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「宝石」は、地球がうみだすキセキ。国立科学博物館で、宝石を科学する。


基本、石には興味がない。

宝石にもあまり興味がなくて、ダイヤの婚約指輪とか、使わないからいらないと言って違うものを買ってもらったし、

最近流行りのパワーストーンにもさっぱり興味がない。

そんなわたしが訪れた、国立科学博物館の「宝石展 地球がうみだすキセキ」

石に興味がないわたしでも、知らないことがたくさんで楽しめたのでご紹介したい。

息子は小さいころから恐竜や昆虫が大好きで、夏には毎年国立科学博物館の特別展に行っていた。わたしは息子を生むまで、美術館は行くけれど、科学博物館に行ったことがなかった。別に恐竜とか興味ないし、地球の内部がどうなっていようが、どうでもいいし。

なのに、息子が喜ぶからと連れて行くようになった科学博物館は、わたしが今まで知らなかった知識の宝庫で、行くたびにわたしがドはまりするという現象が起きた。

地球のすばらしさに、生命のすばらしさに感動してしまうのだ。

一昨年前には「昆虫」、昨年は「植物」
個人的には全然興味がないのに、息子に「もう帰ろうよ」と言われるくらい食い入るように展示を見ていた。自然ってこんなにすごかったんだ、と感動してしまうのだ。

昨年の植物展の記事。


なので今回も、全然興味がない「宝石展」に行くことにした。息子は男子だけれどキラキラ光る石が結構好きらしく、ぜひ行きたいと言っていた。

昔はポケットにそこら辺の石を詰めて帰ってきていたので、きっと私よりは石に興味があるのだろう。

しかし男子って、なんであんなに石を拾いたがるのかねぇ。

そしてあんなに石を拾っていた息子だが、理科の地学分野にはさっぱり興味がなく、テストは散々なのも不思議。

話がそれたが、そんな息子がきらきら光る宝石を見たいということで訪れた国立科学博物館の「宝石展」。


さすが科学博物館だけあって、「宝石」ってそもそも何なの?というところから詳しくひも解いてくれる。

詳しい説明はググったのでこちらから。

宝石はそのほとんどのものは、地球内部から産出された鉱物で、地球を構成する三層構造の地殻、マントル、核の中で、主に地殻で形成されています。最も有名な宝石であるダイヤモンドだけは、マントルで生まれています。

 宝石は、マグマの熱い熱気、非常に高い圧力、そしてその緩やかな冷却過程において育てられます。マグマは凝結したり、液体が蒸発したりする過程で、原子が規則正しく配列し、結晶へ成長し固体となります。宝石には、十分成長できる時間や空間が必要です。これは宝石が形成されるために、最も必要な条件とプロセスであります。宝石の結晶への成長環境としては、マグマの溶液、ガス、熱水、環境の変化による変成作用、表層水そして地球深部のマントルなどが上げられます。

 宝石は、主に地殻の岩石の中で結晶化されます。その岩石とは以下の3種類に分類されます。

 1. 火成岩 
地球深部のマグマが地下や地表で冷えて固まった岩石(深成岩と火成岩がある)

 2. 堆積岩 
地表に露出した岩石が物理的、化学的な風化作用を受けて破壊され、 河川の運搬によって下流に堆積され、生じた岩石(砕屑岩、石灰岩)

 3. 変成岩 
堆積岩がマグマに接触したり、熱や圧力を受けたりして、元の岩石組 織及び鉱物組織が変化し、再結晶化した岩石(ホルンフェルス、結晶片岩、片麻岩)

GTSV宝石の科学


要は宝石って、地球の内側で、いろんな化学反応が起きて、長年の月日をかけてできた石ってことね(雑)

またもや「地球すげぇ」ってことだ。

よく「ダイヤモンドの原石」なんて言い方があるが、ほんと原石ってただの石で、宝石は「磨いてナンボ」だ。

ダイヤモンドの原石はこれで、「ちょっときれいなただの石」だもんね。

これを掘り出して、削って、磨いて、あのキラキラしたジュエリーになるわけで、地球と人との合作ってことだ。

展示には、巨大なアメジストの塊も展示されている。地球の神秘だ。


鉱物なので、結晶自体が独特の形をしているものもある。ダイヤモンドはもともと正八面体が結晶らしいし、その鉱物によって結晶の形が違うらしい。

文系すぎて、化学式とかチンプンカンプンなのだが、要は結晶とは、化学式が整列しているからなるんだそうで、、、ああごめんなさい、分からない。

あとはこのサイトに詳しく書いてある。

宝石っていうと、金持ちの趣味だとか、芸術だとか、そっち系のイメージがあるが、石そのものに目を向けると、まるっきり科学分野、しかも配列とかいう話になると、数学まで入ってくる。バッチリ理系の話なんだなぁというのが分かった。

とにかく前半はしっかり、宝石は、地球のキセキなんだよという説明をされた後で、後半はジュエリーコレクションの世界。

ヴァン=クリフ&アーペルやショパールなど、高級宝飾店の協力を得た展示,
そして、アルビオン・アート・コレクションの古代から近代までのジュエリーコレクションにため息。

さらにわたしが知らなかった「ギメル」という日本のジュエリーブランドの展示がとにかく素敵だった。

日本の四季に合わせたジュエリーをデザインしているそうで、色遣いの繊細さがやはり日本人ならでは。

特にこの桜のブローチと、

夏のツタの葉のブローチはとてつもなく美しかった。

ヨーロッパの王政全盛期の金ぴかギラギラの宝飾品は、いくら本物でもやっぱり心を惹かれなかったが、宝石がなぜ人の心を奪うのか、その秘めたエネルギーを知ることができた。

あと、これはちょっと別の話になるけど、映像資料を見ていて気づいてしまったのだが、鉱物って結構アフリカとかに多いので、採掘は現地の人がやっているんだよね。結局、植民地支配とかも、鉱物とか天然資源がよくとれる地域が狙われる。

地球の資源は素晴らしいのだけれど、それに価値を見出されれば見出されるほど、そういう土地の奪い合いや搾取も起こっちゃうんだなぁ、というのもしんみり感じる。

キレイだね、だけでは済まないところが、自然であり、人間なのかもしれないなと思った。

毎回素晴らしい知識と感動を与えてくれる科学博物館の企画、今回も図録を買うつもりだったのだが、なんとまだできていないそうで予約受付中だった。

予約すれば4月上旬に配達してくれるそうなので、予約してきた。

息子は宝石は高くて買えないので、恐竜が活躍した時代「白亜紀」のものとみられる、虫入り琥珀を購入。

琥珀とは木の樹液が長い年月をかけて固まったもので、ときどき当時の虫まで一緒くたになっていることがある。なのでこの中に入っている虫は、まだ人間が世の中に登場していない時代の虫。そう考えるとロマンがあるよね。

息子はそっと琥珀を眺めながら「俺はいま白亜紀にいる」と満足気だ。

ふだん、あって当たり前だと思いがちで、ただの金持ちの趣味だと思っていた「宝石」は、実は地球が壮大な時間をかけてはぐくんだものなんだ、と思うと、また見方が変わる。

こうやって自分が知らなかったことを知ることで、ものの見方が変わるのがとても楽しい。

いくつになっても、新しいことを知るって楽しいなぁと思う今日この頃だ。

今日もお読みくださりありがとうございました!

【開催概要】

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」

2022年2月19日~6月19日まで
東京 国立科学博物館にて

公式サイトはこちら↓


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