見出し画像

「ワリカン」の概念がない中2息子が理解不能すぎて腰を抜かした件

男子は宇宙人のように理解不能だ。

今回も、中2息子がやらかした。

息子は男の子にしてはおとなしいほうではあるが、とにかくマイペース。そんな息子を育てていると、想像のナナメ上をいく出来事がある。

中学生になったので、勉強や生活習慣など言いたいことはいろいろあれど、だいぶ日常の心配事は少なくなってきたのだが、先日息子が久々にぶっ飛んだ。

1.うぶな息子に粋な誘いが


インドアで友達付き合いも控えめな息子。新しい場所や知らないところに行くのが嫌いな上に、気を遣って他人に合わせるのが疲れるらしい。そんな息子が、数少ない仲良しに、一緒にボウリングに行かないかと誘われた。

普段から、誰かと出かけることがなく、中学生だし友達とのお出かけも経験してほしいと思っていたし、ママさんとも仲良しで、何かあっても連絡が取りあえる。これはお出かけのよい経験になるチャンスとばかりに、「えーめんどい」という息子に行け行けと押しまくり、友達同士でボウリングに行くことになった。

待ち合わせの日、息子は知らない場所が嫌いなので必ず行く前に不安になっていき渋る。行ってしまえば結構楽しんで帰ってくるのだが、行く前の不安感は毎度のことだ。

今回もわたしが強引に行かせやようなものなので、当然行き渋り、なんとかなだめて送り出した。

ボウリングのやり方を友達に教わって、ごはんを食べて、あとはショッピングセンターのフードコートで友達とゲームをする、という予定。いいじゃないの、学生っぽくて。

中学生男子3人なので、道中、多少のトラブルがあっても、それはそれで経験になると思い、いざとなったら携帯で連絡も取れるし、あえて手助けせずに3人で楽しんで来ればよいと思っていた。

ボウリングと交通費、食事代、ひとり5000円程度で行こうと話していたのだが、行きたくないと愚図ってもいたし、何かあったときのために多めに持たせて待ち合わせ場所へ行かせた。

うちは横浜市といえど、駅の周辺には小さなスーパーしかない、ザ・住宅街だ。ゲーセンみたいなものもないし、誘惑が少なくて良いのだが、何しろ息子はウブでビビり。横浜の繁華街に子どもだけで出かけて、やったこともないボウリングをするなんて、本人としては、かなり冒険だったのではないかと思う。

行ってしまえばきっと楽しめると思って送り出したが、やっぱり気になる動向。ママさんとも仲良しなので、今どうしてるか、など連絡を取り合いながら、楽しんでくれてたらいいなぁと願っていた。

夕方になっても帰宅の様子がないので、息子に電話をすると「もうちょっといる」とのこと。嫌な場所には1秒もいたくない息子なので、延長は楽しい証拠だ。これは良かったとばかりに少し甘めに待ち、解散は18時ごろ。

楽しかった様子でいい空気を出しながら帰ってきた。

良かった良かった。

2.ご機嫌で帰ってきてから、事件は発覚した

だが、問題はそこからだ。

多めに持たせたお金は、普段は締まり屋な旦那が渡したお金。


旦那も、友達とさっぱり出かけない息子に思うところがあったのか、やけにキップよく「これで遊んで、残ったお金は自分のものにしていい」と言ってポンと1万円渡したのだ。

物欲の激しい息子は、「なるべく使わないで、自分のお金を残す!」とか言いながら出かけて行ったので、ある程度は使ったとしても、手元にいくらか残っただろうと訪ねると、「もうない」という。

使わないでおこうと思っても、そりゃあ繁華街へ子どもだけで行ったら使っちゃうのは分かる。ただ、ボウリングと食事、そしてゲームやカードを買ったとしても、さすがに余るだろうという金額だ。

ある程度使ってくる予測はしていたが、スッカラカンになったことに驚いて、「いったい何に使ったのか?」と聞いたところ、自分の欲しいものやゲームで使ったのは4000円弱だという。

