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今宮神社

あぶり餅目当てで来た神社だったが、正門をくぐり境内を見渡すと不思議と「神社」の雰囲気をあまり感じなかった。

軸線の交差


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正門をくぐってまず正面に目に入るのは植物だ。そして地面は種類の異なる石畳の経路や砂利、砂によってパッチワークのようになっている。本殿へと軸線がはっきりしている寺社とは違って、空間上の注意が散らされているようで公園のように感じた。

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境内に一部残る小川にかかる橋から東門・外のお店を見る。ジグザグと方向性が散らされた道が外まで続いているのがわかる。

アプローチの変化

調べてみると、正門は大正時代に創建されたものでその時にアプローチや境内の計画などが変化したように考えられる。それ以前は東西方向の参詣路があり、あぶり餅屋さんのある通りがそれに当たるようだ。元々の境内と新しい計画をうまく調整するために正門・東門のところで斜めの道が現れたと推測できる。

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現在の境内周辺地図

画像引用:Google マップ

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江戸末期?明治期ごろの境内周辺地図

画像引用:http://www.imamiyajinja.org/archive/chizu/index.html


開かれる神社

この神社の西側には幼稚園が隣接していて、西側にある絵馬舎付近では子供たちの声が聞こえてくる。以前この神社を訪れた時、そこの幼稚園児だと思われる子供たちがこの境内でたくさん遊んでいた。それも、正門・絵馬舎あたりの空間によく子供が溜まっていたように思う。そこはまさに元々の境内と新しい計画のズレを引き受けている空間であり、その性質が子供の遊び場に適しているように見えて面白いと思った。お祭りや市、境内内の公園など、寺社は地域コミュニティ形成の核として働く面があるが、そうした時の空間構成に目を向けるのもおもしろそうだと思った。

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