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光と影、うつくしさと醜さ

苦しみぬいて描いた案件を納品した。いろいろなことが重なって心が倦んでしまって、すこしでも心が動くだけで鋭く痛んだ。紙を切り出しながら、はらはら涙が出る。熱くなった心を冷ますために、熱い湯が外へ流れているんだと思った。

柘榴の木、クロッカス、バイモ、ゴールデンツリー、バラ、季節とともにめぐる植物と、ともに暮らしているひとや動物、そしてわたしたちの遠い記憶の物語を描いた。光と影、うつくしさと醜さ、どちらも含んでいる命。

自分の作品がひとにどう届くかはいつもわからない。けれど、自分にはまっすぐ届いている。それを次につなげていくしかない。

ベランダで育てているワイルドストロベリーに初めての花が咲いた。昨日の雨のなか準備していたのだろう。そんなふうに植物と自分を勝手に重ねて自分をなぐさめているだけなのかもしれないけれど、それでわたしが植物を大切にできるのなら、植物にとってもわるい話ではないだろう。今日は気温が高いせいか、空気が甘くてびっくりする。アプリコットのジャムみたいだ。


いつもお読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは、これからの作品作りに使いたいと思います。