叱ると隠すので、基本わたしは叱らずに話を聞くようにしているし、そもそも申告の時点で4000円使ったと言っている。わたしに言えないようなヤバイものを買うというタイプでもないし、嘘をついているわけではない。

ボウリングは、ママ友が予約してくれていて、1人2500円程度だと聞いていた。昼は800円くらいのラーメンを食べたらしい。ボウリングに行く前に、5時間調整でお茶したのが500円くらい。朝からすべての行動をヒアリングして足し算しても、2000円くらいは残るはずだ。どう考えても計算が合わない。

3.真夜中の事情聴取で明かされた衝撃の事実。


なんだか気持ち悪いので、朝からお金の流れをヒアリング。わたしはすでに事情聴取モードだ。

朝から入ったお店、行動、すべてをヒアリング。まるで警察。

すると朝、ボウリングに行く前にお茶したらしい。そこでひとり500円くらいのドリンクを頼んだそうだ。お会計を別にすればいいのに、なぜか全員あわせてお会計。

その支払いを、なぜかうちの息子ともう一人が1000円ずつ出して、お釣りは相手の子が取って終わり。え。もう一人の子なんで払う気ないの?

てかなんでお前の飲んだ分よこせって言わないの??

次にボウリング。ゲーム代は予約したママ友にある程度予算を聞いていて、ひとり2500円程度のはず。

聞くと3人で7000円程度だった。それは合っている。

そこでなぜか、息子が全額払ったらしい。これまたなんで??

割り算の概念は小学3年生で習う。ちなみに息子は中学受験で1年間、算数を死ぬほどやった。計算はできるのだけどワリカンの概念がないので疑問にも思わないらしい。

朝1000円、ボウリングで7000円、そしてボウリング場にあったUFOキャッチャーに1000円使ったらしい。

その後みんなでラーメンを食べる予定だったらしいのだが、そこで初めて自分の財布の中に1000円しか残ってないことに気づいたそうだ。

慌ててあとの2人に「さすがにこれだとごはんも食べられないから、1000円ずつよこせ」と言ったらしい。なぜ1000円なのか、根拠はなく「なんとなく」らしい。ガックリ。

息子は1万円持っていた。もうひとりのAくんとBくんは6000円。その3人で相談して、なにをどう相談したのか「全員が同じ残金になるよう調節した」のだそうだ。

もう呆れて口があんぐりだ。「3で割る」というシンプルな発想が中2男子3人いてもまったく出てこないのが不思議だ。

おかげで多めに持って行ったわが子はなんの疑問もなく平等に残金4000円ずつ持つことに同意し、その後ラーメンを食べて1000円、ゲーセンで1000円使ってスッカラカンになった。バカなの?

ちなみに決してカツアゲされたとかではない。ひとりはママも仲良く、子どもとの関係も知っている。もう一人はその友達の友達なので、よくわからないが、とりあえずそういうことをされる関係ではない。

要は3人とも、ワリカンという発想が出ない、残念な脳みその持ち主だったのだ。

今まで友達と出かけても、マックやフードコートに行くなど「自分の分は自分で払う」ベースだった。

だったらみんなで使ったら頭数で割る、も思いつきそうなものだが、それが分からなかったらしい。

そしてお金は「あるから払う」という感じで、自分の使った分、他人の使った分の境目がわからないようだ。お金の大切さは教えてきたつもりだが、響いてなかったらしい。ショック。

