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140字小説集

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140字小説を新旧問わず置いておきます
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#140字小説

娘へ 140字小説

夢を追う娘にどんな言葉を掛けよう。

叶えるにはいくつか困難がある。

時間もお金もかかる、女性は結婚し子供を産む、その壁が一番高いだろう。

わたしも同じ女としてその壁を乗り越えられなかった。

明日娘を送り出す日。

潔癖な私だが娘とお風呂に入る。
あなたが赤ん坊の頃以来ね、とても切なくなった。‬

晩御飯

晩御飯

空は次第に夜の色。
仕事が終わりネクタイを緩めて椅子に座る。
炊き立てのご飯に湯煎したレトルトの親子丼の具を乗せる。

その前にビールを手酌する。
ごくごくごくと喉を通り、プハーっとアルコール混じりの息が出てドスの効いたゲップ音が出る。

頬は赤く咲く花のように染まった。

一人暮らしも悪くない。

流行りの香水 140字小説

流行りの香水 140字小説

押収した楽園というドラッグ。見た目は香水。

ラブホにて遺体で見つかった女子高生の親。
「娘はそんなの使わない!」
いつまでも純粋であるわけがない、そんな迷信めいたこと信じるのか。

現場検証後、家に帰ると妻が他の男と抱き合ってた。足元には見たことのある香水ボトル。

神様なんてどこにもいない。