見出し画像

ユニバは「夢の国」ではなく「現実世界」だった。アラフィフ主婦による、ぶっちゃけUSJガイド

息子とUSJ(ユニバ)に行ってきた。これで2回目の訪問だ。

「ユニバ」は大阪にあるため、関東から行くのはハードル高め。近くにディズニーランドという王国があるので、わざわざ行く必要もないかなと思っていた。

しかし、息子がジュラシックパークやジョーズ、スパイダーマンなど、アメリカンでワイルドなものがめっぽう好き。

ジョーズの横顔

性格的にインドアで、知らない場所が苦手な息子が自ら「行きたい」というのは珍しいので、ぜひ連れて行ってあげようと思って行くことにした。

どうせ行くならハリウッドのユニバーサルスタジオに行きたいと前々から思っていたのだが、コロナ禍でそれも難しく、どんなもんだか日本のユニバに行ってみましょう、という感じだった。

テーマパークなので、ディズニーランドの亜種みたいなイメージだったのだが、実際に行ってみると、「なんじゃこりゃ!?」という独特の世界観が形成されていた。大阪という土地も影響してか、なんとも不思議な文化圏だった。

そんな摩訶不思議なユニバーサルスタジオジャパンを、アラフィフ主婦独自の視点で、この「ユニバ」を紹介していこうと思う。

1.ディズニーランドは「夢の世界」、ユニバは「現実世界」


テーマパークというと、まずは王者「ディズニーランド」と比較したくなるだろう。

最初に行っておきたいのは、「ユニバ」はディズニーランドとは全く異なる世界観にある

ディズニーランドが、夢の世界を完璧に実現させようとしているのに対し、ユニバは「全くその気はありません」な現実世界。

1-1.パークの外も、エリア間も「丸見え」


ディズニーランドといえば、パーク内の別エリア同士は見えないようになっているし、外の景色もできるだけ見えないように工夫されていることで有名だ。

だがユニバは違う。パーク外に目を向ければ阪神高速が丸見えだし、天保山の観覧車も見える。そびえたついくつもの提携ホテルもパーク内から望める。「それが何か?」なレベルで堂々と。


後ろにホテル見えてますね。

ついでに、エリア間どうしもお互いにまる見え。

2年ほど前にオープンした「スーパーニンテンドーワールド」は、思いっきりゲームのドット絵な世界観。原色マリオが炸裂しているのだが、そこから隣のハリー・ポッターのホグワーツ城が見えちゃう。うん、ここは遊園地。現実だね。

ニューヨークが舞台の「スパイダーマン」エリアも、数十メートル歩いて気づけばハリウッドにいる。ニューヨークとハリウッドとサンフランシスコが混ざってて、どれがどれだか。

1-2.とにかくキャストが話しかけてくる


ユニバーサルスタジオは大阪以外行ったことがないので、これが大阪のせいなのか、ユニバーサルスタジオのせいなのか分からないが、とにかくキャストが話しかけてくる。

ユニバで売ってるかぶりものは、ディズニーのように「可愛い」というよりは「ごつい」「目立つ」ものが多くて、息子が好きなサメや恐竜系のかぶりものはほとんど「かぶると頭をかじられる仕様」になっている。

そのかぶりものをしていると、通りすがりのキャストが口々に「うわー、かじられちゃってますね、ガブガブ♪」と話しかけてくる。

こういう、グイグイ来る系のテーマパークって初めてよ。

1-3.効率よりもコミュニケーション

この、キャストがとにかく話しかけてくる現象は、パーク全体に言えることで、効率よりもコミュニケーション重視なのかな?と思う。

スーパーニンテンドーワールドに入場整理券を取って入るとき、割と列ができていて並ぶなぁと思っていたら、自分の入場のときになって理由が分かった。わざわざ一組ずつに、「さあ、ニンテンドーワールドに入ります。一緒にヒアウィゴー!と叫びましょう!」と声をかけて、唱和することになっていた。

まあ、ノリも大事ね、とやったけど、長蛇の列に見かねたのか、私たちを案内したスタッフに、別のスタッフが歩み寄り「ヒアウィゴーストップでお願いします」と指示を出した。

