見出し画像

【ADHD服薬日記#1】アトモキセチン25mgからスタート

東京の一般企業でコンテンツディレクターとして働く30代女性が、ADHDの治療としてアトモキセチン(商品名:ストラテラ)を服用した経過観察の記録です。誰かの参考になれば幸いです。

【1日目】2024年2月20日(火)前日の就寝前に25mg

服薬開始1日目の記録です。副作用に慣れるため、1日25mgで処方されています。以下は、当日に記録した内容に加筆修正を加えたものです。


<服用時間・服用量>
前日19日23時頃、就寝前にアトモキセチン25mgを服用。


02:04
頭がジンジンして目が覚める。痛みとも違う、感じたことのない違和感。あと、胃がムカムカする。これも初めての感覚。「胃がムカムカする」ってこれのことか、と知る。


02:20
寝ぼけたパートナーが体に触れてくるが、少しの刺激では性的興奮を覚えなくなった。脳がとろけにくくなった。脳にストッパーがかかった感覚。これが普通の感覚か。そうだとしたら、余分な性欲がなくなりそうで都合がいい。


02:21
中途覚醒してしまい、眠れない。


03:30
引き続き眠れず、諦めてリビングに来た。煙草がおいしい。


03:35
CBDを吸い、ベッドに戻る。YouTubeで倍音浴の動画を再生して寝る。


06:04
起床。普段ならありえないほど早い時間。
頭がジンジンする。朝から目が冴えている。


06:16
ベッドの中で、病院に行かずに苦しんでいた過去のことを思い出す。あのとき早く受診していればよかった。過去の自分に対して、「救ってやれなくてごめんね、よくここまで定型発達の人達とおなじようにがんばったね」という気持ち。過去の辛さを振り返って涙が溢れる。本当に無理だったんだね、障害だったんだね。


06:31
朝から未読メールを0件にした。天気予報を確認した。すごい。いままでの生活では、朝にメールアプリを開くことも、天気を確認することも無かった。


07:13
今まで見て見ぬふりをしてきた、時間のあるときにやろうと思っていた片付けが、サクサクと済んでいく。それも「よし、やるぞ!」とも思わずに自然と。朝から出来る意味がわからないし、こんなに簡単に出来ることなら溜めていた意味もわからない。

花の水やりをした。ドライフラワーを替えた。今までの「やる気のあるとき」と違う点は、動作を最後まで終えられること。水やりに使った栄養剤を棚にしまう、ドライフラワーを替えたあとにハサミと紐をしまうなど。今までならやりっぱなしにしていそうなものだ。

朝の支度をしながら、テレビの音に耳を傾けることができる。お弁当を作りしながら彼と会話ができる。2つ以上のことが同時にできる。うれしい。「いま自分のことに集中してるから!!話しかけられても返事できない!!」と苛立たない。


07:57
出かける支度をしている。一昨日買った飲みかけのペットボトルとくしゃくしゃの領収書を、カバンから取り出した。


09:00
家を出ようと決めた時間に家を出られる。すごい。自分でも驚き。

地に足を付けて現実を生きている感覚がある。思考の中を漂って遊んでいる感覚がない。スキマ時間にメールを返したり、電車の時間を調べたりが自然にできる。


09:33
脳内多動が抑えられることで、通勤時の散歩がつまらなくなることを少し危惧していた。けれども、実際そんなことは全然なかったので安心した。普段どおり好奇心旺盛。目に入るものに次々と興味が移り、きょろきょろしながら歩く。
電柱に貼られたテプラシール「#戦争と家父長制度を憎む(猫のマーク)」を見つけた。主張は置いといて、なんで猫?? 今日も変わらず街はおもしろいし、頭の中はおしゃべり。


11:53
薬の効果かは不明だけれど、今のところ仕事への集中力が高い。差し込みタスクに過剰反応していない。連絡がたくさん来ていても、慌てず落ち着いて目の前の仕事に取り組めている。


14:01
え、すごい。休憩から戻ってもPCに向かえばすぐ集中力が戻るし、続く。全然スマホを見たくならない、他のタスクが気にならない。今までの私ってなんだったの? 私の人生ってなんだったの?


14:46
副作用として食欲不振があるそうだが、食欲は普通。食べなくてもいいくらい。


16:58
急に疲れが…


18:56
脳内BGMは、仕事中は消えていて、歩いているときは変わらずあるかも。


19:56
あ、やばい、全然できなくなってきた
頭にモヤがかかって、一つ一つのタスクのことを「たくさんの仕事」という塊にしか捉えられなくなった


21:02
へとへとです
もうむりです
水筒のフタが開いていて、鞄の中がびちゃびちゃです
かえりの電車、つらい


21:19
アルジャーノンを1日でやったわ


22:09
眠いとかじゃなくて、充電が切れた感じがする


『アルジャーノンに花束を』という小説をご存知でしょうか。
知的障害を持つ青年チャーリーが、知能を向上させるための実験的な手術を受けて天才になる。知能が向上する過程で、多くの自己発見と人間関係の変化がある。しかし、知能は徐々に低下し始め、元の状態へと戻っていく。その様子を、チャーリー自身による「経過報告」という報告書の形式で語られる物語です。

この主人公チャーリーの一生を、一日で体験した気分でした。

急に頭が良くなり、出来なかったことができるようになる。しかし、薬の効果が切れると元の自分に戻っていく。頭が良い状態を一度味わってしまったために、元の自分のできなさが余計に悲しく感じられる。

アトモキセチンはコンサータと違って継続的に服用することで徐々に効果の現れる薬なので、この1日で感じたことはプラシーボ効果の可能性も大いにあります。しかき、あくまで自分の感覚としては、初日から変化を感じました。

いつもより頭を使ったせいなのか、初日は疲労が大きく、普段よりも早く就寝しました。


最後までお読みいただきありがとうございます!

よければハートマークをポチッと押してもらえたら嬉しいです。どうか私の脳にドーパミンを……

X(旧Twitter)では日常の考えごとや気づきをゆるーく投稿しています。こちらもよかったら覗いてみてください。
https://twitter.com/yukai_ww


またお会いしましょう。すこやかに〜

よかったらシェアやコメントを、もっとよかったらサポートをお願いします!! 頂いたサポートは、宝物として貯金箱の中に飾ります。誰かの心に響きますように。