見出し画像

みずからの無知を知ること

本を作りたいと思う。
いままでは版元さんに出版していただくことを想像していたのだけど、自分の手で本を編み、展示や委託、イベントなどで頒布するという方法がにわかに色づいてきた。

いままで、わたしひとりの力ですべてを行うことを自らに科してきました。それはわたしがひとを信じられなかったり、ひととやりとりする中で自分の意見を主張し、また、その中で生じるコンフリクトを解消できないと思っていなかったからだと、いま振り返ると思います。

けれど、今年、たくさんの出会いを通じて、いま、志を同じくするひとと手を携えてなにかを作っていくことへの大きな可能性を感じています。それはかたく閉じていた扉をすこし開け、ひとの手に触れることができるようになったからだと思うのです。

扉のあいた隙間からは、すがすがしく凛と澄んだ冬の空気が流れ込んでいます。にぎやかな声が聞こえてきますが、それはわたしの心をざわつかせるものではなく、太陽のように心を熱くし、奮い立たせる声です。
みんなに会いたかった、と思います。みんな、ってなんだろう、と思うかもしれません。でも、「みんな」なんです。みぞおちのあたり、そう、そこにある心を熱くするのは、いつも理由のわからないことばかりです。

総括にはまだ早いのですが、今年は忘れていた自分の使命を取り戻すような1年でした。自分の置かれている環境に、時代に、思うところはたくさんあります。また、ひとのことを知らず、その無知さゆえに、相手を慮っているつもりがそれができていない自分に愕然とすることもあります。

けれど、それでも、自分の無知を受け入れ、疲弊した資本主義の中でなんとか生きながらも、自分のできることを使って、お金で計ることのできないものを作っていきたいとつよく思います。みずからの人生の舵をこの手にとり、愛を忘れることなく、自分が価値があると信じるものを掲げ、信じ続けて、生きて、死にたいのです。それが自分の、自分らしい戦い方だと思うのです。

これから先、みなさんのお力をお借りすることもあると思います。そのときは、どうぞそのお力を貸してください。

いまを生きているわたしたちにはきっと、生きていてよかったねと言い合える未来のために、ともになにかできることがまだあるはずです。

いつもお読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは、これからの作品作りに使いたいと思います。