わたしの後の人から、ヒアウィゴー!の唱和がなくなった。

うん、それ、並んでまでやることじゃないと思う。早く入りたいしね。
指示丸聞こえなところが、またユニバらしい。

1-4.お土産屋さんのレジもめっちゃ話しかけてくる


ところ変わってお土産屋さん。夜の帰り際、お土産屋さんのレジが長蛇の列。

全然進まないなぁと思っていたら、長蛇の列に関係なく、レジのスタッフがにこやかに「その服お似合いですね」とか「今日は楽しめましたか?」と聞きながらルンルンでレジを打っている。

レジ打ちをやっている身としては、その動作はかなり遅い。話ながらでも素早くレジを打って商品を差し出すことはできるが、そんな気もない感じ。そこは「夢の国」なんかい!と突っ込みたくなるゆるさ。

ワゴンのお店でも、ディズニーランドは手早く慣れた手つきで商品を提供するけれど、ユニバはすべてゆっくりなので、思った以上に待つのよ。

楽しいのは嬉しいんだけど、混んで来たら早めるとか、調整してほしいなぁ。(待つのが何より嫌い)

1-5.ユニバ周辺のコンビニの人まで話しかけてくる


この「レジで話しかけてくる文化」が、ユニバの風習なのか、大阪の風習なのかわからないが、ユニバ周辺のコンビニでも、レジで必ず何か話しかけられる。

朝は「これからユニバですか?」帰りは「ユニバどうでしたか?」傘を買えば「雨強いですか?」と、確実に。

ただコンビニは、普通のローソンとかセブンイレブンなわけで、ユニバの教育をされているわけではない。だからユニバの人が周辺のコンビニに協力をお願いしているのか、それともなんとなくそうしているのかは謎。

でも、話しかけられることが嫌いではないので、まあ楽しい。(混んでなければ)


2.ワイルド感がハンパない世界


各エリアの丸見え感とか、あんま気にしないで行きましょう~なユニバなのだが、その他の部分もかなりワイルド。これ、絶対ディズニーならありえないでしょ。ということがたくさん。そのうちのいくつかを挙げてみる。

2-1.待ち時間がおもっくそいい加減

ディズニーの待ち時間の長さもさることながら、ユニバもなかなかの待ち時間がはじき出されることがある。

だけど、その待ち時間がなかなかいい加減なことにビックリした。

待つのが大嫌いなわたしは、当然何もない平日に行くのだが、それでも人気アトラクションは2時間待ちなんて当たり前。2時間も並ぶなら乗らなくていいやと思ってしまうので、基本、20分~40分で乗れるアトラクションばかり乗っている。

けれど今回は、前回乗っていなかったニンテンドーワールドのマリオカートと、ハリポタは乗りたいと思っていたので、この二つは多少長めでも並ぼうと思っていた。

最初、マリオカートが100分待ちだったので、息子が尻込みしてヨッシーワールドに行こうというので40分待ちのヨッシーに並んだ。すると、40分どことか、ものの5分で乗れてしまった。なにこれ。

これに味をしめて、マリオカートが80分になっていたのをいいことに、おそらくもっと早く乗れるだろうと並んでみたら、こっちはきっちりならばされて、1時間はビッチリ並ぶ羽目になった。なんだよぉ。

その後、ハリポタはわたしも息子も乗り物酔いをするので、乗ろうか迷いつつ、まあ45分待ちだから、並びながら考えようと列に並んだら、あっと言う間に荷物をコインロッカーに入れさせられ、あっと言う間に乗り物の前まで行かされ、気づいたら乗っていた。

ちなみにハリーポッターのアトラクションは、最初にすべての荷物をコインロッカーに入れされされるのだが、あの有無を言わせず身ぐるみはがれる感じ、ちょっとアウシュビッツのシャワー室に行かされる感じで怖い。(たとえが悪くてすみません)

そんな感じで、アトラクションの待ち時間があんまりあてにならないというのも、ユニバの特徴かもしれない。ディズニーでも多少の誤差はあれど、ここまで違うって経験なかったと思う。

