帝国ホテルのおもてなし
こんにちは、昨日テレビを見ていたら「帝国ホテル」のおもてなしやコロナ禍の危機を脱出したエピソードが放送されていました。
帝国ホテルって、一流のホテルってイメージがありますよね。
私は残念ながら宿泊したことはないのですが、帝国ホテルのおもてなしに感動したことがありました。
今回は、私が経験したエピソードをご紹介します。
イベントコンパニオンとして
遡ること、数年前。私がまだ大学生だったころ。
当時、たくさんのアルバイトを掛け持ちしていたのですが、その中の1つに「イベントコンパニオン」がありました。
イベントコンパニオンと聞くと、「レースクイーン」や大規模なイベントでニコニコ笑顔で商品の隣に立つスタイル抜群の美女たちを想像する人も多いと思いますが
イベントコンパニオンと言っても様々なジャンルの仕事が存在します。
化粧品のサンプリング、企業のイベントの受付やサポート、番組観覧など。
私はことごとくオーディションに行っては不採用だったので、サンプリングや受付の仕事をメインに仕事をしていました。
その中に、とある企業のパーティーの受付の仕事が帝国ホテルで行われることになったのです。
事前の研修に行って、驚いたのはコンパニオンの数。受付と来場者のアテンド役と合わせて100名はいたと思います。
イベント当日
イベント当日は寒い冬の日でした。
コンパニオン達は朝早く集合して、ホテル内に用意された控室に荷物を置いて、これまたホテル内に用意されたヘアセットの場所に赴き順番にヘアセットを行い身支度を完成させたり、開始前から結構バタバタ。
イベントは1日、2回行われることになっていました。
場所は帝国ホテルですが、イベント会社の人に指示に従って動くため、ホテルの人とのやり取りはコンパニオン達にはありません。
ただただ、有名な帝国ホテルの中に初めて入った高揚感で、大学生の頃の私はいっぱいでした。
ハプニング
イベントが始まると、まさに現場は大混乱。
次々に現れる招待客の数。
研修を1日しか受けていない不慣れなコンパニオンは、お客様から招待状をもらって、名簿で確認しなくてはならないのですが、時間がかかってしまう子も多く、時々いたるところでお客様のお怒りの声が聞こえる状態。
また、アテンドのコンパニオンも招待客の多さに、お客様を見失うこともあり、見失われたお客様が受付のコンパニオンにクレームを言いに来る場面も。
とにかく、心臓がバクバクでした。
隣のコンパニオンの子が、見たことのあるプロレスラーにすごまれていて、もう心臓が飛び出そうに。
でも、徐々に慣れていき、みんなミスが減っていき、穏やかな空気が流れだしました。
最後の招待客が中に入り、受付のコンパニオンは2回目の受付に向けて準備に入ろうと、1列に並んだ
その時でした
私の視界が突然揺らぎだし、頭が締め付けられるようで、呼吸が浅くなり、冷や汗がとめどなく流れ出しはじめました。
前にいた子が私の異変に気付き、すぐにイベントのスタッフに声掛けをしてくれて
どうやら、顔面蒼白状態だったらしく
そのまま、私はイベントのスタッフに連れられて控室で休んでいるように言われました。正直、イベントのスタッフは迷惑そうだった・・・。
大事なイベントに何やってるんだって思ったんだろうな。
悲しさと貧血で視界がチカチカする中、控室の椅子に座り込みました。
温かい気遣い
控室で冷や汗たらたらで、貧血状態の私に、1人だけ温かな気遣いをしてくれた人がいました。
それが、帝国ホテルのスタッフの方だったんです。
先ほども話したように、イベント自体はイベントのスタッフが指示を出していて、ホテルの方はイベントに参加はしていません。
コンパニオン達は、ホテルの人との接触がない状態でした。
そんな中、体調不良で控室に運ばれる私をどこかで見かけたであろう男性の帝国ホテルの人が
氷の入った冷たいお水を、私のもとにわざわざ運んできてくれたんです。
イベントのスタッフの人は特に何もしてくれなかったのに、ただどこかで見かけただけの帝国ホテルの人が、私の為にお水を用意して持ってきてくれて
「大丈夫ですか?」と気遣いもしてくれました。
冷や汗たらたらで脱水症状を起こしそうになっていたので、本当に助かったし、1人迷惑だと放置されていて悲しかったので、気遣いが心に染みました。
その後はイベントに戻り、そのまま帰宅になったため、そのスタッフの人にちゃんとお礼も言えず、名前も分からないまま。
こんなに月日が経ってしまった。
昨日のテレビを見て、おもてなしが素晴らしいと再現ドラマでやっているのを見なかったら、こうして思い出さなかったかもしれない。
そして、コロナ禍で帝国ホテルが大変な状況だったということも知らなかった。
宿泊客以外の私でも、感謝するエピソードがあるのだから、きっと多くの人が帝国ホテルのスタッフの人に感謝しているに違いありません。
あぁ、いつか宿泊しに行きたい。
あの時の帝国ホテルのスタッフの人が今も元気で働いていたらいいな。
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