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「聴く力」こそ現代人に必要な武器だと思う〜その1


ここ半年くらい「聴く力」について考えていました。「聴く力」が大切なことはわかっていましたが、最近になってますますこれこそが老若男女問わず身につけたほうがいいスキルだと強く思うようになりました。


カウンセリングやコーチングで「聴く」ことについてのスキルは必ず学びますが、「聴く」ということは、わかったようでなかなかわからない、できてるようで全然できてない、とっても難しいスキルだと思います。

でも、対人関係は聴くことに始まり聴くことに終わる、くらい「聴くこと」って生活のあらゆる場面で重要なことだと思うのです。


まず...
「聴く」=「傾聴」とはただの聞くとは何が違うのか。
傾聴とはアクティブリスニングと言われアメリカの心理学者カール・ロジャーズによって提唱されました。

ロジャーズの提唱した傾聴には3つの原則があります。

1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。

2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。其のことによって、話し手は安心して話ができる。

3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。
                   厚労省サイト「こころの耳」より


ざっくりまとめると、こういったことを実践しながら相手に耳だけでなく目も心も使って話を聞いていくのが「傾聴」ということになります。


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今日は「傾聴」の定義や内容についてこれ以上掘り下げず、私自身が最近「傾聴」を通して感じたことを書こうと思います。

それは認知症の父への対応でのこと。私の父は昨年くらいから急激に認知症状が出るようになりました。レビー小体型の症状が強く出ていて、物忘れや見識障害だけでなく理由もなく急に情緒が不安定になり暴言を吐いたりします。突然スイッチを入れたようにとにかく興奮して文句を言いつづけます。(話している内容は全く辻褄があってないです)日頃は母が面倒を見ていますが、このようになってしまうと母のこともわからなくなって攻撃してしまいます。そんな時に私がひたすら父の話を聞きます。ほとんどが伝え返しでひたすら聴きつづけます。するとだんだんと落ち着いてきていつもの父に少しずつ戻ってきます。


この半年、このような形で父の話を聴くことをずっとつづけているのですが、ここで気がついたことがあります。私はカウンセリングやコーチングのトレーニングを受けているので、もちろんいつも「傾聴」の姿勢で父に向かい合っているつもりですが、相手は認知症状がある父、私の心がグラッと揺らいだら一瞬でバレてしまうんです。傾聴の姿勢が揺らぐと容赦なく父の状態は振り出しに戻ります。全くごまかしが効かない・・・

特に揺らぐと致命的だなと思ったのは肯定的関心の部分でした。内容は聞いていても何も繋がらないのだけど、父が訴えようとしていることに心を傾けながら聞くと今そのようになっている父の訴えがわかってくるのです。何が悲しいのか、何が辛いのか。それは言葉として出てきているものとは全く違うことです。私に伝わったんだと父が感じた時、父の興奮はだんだんとおさまってきます。


お恥ずかしいのですが、この経験をするまで本当の意味での肯定的関心ってわかってなかったような気がしています。事柄を聞くのではなく心を聴く、皮肉にも親を相手にしたこの経験でそれを体感した気がします。

(そして、結果この経験の中で正直娘としては知りたくない親の心にも触れることになりましたが、その私の心を守ってくれたのも傾聴の力だったと言えます。この聴く側についての話はまた改めて書こうと思っています。)


今回は最近の出来事ということで認知症の父の話を例にあげてみましたが、今私たちの生活の中には聴いてあげること、聴いてもらうことで良い方向に向かうことがたくさんあると思うのです。仕事のストレスや子育てのストレス、夫婦間の問題、介護・・・あげればキリがないですが、ほとんど全ての問題や課題はコミュニケーションの改善で緩和、解決すると思っています。

コミュニケーションの中でも「聴くスキル」は一番ベースになるもの。
他の人と良い関係を気づくためにも、自分をちゃんと保つためにも、「聴く力」を携える事は今の私たちにとても必要ではないかなと思っています。





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金曜日に梅の花を見にいきました。
草花って自分が似合う時期をよく知ってるなぁと梅を見るといつも思います。梅の花が似合う季節、春の盛りでもないし夏でもない。
寒いけど春っていう今の時期にピッタリだなと思います。








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