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無理して若作りしなくても、年相応に老いれば良いんじゃないかと思う件

わたしは「アンチエイジング」という言葉があまり好きではない。

「老いる」という、ごく自然なことに、ものすごく抵抗して頑張っている、いや、踏ん張っているニュアンスを含んでいるように感じるからだ。

で、その極み、みたいな広告がある。

ネットを見る人は、誰しも一度は観たことがあるのではないかと思われる、この広告。

いや、40代にリーチする広告だから、若い人には出ないかな。

サントリー、セサミンの広告だ。

とにかく、ビキビキに美肌加工された写真を並べて、ひとりだけ40代を当てよう!!という広告。

20代、30代の女性に混ざっても、分からないくらい若々しい40代は、実はセサミンを飲んでます!!!

というオチがつく広告ね。

で、一定期間でこの写真の女性が変わったりするんだけど、
ごめん、毎回わたし、この中のたったひとりの40代が当たってる。

ターゲティング広告で、検索しても出てこないのでいちおう答えを書いておくと、Dの方が47歳。

わたしが48歳なので、めちゃくちゃキレイだと思う。47歳にしては。スタイルも良いし、お肌のケアも欠かさないだろうし、おそらくモデル事務所とかに所属しているのだろうし、そりゃあキレイだ。

いくらスタイルをキープしても、いくらアンチエイジングしても、やっぱ40代は40代なわけで。

もうね、顔のラインとか、首のあたりのくぼみとか、いくら写真でつやつやにしてもそのあたりの年季みたいなものは隠せないわけ。

で、そりゃ確かに若い頃って、肌もつやつや、顔のラインだって手入れしなくたって張りがある。そりゃあ良かったよ、と思う。

だからといって、自然に抗って、それを20代とか30代に見せようと頑張るコンセプト自体がどうなのかな?と毎回思うのだ。

昔、有吉弘行が、
「30代に見える50代より、50代に見える30代のほうがいいだろ」と言っていて、確かにそうだよなと思ったが、50代なのに30代に見せようとしてどうするのだろう、というのが個人的な見解だ。

そのまま老けっぱなしでいればいいと言ってるわけではない。肌や髪を手入れする、ボディラインを保つなど、自分に手をかけることは素晴らしいことだと思う。

わたしだって、若々しくいたいし、20代の子が着るようなカジュアルな服も着るし、いつまでもオシャレを楽しみたい。白髪だって嫌だから白髪染めは毎月欠かさない。


だけど、年相応に年齢を重ねるのもまた美しいよな、と思うのだ。たるんだ腹は確かにどうにかしたいけど、自分なりにこうなりたい、という理想に向けて頑張るのは楽しいが、「年を取るのが怖い」という強迫観念みたいなものから逃げるようにアンチエイジングに走っている人を見ると、老いることは、悪いこと。という価値観をそこに感じてしまうのだ。

そこらへんは完全に「ニュアンス」の問題なので、なかなか線引きできるものではないし、あくまで個人の感想です。

そしてここに登場しているモデルさんは、純粋に仕事として登場しているだけなので、何の罪もなく、ひたすら美しいと思います。

ただ、歳をとる、ということを絶賛経験中のわたしが思うこと。

とりあえずわたし個人は、20代、30代の「若さ」を通り過ぎて、もうすぐ50に差し掛かる、「老い真っ最中」。その老いに直面し、そして若々しく、すべてが瑞々しい息子と並ぶと「老けたよなぁ」と思う。

けれど、見た目や身体機能の衰えはあれど、人間的にはいろいろなことを経験して成長したかなと思うし、精神的にも手放せることが増えて、いろいろ軽くなっている。なにかを失えば、なにかが手に入るんだな、と思う。

その過程でいろいろあったし、だから若い頃をもう一度やり直したいとか、若いころに戻りたいとか、わたしは思わない。だからといって、シワシワのババアに好んでなりたいわけじゃないけど、その年齢相応の楽しみって木っとあると思うから、人生という列車で、年齢ごとに移り変わる景色を楽しめたらいいなぁと思っている今日この頃だ。

って、いろいろ書いちゃったので、いちおうサントリーセサミンのホームページへのリンクを貼っておく。

今回取り上げた「ひとりだけ年寄り」な広告は、おそらくターゲティング広告なので、探しても見つからなかったのであしからず。

今日もお読みくださりありがとうございました!

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