でも、意外に早く乗れるって、超ラッキー感が強くて、クセになるんだけどね。

2-2.水のかぶり具合が本気


ユニバはときどき本気を出す。特に「水」分野に関しては容赦ない。はじめて行ったとき、息子が大好きなジュラシック・パークのライドに乗ったのだが、ライド内にレインコートが売っていて、濡れたくないから一応買って、着て乗ったのだが、それでもずぶぬれになった。


乗った場所が一番前、というのもあるが、水をかぶるタイミングが想定外。

ライドが急降下しているときに水しぶきがかかると予想するが、そうではなくて本当の地獄はライドが急降下し終わった直後。猛スピードのライドが急降下して、ピタっと止まった後。

「ん?」と思うと、前からザザザと壁みたいな波がやってきて、顔面にぶち当たる。息子のメガネは吹っ飛んだ。レインコートのフードは、風圧で吹っ飛び、その後の水で頭全部びっちりずぶぬれ。わたしの化粧は、水圧で半分吹っ飛んで、ヤバイ顔になった。

ライドが止まって「ふぅ」と思った瞬間に前から迫ってきた水の壁がめちゃくちゃ恐怖だった。津波ってこういうことなんだね。という原理が分かる(また例えが悪くてすいません)

一番ひどいのはこのジュラシックパークだと思うが、それ以外でもスタントが楽しい「ウォーターワールド」のシアターでも、「水濡れエリア」で観覧すると、水しぶきがかかる、レベルじゃない水を浴びることになる。以前行ったときには、水濡れエリアにいたお客さんに、アクターの人がバケツで水をぶっかけていた。毒入りカレーの林ますみみたいな、勢いのよい水のかけかた。(どうしても例えが悪くなる)

ジョーズは、ギリ大丈夫なレベルだが、それでも端の席だと思ったよりびっちょりになる。

特にジュラシックパークのライドは、真冬にレインコートを着ずに乗ったら、確実に風邪を引くレベルの濡れ方なので、気を付けて。

高校生や大学生は、ずぶぬれになってテンション上がっていたが、わたしたち親子はただでさえ雨の日に、さらにずぶぬれになる元気がなく、今回は見送り。寒かったし。

アメリカのユニバーサルも結構ずぶぬれになるらしいけど、やっぱここは日本だし、ある程度抑えたほうがライドの人気が出るんじゃないかな、と思う。

3.そもそも異種格闘技的なカオスな世界観


まあ、あれこれ言っても、そもそもユニバって「統一感」が全然ないので、そのカオス感を楽しめるかどうかで好き嫌いが分かれる気がする。

だって、スパイダーマンとミニオン、スヌーピーにジョーズ、コラボでコナンとか呪術廻戦、シャーロックホームズにバイオハザード、と、もう何が何だか、なんでもありな世界。

そこにハロウィンになると、えらく怖いゾンビが追いかけまわしてくるという、めちゃくちゃカオスな世界観なのだ。

マリオの世界から、ハリポタのホグワーツ城が見えるとか、「いいのいいの、そんなこと!」と流せる人とか、そのカオス感が気にならない、またはあえて好き。という人は、きっとユニバにハマるだろう。


4.ぶっちゃけ、ファミリー層より、若者向け


ユニバの客層は、ディズニーとかなり違う。とにかく高校生、大学生、ぱっと見20代の若者が中心。

その理由はライドがアクション系で酔いやすく怖いものが大半であることとか、ジョーズだの、恐竜だの、かわいさゼロのアトラクションとか、容赦なく水ぶっかけてくるアトラクションとか(子どもだったら吹っ飛ぶと思う)、マジでホラーメイクしたゾンビが本気で追いかけてくるとか、ニンテンドーワールドからホグワーツ城が見えるとか(しつこい)、いろいろな面で、小さな子供には向いていないと思う。あくまで個人の感想です。

ミニオンワールドとか、スヌーピーの乗り物とか、いちおう小さい子向けのものはあるけれど、漂う空気があんまり子ども向けじゃない気がする。ミニオンのライドは乗ってないけれど、酔うライドが多いユニバの中でも1,2位を争う酔いやすさらしいし。

