に残る…

それ以上はネタバレになるので控えます…!

マープルおばあちゃんの庭とも言える、セント・メアリ・ミードという村?町?が舞台なので、マープル初心者に絶対的におすすめできます。

3位:予告殺人

あらすじ:その朝、新聞の広告欄を目にした町の人々は驚きの声を上げた。「殺人お知らせ申しあげます。10月29日金曜日、午後6時30分より……」いたずらかと思われたが、しかし、それは正真正銘の殺人予告だった。時計の針が予告時間を指したとき、銃声が! 

マープルもの。2位の「鏡〜」もこの「予告殺人」も、最近ドラマ化していましたね。ただ、ドラマで観るよりも私は断然クリスティの本を読んで欲しい...!

ミステリーって結構時間が経つとトリックは覚えていても「犯人誰だっけ?」ってなるケースが多いなと個人的に思っているのですが、「鏡〜」も「予告殺人」も、私は犯人が好きで、この2冊は記憶に残る犯人です。

4位:五匹の子豚

あらすじ:16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。でも母は無実だったのです……娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは?

ポアロもの。16年前の殺人がテーマで、関係者5人との対話、そして関係者5人の手記が順番に記されていく手法が目新しい感あります!

それにしても、これだけミステリーを読んでいるのに(生粋のコナン君ファンです。コナンドイルやエラリークイーンも好き)ちっとも犯人を当てられません。

特にクリスティ作品、全然当てられないのだけど、私のセンスがないのではなく、きっとクリスティが凄いんです。

本作は、私が読んだ20作品のうち一番最近に読んだものなのですが、「自分の見ている世界が、その人の見ている世界と同じとは限らない」ということが本当によく分かる構成で、大好きです!

5位:ねじれた家

あらすじ:ねじれた家に住む心のねじれた老人が毒殺された。根性の曲がった家族と巨額の財産を遺して。内部の者の犯行と思われ、若い後妻、金に窮していた長男などが疑心暗鬼の目を向け合う。そんななか、恐るべき第二の事件が……マザー・グースを巧みに組み入れ、独特の不気味さを醸し出す童謡殺人。

ポアロものでもマープルものでもありません!

推理してトリックを明かしていく...のではなく、ねじれた家に住む家族の様子が丁寧に描写されていて、最後に真相がわかります。ポアロの話でよく感じる「ポアロは分かっているのに私は置いてけぼり」感がなくて、主人公と一緒に翻弄されるわたし。

6位:動く指

あらすじ:傷痍軍人のバートンが療養のために妹とその村に居を構えて間もなく、悪意と中傷に満ちた匿名の手紙が住民に無差別に届けられた。陰口、噂話、疑心暗鬼が村全体を覆い、やがて名士の夫人が服毒自殺を遂げた。不気味な匿名の手紙の背後に隠された事件の真相とは? 

私の好きな、マープルもの。...と言っても、なんと、マープル全っっ然出てきません。いつかいつかと待ち望んで、途中途中で脇役的にチラッと出てきて、最後の最後に美味しいとこ全取りで事件を解説していきます。

「匿名の手紙」ってワクワクする響きじゃありませんか?匿名の手紙に翻弄される私に対して、本質を見ることのできるマープルおばあちゃんがかっこいいのです。

7位:アクロイド殺し

あらすじ:名士アクロイドが刺殺されているのが発見された。シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめた。しかし、村に住む風変わりな男が名探偵ポアロであることが判明し、局面は新たな展開を見せる。

出ました〜〜〜〜言わずとしれた名作!聞いたことがある方も、読んだことがある方も多いのではないでしょうか?ポアロものです。

何を言ってもネタバレになりそうなので、何も言いません!読んでくれ!!

8位:白昼の悪魔

あらすじ:地中海の避暑地の島の静寂が破られた。島に滞在中の美しき元女優が、何者かに殺害されたのだ。犯人が滞在客の中にいることは間違いない。だが関係者には、いずれも鉄壁とも思えるアリバイが……難航する捜査がついに暗礁に乗り上げたとき、滞在客の中からエルキュール・ポアロが進みでた!

