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『ごはんをつくる前に読む本』ができるまで⑦

撮影は楽しい、器を見る喜び

通常のレシピ本と違い、料理写真がメインではないことと、表紙の撮りおろしもないので、2日でいけるだろう!というわけで、いつものスタジオでいつものメンバーで撮影が始まりました。
今回お願いしたカメラマンとスタイリストのお二人は、これまで何冊もご一緒していて、私の好みもよく知ってくださっていて、阿吽の呼吸で進められる信頼と安心感があります。

基本的に編集や執筆は、すごく孤独な作業です。一人で黙々と進めています。気分を変えるために、事務所だけでなく、自宅のダイニングテーブルでやってみたり、外にメモ帳とパソコンを持って行ってやってみたりしますが、でも基本的にはずーっと一人で悩みながら考えながら進めています。そして、ある程度まとまってから、版元の編集者さんとデザイナーさんを相談相手に、何度か編集会議をして内容を固めました。
でも撮影現場は大抵、私とアシスタントのゆきこちゃん、カメラマンさん、スタイリストさん(時々スタイリストさんのアシスタントちゃんも入ったり)、そして版元の編集さん、時々デザイナーさんも入ることがあるので、とても賑やかで、楽しいです。

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その中での楽しみの1つは、スタイリストさんが持ってきてくれる食器の数々をながめることです。いつもとてもステキなものを集めてくれます。私が染付や民芸ぽいものを好き、と知ってくださっているので、料理に合わせていろいろ選んでくれます。これいいなあ、と思った器をひっくり返して、作家さんの名前などが書いてある時はメモして後で探しに行って買うこともあります。

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以前は自分で器を用意していたりもしたのですが、やっぱり全然違うのです。餅は餅屋。素晴らしいスタイリストさんて、素晴らしいです。(もちろん人によります。書籍の時はないですが、雑誌のページ撮影の時などに、たまに、すごく偉そうで、小手先でハイハイこんな感じでしょ、というベテランのスタイリストさんに当たると、心底かなしい気持ちになります。そういうときは、1秒でも早く撮影が終わりますように、と祈りながら必死にがんばります)

今回撮影した写真の中で、特に注目してもらえたらいいな、と思っているのが、料理の原型→典型→類型のことを説明したページです。本書の112ー118ページあたり。料理自体の華やかさが控えめになっていく分、盛り付ける器はアクセントの効いたものになっています。そうすると、食材が少なくても、ちゃんと美味しく見えるからおもしろいです。この話は、本文中には触れていないのですが、編集会議の時に、スタイリストさんから提案してもらって、それおもしろいのでぜひ!と器を選んでもらいました。

2日間の撮影で作ったお料理は、すべてお昼ご飯にするか、またはみんなに持ち帰ってそれぞれの夕食や朝食として食べてもらいました。私は撮影の時はいつも、お弁当のように作ったものを詰めて持ち帰ってもらいます。つくったものは、食べてもらえると、やっぱりうれしいです。そしてキッチンの片付けを終えて、一息。カメラマンさんとちょっとおしゃべりするその時間は、本当にホッとして、すごく好きな時間です。

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『ごはんをつくる前に読む本 −三日坊主をくりかえせば自由に生きられる』
https://www.amazon.co.jp/dp/477302643X

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