見出し画像

2月15日(月)

이월 십오일 월요일

 昨日早めに布団に入って韓国映画の『男と女』を観た。胸の中にたくさんの想いはあるけれど、ここで端的に話すならばここ最近で観た映画の中で一番胸にきた作品かもしれない。主演の二人(コン・ユとチョン・ドヨン)が素晴らしすぎる。チョン・ドヨンは私が韓国映画の中で(というより全世界の映画の中で)トップ3に入るくらい好きな『シークレット・サンシャイン』の主演の女優でもあるが、さすがさすがさすがである。監督はたまたま最近見てなかなか好きだった『愛してる、愛してない』のイ・ユンギ。彼の作品の空気感はわりと肌に合うようだ。キャスティングがうまくいっているという気もするが。

 映画を見終わったのがだいたい夜10時半くらいだったけど、あまりに作品に引きずられてラストシーンで女が煙草を吸っているのを見て私もやさぐれた気分になり、干したままの洗濯物を少し気にしながら一本だけ余っている煙草を吸った。やはり煙草は嫌いだし、不味い。だけど私には時々必要だ。

 今日はまた変な夢を見た。小さな嘘を重ねて重ねて、最終的に大きな過ちに気づく夢。最近はこういう夢が多いから、精神がどこか不安定なのかもしれない。春が近づいているせいかもしれない。
 そんな感じで目が覚めたので、今日は雨でよかった。妙に気分が落ち込んでいる時の雨が好きだ。果てしなく私を寂しくさせてくれるものが安心する。なんていうとメンヘラみたいに聞こえるかもしれないけれど、寂しい時は寂しさと面と向かって話すべきだと思う。寂しさも長くは続かないし、時々底なしに寂しいと思うことは健康的なことだ。結局のところ底はちゃんと用意されているし、悲劇の主人公ぶって数日生きてみるのも悪くない。

 言語ラーニングのアプリの掲示板を見ていて、今日はソウルも雨が降っていると知る。自分が想いを馳せている場所が同じ天気だとなんだか嬉しい。同じく晴れている、というよりも、同じように雨という方がなんだか特別な気がして嬉しかった。そんな雨も東京の空では長く持たず、夕方過ぎからすっかり晴れてしまった。そういえば、昔は雨が大嫌いだった。だけど歳をとるにつれ雨が好きになり、嫌いだった冬も好きになった。大人になると味覚が変わるというけれど、昔からなんでも食べる私の味覚は変わらないけれど、どうやら天気の趣味が変わったらしい。

 今日はそんな朝から始まったので疲れていて、定時15分過ぎには退社。薄手のコートとスカーフを選んだのに、駅の構内は暑い。電車に乗るとスカートの間を汗が一滴垂れた。明日から服装に気をつけなければ。

 今日も仕事中に적재のラジオにCrushが出ている回を聴きいていた。どうやったら적재に会えるかなと思っている間に仕事は終わっていた。ハマるとなんでもそれしか考えられない。融通の効かない頭は歳を重ねても治らない。何よりもたぶん、治す気がない。

 どうやら私はまた、ひとりの人を置き去りにしてしまったみたいだ。大人に振舞わないといけないと思うのに、子供みたいに置き去りにしてしまう。訳すと「元気にやってる」というこの歌は過去の愛を引きずる男の心を歌っているけれど、置き去りにした方も置き去りにしたくせに同じことを無責任に考えたりもする。それを責められたって困るし、どうしようもない。そういうふうになったのはお互いのせいだし、悪いとは思っていないし。こういう時の気持ちは、この歌みたいに言葉に反して、とてもポップなのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?