ポアロもの。読んでいる間中、目の前に美しいビーチ、美しいリゾート地が浮かびます。鬱々と閉じこもっている今、クリスティの文章から滲み出る美しい風景を是非感じてください!

と言っても別に読む気にはなれないと思うのでお伝えしておくと、犯人分かった時のびっくり度は大きめ。

9位:ポアロのクリスマス

あらすじ:聖夜に惨劇が! 一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主リーの死体が発見される。部屋のドアは中から施錠され、窓も閉じているのに、犯人はどうやって侵入したのか? 休暇返上で捜査にあたるポアロは被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが……

ポアロもの。これは完全に私の「イギリスのクリスマスびいき」による順位付けです。

イギリスのクリスマスって何故かすごく惹かれるんですよね...「ミンスパイ」「クリスマスプディング」...

ちなみにこの本にはそう言ったクリスマス感はあまり出てきませんけどね。

10位:ナイルに死す

あらすじ:美貌の資産家リネットと夫サイモンのハネムーンはナイル河をさかのぼる豪華客船の船上で暗転した。轟く一発の銃声。サイモンのかつての婚約者が銃を片手に二人をつけていたのだ。嫉妬に狂っての凶行か?……だが事件は意外な展開を見せる。船に乗り合わせたポアロが暴き出す意外な真相とは?

ポアロもの。こちらも言わずとしれた名作です!長い!そして登場人物が多い!覚えられない!

でも人間模様が丁寧に描かれているし、まるでエジプトにいるかのような気にもなれるし、犯人も期待を裏切らない意外性で総合的に楽しめます。

11位:ポケットにライ麦を

あらすじ:投資信託会社社長の毒殺事件を皮切りにフォテスキュー家で起こった三つの殺人事件。その中に、ミス・マープルが仕込んだ若いメイドが、洗濯バサミで鼻を挟まれた絞殺死体で発見された事件があった。義憤に駆られたマープルが、犯人に鉄槌を下す! 

マープルもの。アガサ・クリスティと言えばマザーグースというほど、クリスティ作品にはマザーグース(イギリスの童謡の総称)が引用されています。今まであげた作品の中でも、『五匹の子豚』『ねじれた家』そして本作『ポケットにライ麦を』、全部マザーグースから取っています。

死体のポケットにライ麦が入っている、そんな話!

マープルはどこにでもいる詮索好きなおばあちゃん(※ただし、頭は冴えている)、という感じなのですが、「この人は私の知っている〇〇さんタイプだわ」と、被害者や容疑者達を的確に観察していきます。

クリスティ作品全般に当てはまることではありますが、特にマープル作品は、結局最も犯人らしいタイプの人が犯人なんですよ。でも読者(=私)はそれに気がつけない。そこが本当に面白い。

12位:パディントン発4時50分

あらすじ:ロンドン発の列車の座席でふと目をさましたミセス・マギリカディは窓から見えた風景に、あっと驚いた。並んで走る別の列車の中で、まさに背中を見せた男が女を締め殺すところだったのだ……鉄道当局も警察も本気にしなかったが、ミス・マープルだけは別だった!

天海祐希主演でドラマにもなったマープルの代表作。

怪しいお屋敷への潜入捜査がワクワクするのですが、なんかマープル作品って結構マープルの出番が少ないものが多いんですよね。マープルがおしゃべりでどんどん詮索していくのが好きなのに...!

13位:スタイルズ壮の怪事件(クリスティ初心者にオススメ)

あらすじ:旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズは到着早々事件に巻き込まれた。屋敷の女主人が毒殺されたのだ。調査に乗り出すのは、ヘイスティングズの親友で、ベルギーから亡命したエルキュール・ポアロだった。

アガサ・クリスティのデビュー作です!ポアロもの。

舞台はお屋敷だし、死ぬのはお屋敷の主人だし、もう説明不要な王道のザ・ミステリーで、「え...これデビュー作なの?クオリティ変わらなくない?」と思うできなので、ミステリー初心者やクリスティ初心者は本作から読むと良いかもしれません!