あと、売ってるかぶりものとかが、ガチすぎて子ども向けじゃない気がする。子ども用の何か。というのもあんまり見かけないし。

やっぱ10代~20代の若者やカップルがウェイウェイいいながらお揃いでコスプレしているイメージが大きい。

5.そんな個性的なユニバだけど、わたしは好きだ


5-1.2回目でわかる「雑」な良さ

実は1回目に行ったとき正直、「もう来なくていいや」と思った。

なので2回目はないと思っていたが、息子はメジャー嫌いで逆張りの性格と、ビビリのくせに恐竜やサメなど怖い系、スパイダーマンのようなアクション系などが小さいころから大好きで、ぜひ行きたいというので付き添いで連れてきた。という感じだった。

けれど2回目に来てみたら、意外とその「雑さ」が心地よいことに気づいた。

最初は、隣のエリアが丸見えな作りに、安っぽさや薄っぺらさを感じていたけれど、息子は中学生で現実を分かっているし、わたしも大人。完璧な夢の世界なんか、ないって知っている。

逆にディズニーランドの隙のなさに、居心地の悪さを感じる瞬間があったことにも気づいたりして、そもそも私たちの日常だって、こうやって異種格闘技的にカオスだ。わが家のリビングでは、旦那がテレビドラマの録画を見まくって、息子はオンラインゲームで騒いで、わたしはこうやってブログを書いている。統一感ゼロの世界線だが、別に居心地は悪くない。

「テーマパークは統一されていなければならない」という概念をおもっくそ無視したユニバに開眼させられちゃった感じ?

居心地という意味では、こちらのほうがいいかも。

5-2.狭いのでパーク内の移動がめちゃくちゃラク


それと、隣のエリアが見えるということは、すなわち「パーク内が狭い」ということで、それは「移動がめちゃくちゃラク」ということだ。

アラフィフの歩くの大嫌いなわたしと、中3の伸び盛りのくせに体力がなさすぎる息子には、このくらいの広さがちょうどよい。

ディズニーランドは敷地が広すぎて、もう一度あのエリアに行きたいけれど、もう足が動かないレベルに疲れていて断念、とか結構あるのだが、ユニバにはそれがない。

もう一回ジュラシックパークに、とかもう一回ハリポタに、とか、そういう移動がヒョイヒョイ気軽にできるのは、めちゃくちゃラクチンだ。

なんだかんだこういう理由で「好き」ってのもあるかも。

5-4.大阪市内からのアクセスがめちゃくちゃ良い


パークの歩きやすさの話をして思い出したが、ディズニーランドともうひとつ大きく違うのは、「大阪中心部からのアクセスの良さ」だ。

わたしたちは関東からわざわざ新幹線に乗っていったが、新大阪駅から電車で移動しても、乗り換えを含めても30分かかるかどうか。実質の乗車時間は15分くらい。大阪市内に住んでいたら、夕方からでも友達と気軽に行けちゃうので、客層も高校生や大学生が多いのかなぁと思う。

ディズニーランドは「東京」といっても千葉の結構辺鄙な場所にある。東京駅からは1本で行けるけれど、正直、ある程度気合を入れないと行けない場所。そのあたりも大きな違いかな。


5-5.結論。あれこれ包容力がありそうなユニバが好き


ここまで、頼まれてもいないのにディズニーランドと比較して、あれこれ書き散らかしたが、きっとユニバの人がこれを読んでも、「あはは、そうですよね」と笑って許してくれそうな気がする。そんなザックリ感が好きだ。

大阪という場所の空気感もあるせいか、そういう懐の広さがありそうな気がして、そこも好きだ。(とかいって怒られるかもしれないけれど)

いちアラフィフ主婦のごくごく個人的で正直な感想だけど、もしこれで興味がわいた人がいたら、ぜひ訪れてみてもらいたい。

次回は、乗ったアトラクションについてもレビューしてみようと思う。

※息子とユニバに行った数日後に、パーク周辺で人骨が見つかったという物騒なニュースが流れてなんだかソワソワするが、ユニバは通常通り営業しているようだ。早い真相解明を祈ります。

今日もお読みくださりありがとうございました!

「心に響く」文章で思いを届けます!
塩辛いか乃の提供メニュー・お仕事ご依頼はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?