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バカリズム脚本と豪華キャストが売りの「地獄の花園」がまったくの期待はずれだった件

久々にめちゃくちゃ薄っぺらくて大ハズレの映画を観た。
バカリズム脚本で話題の「地獄の花園」だ。


久々のオフDAY。
連日の仕事と、フラメンコで結構疲れていたのだが、なかなか時間が取れないのでエイっと行ってきた。が大失敗。


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(C)2021「地獄の花園」製作委員会

キャストは永野芽衣、広瀬アリス、菜々緒、小池栄子など超豪華キャスト。それはさておき、何よりもバカリズム脚本というのも気になったし、
ヤンキーOLが天下取る話っていうことで、大好きな「今日から俺は!」のようなヤンキー話の中にある友情だったり、切なさだったり、甘酸っぱい何かも織り込まれているのだろうと思っていたので、劇場に見に行くことにした。

連日の仕事とフラメンコの自主練やらレッスンでお疲れ気味の休日、二度寝しようか迷ったけど、なかなか時間が取れないので、頑張って観に行った。

初めにも言ったが、結論から言って大失敗だった。

あくまで個人的感想だが、
残念ながら、劇場で観るに値しないと思った。


特に中身がない映画だった。
中身がなくても、楽しい映画というのはあるのだが、「地獄の花園」に関していえば、別にストーリーも何もなく、ただひたすらヤンキーOLの派閥争いでケンカするだけ。以上。の話だ。


これだったら、アマゾンプライムで、ゴロゴロしながら暇なときにボケーっと見るくらいでちょうどよい。わたしのように余計な情報がない劇場という場所でじっくり映画を観たいタイプには、この映画にその貴重な自分時間とお金を使うにはもったいなさすぎた。


ネタバレも何もない。ただの派閥争いに終始しているだけなので
これをネタバレというかどうかも微妙だ。
最終的に誰が勝つか、みたいな話がかろうじてネタバレになるのだろうが、ただでさえ薄い内容のお楽しみをばらすのは申し訳ないので、ここには書かないでおく。


オバカ映画だというのは当然織り込み済で行ったので、突拍子もない設定なのは心の準備が出来てはいたが、それにしても設定の違和感がハンパなくて、入り込めなかった。

大爆笑!というレビューが多かったのだが、もう設定に違和感がありすぎるので、笑わせたい場所はわかるのだが、笑いが出ない。あれで爆笑できたは、どういう気持ちで爆笑できたのか、意見を聞いてみたい。

設定が大手企業のOL同士の派閥争い、という物語なのだが、わたしの中では、実際にある女同士のバチバチを、ヤンキーに見立てて派手に映像化しようというものなのだろうと思っていたのだが、そういった脳内妄想を映像化したわけではなく、この映画の設定では、本気のヤンキーがヤンキーファッションで、制服の上に特攻服を着て、汚い金髪に血まみれの格好でオフィスワークをしている。もうこの違和感が半端ない。

会社名が「ミツフジ」だったり、大きな社員食堂があったり、事務職に制服がある時点で、かなりお堅い職種の大手企業の設定だと思われるが、そんな会社が金髪のヤンキーファッションで、「天上天下」とか「極悪」とか書いた特攻服を着てる人を働かせるわけはないし、そもそも会社のエントランスで決闘とかありえない。

ありえない、を楽しみに行ったはずなのだが、異世界でも古代でもなく、変に現実味がある普通のオフィスビルだったりするので、その瞬間に興ざめ。

どうも、ナレーションからして、場所に関わらず暴れ散らかす漫画の世界を映像化したのだと思うが、そういう意味では完全に映像化に失敗している。漫画だったらマシだったかもしれない。

いくらフィクションと言っても、観客が物語に入り込める程度の設定は必要だ。「今日から俺は!」みたいなヤンキー映画は、ヤンキーがはびこる底辺高校が舞台だから、ありえないこともアリになる。

そして、このありえない設定に登場する女優たちが割とイケてる女優さんたちなのも、なんとももったいない。
 
永野芽衣、広瀬アリス、菜々緒、森三中の大島さん、小池栄子に遠藤憲一、そして脚本のバカリズムもところどころ出たりするし、ひとりひとりは名演技だし、コスプレも面白い。

広瀬アリスは相当頑張ってて、最初は「広瀬すずの姉妹でファミリービジネス感」があったアリスだが、いまでは広瀬すずよりも演技の幅も広いし、個人的には好きなだけに、本作の好演が、ただの「好演」で終わり、ストーリーとか作品の株をあげられているわけではないのがめちゃくちゃ残念。

ひとりひとりは素晴らしいのに作品がダメってのは、誰の力量が足りなかったのだろうか?と考えると、やはり脚本かな、、、と思ってしまう。

でもそれが「作品」と呼べるかどうか、というと、面白いシーンのツギハギ、という感じで、話の流れで笑う、ということができない。


「蜜蜂と遠雷」もそうだったが、この「地獄の花園」も、予告編の完成度が良さ過ぎて、期待をあおるだけ煽って、中身は「・・・え?」という側の作品だ。


予告編でも観て、アマゾンプライムやネットフリックスで解禁されるのを待つのをお勧めする。

まぁ、演じてる人たちは普段の自分ではなく弾けられて、楽しかっただろうな、という印象。菜々緒はスカッとJAPANの怖い上司をパワーアップした感じ。

バカリズムは面白いと思うけど、こういう長編ものを書くのはちょっと違うのかもしれない。残念だ。

そしてこのあと、あまりのつまらなさに耐えきれず、お口直しに見た映画「いのちの停車場」がまたハズレという「ハズレ沼」にはまるのだが、その話はまた次回。

今日もお読みいただきありがとうございました!

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