以下、16位まで感想飛ばします↓-------------------------------------------

14位:ABC殺人事件

あらすじ:ポアロのもとに届いた予告状のとおり、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場には不気味にABC鉄道案内が残されていた。まもなく、第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺され……。

15位:オリエント急行の殺人

あらすじ:真冬の欧州を走る豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいた。奇妙な雰囲気に包まれたその車内で、いわくありげな老富豪が無残な刺殺体で発見される。偶然乗り合わせた名探偵ポアロが捜査に乗り出すが、すべての乗客には完璧なアリバイが……

16位:そして誰もいなくなった

あらすじ:その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!

これは、もうしょうがない。14位〜16位はクリスティ作品の中で傑作と呼ばれるものです。

が、ミステリーってトリックとか犯人を知らないで読むのが鉄則じゃないですか?もうこの3つは有名すぎて、読んだ時にはトリックも犯人も知っていたんですよね。どこで聞いたのかは忘れましたが、30年も生きてるので、どこかしらで耳に入ったのでしょう。

本当の本当に初見で読んだときの、驚きと感動が欲しい...悔しい...!

「え?トリックも犯人も知らないけど?」って人は、私のランキングに惑わされず、絶対に読んだ方がいいです。

17位:スリーピング・マーダー

あらすじ:若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めて見るはずの家の中に既視感を抱く。ある日、彼女は観劇中、芝居の終幕近くの台詞を聞いて突如失神した。彼女は家の中で殺人が行なわれた記憶をふいに思い出したというが…

マープルもの。過去というか、記憶の中の殺人の解明ですね。クリスティ、長編66作品目、マープル最後の事件です。

マープルものらしく、ゆったりと進む推理の中にぞくっとするものが混じっている感じ。マープルファンは必読です。

18位:春にして君を離れ

あらすじ:優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバクダードからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…

これ、ミステリーじゃありません!殺人事件、起きません!でもクリスティを語る時に必ず出てくる作品。

「主人公の48歳の主婦が、たまたまゆっくりする時間ができて、自分を見つめる」

ただそれだけの話なのに、こんなにもゾクっとして、え...これミステリーなの?これ、私にも当てはまるかも...と思わせるのは、さすがとしか言いようがありません。

19位:復讐の女神

あらすじ:マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。

マープルもの。これ、『カリブ海の秘密』の続編なんですよ...なのに、私、本作から読んでしまったがための19位。

別に本作から読んだって全然楽しめたのですが、これから読む人は『カリブ海の秘密』から読むことを本当にオススメします...

20位:第三の女

あらすじ:自分は殺人を犯したらしい。相談したい。そう言ってポアロを訪ねてきた若い娘は結局何も話さず立ち去ってしまった。その午後、事情通のオリヴァ夫人から事情を聞いたポアロは俄然興味を示し、夫人とともに調査を始める。だが娘の周囲に殺人の匂いはなく…

20位なんですけど、面白くないわけじゃないんです。というか、クリスティ作品はどれも面白すぎて、順位をつけるのは酷だってことに、このnoteを書いてから気がつきました...

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とんでもなく長いnoteになりましたが、楽しすぎて一気に書いてしまった...

私が読んでいない人気作品もまだまだあって

『メソポタミアの殺人』
『書斎の死体』
『ゼロ時間へ』
『カーテン』
『牧師館の殺人』

は絶対に読みたいけど楽しみに取っておきたい作品たちです。あとは『火曜クラブ』や『謎のクィン氏』などの短編集も読みたい...

アガサ・クリスティとコーヒーさえあれば、外出自粛期間も最高の娯楽の時間へと早変わりすること間違いなし!!!

是非、私と一緒にアガサ・クリスティ沼へ!!!!


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