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3月9日(火)

삼월 구일 화요일

 今朝は起きる少し前から例えるならStranger Thingsのような奇妙な夢を見ていた。詳細は覚えていないけれど不気味な生き物から逃げていたり、仲間だと思っていた誰かが幽霊でも化け物でもない何かであったり。トイレのような暗くて個室がいつくも並ぶ地下のような空間が繰り返し出てきたけれど、あれは一体どこなんだろう。知っている誰かではなく、自分もその夢には特に登場人物としては参加している様子もなく、映画を見ている気分だった。

 今日は仕事が多いことがわかっていたので起きるのが少し辛い朝だったけれど、6時50分になんとか起きて少しだけ小説を書き、少しだけ韓国語の勉強をした。今日はパンも何もなかったのでコーヒーだけで我慢。職場に着いてからビルの下に入っているマルエツでフィッシュバーガーを買って食べた。お昼には昨日の夜つくった照り焼きをおかずにご飯を食べた。3連休明けの出勤は辛い。だけどやることは多かったので時間はすぐに過ぎた。いつもより多めに残業をして帰った。

 最近は夜に少し寒い中ベランダに座って、音楽を聴きながらワインと煙草を少し楽しむ時間が何よりの幸せだ。煙草は日頃全く吸わないけれど、夜のお酒の時間の数本だけなのがいい。ヤニクラが消えない程度の慣れでちょうどいい。なんでも慣れない方がいい。

 家がどれだけ好きでも、やはり長い間日帰りだとしても旅をしていないのがそろそろ辛くなってきた。確定申告でお金が入ったら、海沿いの何もない町に数日一人旅に行くつもりだ。普段も一人でいるくせに、それでも誰も連れ添って行きたくない。自分のひとり好きには時々やれやれと思う。だけど今は特にひとりで静かな空間を持つことが必要な時期なのだ。制作の頭に切り替わっているので、特に。最初に文芸賞のために作品を書いた去年も、仕上げる前に一人で京都旅行に数日行った。帰ってきたその日に、東京に初めての緊急自粛要請が出たのだった。ギリギリである。あの頃は自粛に対して人々が真面目に取り組み、街はゴーストタウンみたいになっていた。あの時期が懐かしい。そして私個人のわがままな意見として恋しかったりする。次に行く場所はもう決めている。あとはお金と時期の問題。

 ベランダでぼんやりと厚い雲で星の見えない空を見ていたら、すっかり時間が過ぎていた。シャワーを浴びて、再び注いだワインを呑みながらさけるチーズを食べ、今これを書いている。

 昨日の夜から安部公房『他人の顔』を読んでいる。出だしからかなりエキサイティングな文章。やはり安部公房は特別だ。『砂の女』を読んだ時の興奮はいまだによく覚えている。何が官能的なのかはわからないけれど、あれは私にとってかなりエロティックで刺戟的だった。『他人の顔』がどんなふうに終わっていくのか、楽しみで仕方ない。

 ああ、それにしても仕事の日の夜は速く過ぎる。あと2時間ほど時間を伸ばして欲しい。そうやって時間の概念に圧迫されながら、明日も頑張ってみようと思う。


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