4.何度聞いても理解できない息子の思考回路


もうすでに深夜だったが、これはきっちり教えないといけない。と、「ワリカンとは何か?」の説明をした。

まず喫茶店。なぜ自分と友人ひとりが、3人分を払ったのか?と聞くと、「持ってたから」という。

それは、君がその友達に「ごちそうした」ことになるんだけど、理解できる?と聞くと「・・・・そういわれてみれば」というぼんやりした反応。泣ける。

さらにボウリング。3人でゲームした分を、なぜ君がひとりで払うの?と聞いたら「持ってたから」と同じ回答。まあ、そうだよね。

けど、どうして君が他人の分まで支払っているのか疑問に思わなかったの?と聞いたら、「はじめてのお出かけでテンパっててわからなかった」という。世も末だ。

残金があっという間に1000円になってから、そこで使った分を3人で割るのではなく、とりあえず1000円ずつもらうという意味不明な行動とか、それについて何の疑問も持たないところとか、もうどこから突っ込んで良いか分からない。

さらに最後に「全員の残金が平等になるようにする」という発想も、おまえは社会主義者か?と聞きたくなるような発想で、その「平等」という発想が出せるなら、「平等にワリカンする」という考えも出てきそうなのだが、なぜでなかったのか。

そこは平等じゃなくていいってば。

なぜ残金を平等にする発想になったのかが、一番の謎だったのだが、わたしがそれを聞くと

「だって同じ分だけ払ったら俺だけ残金が多くなっちゃうじゃん?」という。

最初に持ってきたお金が違うのだから、同じだけ使ったら残金が違うのは当たり前なのに、全員の残金が4000円になるように調整した、という意味が何度聞いてもわからない。お前は社会主義者か。

「それぞれの持ち金がいくらだろうが、自分たちが使った分を等分にして払ってたら、少なく持ってきた人は残高が少なくなるし、多く持ってきた人は残高が多いのは当たり前でしょ?」

っていうのが話しても「うーん、そういわれてみれば」とぼんやりした反応。泣ける。

5.ワリカンの概念を説明する


とにかく今後が大事ということで、「ワリカン」というものの存在と、その概念を説明した。

こんなの、説明しなくちゃわかんないのかなぁと思いながらも、わが子はワリカンという発想さえないのだから、現実を受け止めて教えるしかない。泣ける。

何度も何度も、

ワリカンは「使った分を人数で割って払う」
=自分の使った分は自分で払う

という、根本的なことを手を変え品を変えこんこんと伝えた。

そして、それぞれが持ってきた金額や残金は関係ない、と口を酸っぱくして伝えた。
 
こんなのって、教えなくちゃわからないことなのか?と目を白目にしながら、しかし大事なことだから必死に。

学生で親の小遣いで遊びに行く以上の前提として

「自分の分は自分で、他人の分は他人が払う」
「誰かが立て替えたら、頭数で割って精算する」

というところだけは分かってほしい。

できるだけ別会計にして、ワリカンの必要性をなくすこと。もしまとめて払う必要があったら、その場で精算すること。

本当は、誰かが多めに頼んでみんなで会計するときの「傾斜配分ワリカン」についても説明したかったが、きっとハードルが高すぎて理解できないだろうとこらえた。

今度どこかにお出かけする前には「ワリカンマニュアル」を作り、実際の想定パターンでワリカンレッスンをするしかないだろう。

世の中の男子で、こんな子いるのだろうか。
ふだんは息子のマイペースさをかなりの度量で受け止めているつもりだが、さすがににわかに不安を覚えた。

とにかく男子はびっくりすることしか起こらない。
ていうかうちの子がずば抜けている気もする。

似たような子がいれば、そしてその子が無事成長しているよ、という方はぜひ激励コメントをお願いしたい。

マイペース息子のマイペースさを受け止めて日々育児を頑張っているが、さすがにびっくり仰天してどうしたものかと思っている。

息子が無事に大人になって社会でやっていけるようにサポートし続けるつもりだし、いつもそれを考えて過ごしている。

しかしこの調子だと、わたしが先に力尽きて早死にしてしまいそうだ。こんなに手がかかるということは、きっと大きな花が咲くのだろうと思いながら、愛する息子を全力で育てる毎日。のびのび、そしてまともに育て、息子よ。

今日もお読みくださりありがとうございました!

この記事が参加している募集

育児日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?