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乳がん手術から、まる5年経って思うこと。

乳がんが見つかり、右胸全摘手術をしてから、まる5年経った。

今日は、5年目の区切りとして行った、造影剤CT検査、もう片方のマンモグラフィ、エコーの検査結果を聞きに病院へ。

普段はすっかり「フツーの人」として生活しているけれど、いざ検査となると結果を聞くまでの2週間、モヤモヤと緊張する。

寝つきも悪くなる。

治療終了後からずっと、3か月に一回血液検査をして、腫瘍マーカーも見ているので、そう簡単に転移は起こさないと思うけどやっぱり検査結果は怖い。

しかもわたしにとって「5年目」というのは結構大事な年で、わたしがかかった「トリプルネガティブ」というタイプの乳がんは、罹患後5年までに再発率が高いという特徴があったのだ。

だから先生も、「乳がんの中でも再発率が高いがんなので、5年までは慎重に見ましょう」と最初から言っていた。

だから「5年クリア」は数字のデータ上は安心材料になる。いわゆる「節目」だ。

だからこそ検査結果は緊張する。今回は5年目ということで、乳がんからの転移も多い脳や肺、肝臓なども念入りに検査してもらった。念入りに検査するということは、見つかる可能性も高いということだ。

そもそも乳がんの始まりは、自分で乳房にしこりを見つけて、とりあえず安心のために見てもらおうとその日のうちに検査結果が出るクリニックに行ったのだが、その場でいきなり「90%悪性腫瘍です」と言われたところからのスタートなわけで。

何もないだろうと思っていても、何かあるときはある。というのを痛感したので、検査結果を待つ期間はとてもドンヨリする。

今日もどんよりしながら病院へ。きっと何もないと思いつつも、やっぱりドンヨリ。

診察室に呼ばれると、先生が見ている画面に目が行く。ちらりと見た画面の電子カルテに「異常所見なし」の文字。よし、大丈夫そう。

先生の話でも「異常なし」とのこと。

脳、臓器、骨。「ガンがあるかどうか」についてのみフォーカスしているので、その他の疾患については別の人間ドックでやってくださいとのことだが、「ガンの所見」についてはこれだけ見ておけば問題ないでしょうとのこと。

ちなみに生命保険も、がん罹患後、5年経つと入れるものが増える。やはり、大きな病気をして、治療した、というひとつの区切りが「5年」なのだろう。

執刀医の先生は優しくて、イケメンで、優しい。
その先生も途中、イギリスに勉強に行ったりと変化があって、その後また戻ってきて、また担当医になってくれて。

5年て結構長いなぁと思った。

息子も当時小3で、今は中2。子どもの成長も著しい。
ほんとにいろいろあったなぁ。としみじみする。

嬉しくなって、昼は築地で海鮮丼を食べた。ひとり祝い。

思い返せばこの5年、いろいろあった。

がんにショックを受けたものの、気合を入れて治療に励んだ。手術までは切るだけだし、久々に家を離れてのんびりできるしで、ナチュラルハイで威勢よく行ったが、半年の抗がん剤治療を始めたあたりから、家庭内でトラブルが起きた。

抗がん剤で一気に生理が止まったので、ホルモンが乱降下したこともあると思うし、その家庭内トラブルがわたしのメンタルの低下のせいか、そういう時期だったか分からない。

とにかく家庭内の空気が最悪で、わたしのメンタルも最悪で、消えたいと思う時期があった。変なスピリチュアルにすがった時期もあった。

息子の中学受験をさせるかも悩みに悩んだ。
いい塾が見つからなくて探し回って、
勉強嫌いの息子が耐えられるか思い悩んで
結局、とてもいい塾にお世話になり、満足いく結果を得ることができた。

そんなこんなでかなりゴタゴタした5年だった。

思い返せば、結婚してから表に出し切れていなかった問題、そして、わたしが息苦しくてたまらなかった状態を、この際すべてバーンと出してぶち壊す!自分で自分を縛っていたことから解放されたい!と時期だったのかなと思う。

結婚してから、「本来の自分」と、「こうでなくてはならない自分」、そして「思い描いていた結婚生活」と現実の乖離に悩んでストレスがとんでもなかった。

積もりに積もったものをクリアにする良い機会だったのかもしれないが、長年積もったことをクリアにするのは本当に大変だったし、結局まる5年かけて、やっと居心地のよい空間を手に入れたという感じだ。

だからきっと、わたしの乳がんはストレスからなのだろうと思うし、ストレスが病気を作るのだな、と体感した経験だった。

大きな病気をするときは、何かが間違っているサインというが、本当にそうだな。というのが実感。

自分の思い通りにするために、他人をコントロールしようとして苦しくなって、自分は自分で、自分らしくない自分になろうと苦しくなって。そういう生き方から卒業できたかなと思う。


ということで、夜はおひとりさま軽く飲み。

ピンクの大吟醸酒。
利き酒セット。

横浜駅の地下で、イートインかと思ったら、レアな日本酒を扱う洒落た一杯飲み屋があって、そこでまったり。自分の中での5周年を祝った。

今年で49歳。いよいよ折り返し。
人生100年時代、今後の生き方もじっくり考えたいなぁと思う。

乳がんも乗り越えてひと段落。
これから、もっともっと楽しめる人生を追い求めていこうと思う。

今日もお読みくださりありがとうございました!


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