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100社以上の小売企業と面談して知った5つの発見

この記事は 10X 創業6周年アドベントカレンダーの13日目の記事になります。 昨日はプロダクトマネジメント部のmikityさんが、「スタンスを取る」とよく聞く職場で、私が大事にしている3つのこと」という記事を公開しています。

この記事は、10Xの事業開発として 100社以上の小売企業様と向き合う中で発見したこと、に関して書いています!

自己紹介

初めまして。人生初のブログを書きます。10XでBizdevをしている寺崎(テラサキ)と申します。
千葉県で伸び伸び育った後に、秋田県の陸の孤島である国際教養大学に進学し自由度に拍車がかかり、それなのに重厚長大な保険業界に新卒で入社し、気づいたら縁もゆかりもないスタートアップに来ている人です。心が赴くままに生きています。

プライベートでは、前職で社内有志団体を一緒に立ち上げた同期の夫とスピード婚・出産し、今は2歳ピチピチのマグロのような男の子を育てています。意思決定の速さと体力には定評があります。

入社前に考えていた、10XでBizdevをする理由

10Xは「10xを創る」をミッションに2017年に創業され、今は小売業界(主にスーパーやドラッグストア)の皆様のネットスーパー事業の立ち上げ・成長をご支援しているスタートアップです。「Stailer」というイケているプロダクトを作っており、最近サイトも進化したので是非見てください(こちら)。

ではなぜそんな小売業界の事業成長を支援するスタートアップで、保険業界の超日系伝統大企業出身の私がBizdevをしているのでしょうか。
1年前の入社時に考えていた理由は3つあります。

1. 歴史が長く、旧来的な手法も残り、革新が起きそうだから

スーパー・ドラッグストアでいうと50-100年の歴史ある産業、最近はお客様が触れるところで言うとセルフレジやデジタルシェルフといった技術導入も進んでいますが、ちょっと観察するだけで、まだまだ裏側はアナログ作業が多いことが目に見えていました。お客様の生活変化と小売企業の変化のスピードとの差が増していく中で、革新のチャンスを感じたわけです。

2. 登場人物が多く、事業課題が複雑だから

「ネットスーパー事業」というのは小売業界の中でも特に登場人物が多く、経営・営業企画・店舗支援・商品・物流・店長、そこで働く現場従業員、そしてお客様、と多くの人が複雑に絡み合って事業を作っています(toB/toE/toC全部ある!)。
10Xの採用トライアルを受けている中でそれに気づき、「なんだこれ、誰の立場でどの課題を解いたら良いのか、ムズすぎる!エグい!(ドM精神発揮)」となり、見事にのめり込んでました。難しければ難しいほど、これが出来たら何でも出来る、って思ったんですよね。

3.  自分が1ユーザーとして「必要だ」と共感できたから

ちょうど転職活動を始める前に10ヶ月間の地獄の妊娠期間があり、ネットスーパーには大変お世話になりました。日々 実写版プーさんに近づいていくお腹を抱えると、今まで当たり前に行っていたスーパーへの足が遠のくんですよね…。子供が産まれた今も、朝の始業前にササッと注文したり、冷凍食品やお米等の重量商品を購入したりと重宝しています。
やっぱり1個人として「これは世の中に必要だ」と思える業界やサービスに関われることは、日々仕事で馬力を出す上で重要ですし、手触り感を持って事業に向き合えると思っています。

悪阻ストレス発散のための巨大ポテチもネットスーパーで購入し、朝6時から食べているところを見つかって気まずそうにするワタシ

が、これだけ聞くと抽象的すぎて、小売業界以外の人には実感が湧かず、イマイチ面白味が伝わらない気がしています。

というわけで、せっかく入社から1年が経ったこのタイミングなので、「100社以上の小売企業と面談を重ねてきて発見した点=改めて10XのBizdevとして向き合うことが面白いと思える点」、をご紹介したいと思います!

100社以上の小売企業と面談して知った5つの発見

1. 物理的な制約との戦い

「小売業(スーパー・ドラッグストア)」=有形物を店舗で販売とすると当たり前なのですが、これは保険という無形資産を扱っていた業界出身者には衝撃、というよりは慣れるまで時間がかかるポイントでした。

何をするにも「バックヤードが〜」「在庫数が〜」「この時間で処理出来る量の限界は〜」と、とにかく常に物理的な制約がついて回る。だからこそ次々と湧き出るやりたいことと、実際にそれを実現する現場オペレーションや効果とのバランスを取りながら、優先順をつけて一歩一歩実現させていく。パズルを解くような難しさと、でもそれが達成出来た時に目に見えて変わる喜びがあるなと感じました。ちなみにこのパズル、広さx時間x生産性 等と要素が多くてマジでむずい。正直結構毎回気が狂いそうになっています。

難解なパズルを解くために、10XにはRetail Strategy &Operationsという店舗や倉庫、配送などの知見を持った専門部隊がいる。控えめに言って神

2. 全人類がお客様

店舗の入口は常にオープンにされており、年齢・人種・背景問わず誰でも歓迎されています。前職の保険業界でも「保険の相談」自体は誰でも出来ますが、特定事象(例:病気・事故)があるお客様は商品の販売をお断りするということは当然に起こっていました。ただ小売業は地域におけるインフラとして公共性が高いこともあり、基本はお客様を選べません。
店舗という空間は1つですが、常に多種多様なお客様の受け入れをマストしなくてはいけない、というのは、ビジネスをする上で相当な努力が必要です。そして実際には従業員の皆さんがそのギャップを埋める努力をされているんですよね。私も10X入社前は同じ子育て世代への対応ばかりが見えていたのが、今は平日昼に店舗視察に伺って 高齢者や介護介助者の方へのまた別の対応が見えたりすると、「従業員の皆さん凄いな…」と尊敬の気持ちが募ります。

ネットスーパーも今はまだ1つの売場をベースとした均一的な体験が多いですが、もっともっと進化し、誰もが「安心して買い物できる」「自分に合った体験を受けられている」という状態を目指していこうとしています。Bizdevとして、全人類を考慮したサービス作りに関われる、その高いレベルを目指せる、というのは難しいけど面白いです。

3. 常に「確実性」と向き合っている

そんな公共性の高いビジネスをされている小売業なので、「確実性」への向き合い方も欠かせない点です。
ここは前職と近いと感じる部分でもあって、「当たり前」に求められる水準が高く、24時間365日滞りなく安定運営されていることが当然の期待値になっています。大企業や歴史の長い業界はスピードが遅く改革に後ろ向きだと言われることも多いですが、それにはそれだけの過去や、守っている価値があるのです。ただ「ネットスーパー」という不確実性と向き合う新規事業を進める上では、正直相性が良くない、噛み合わないという場面があることも事実です。
でも「確実性」を重んじる側でビジネスをする立場も知っている自分だからこそ、相手の大事にしているものを尊重し折り合いをつけながら、「不確実性」に向けて一歩踏み出すお手伝いが出来ると、異業種・大企業から10Xに飛び込んだ意味も強く感じています。時間はかかりますが、一歩一歩進んだ時の喜びもひとしおです。

同じチームで大企業出身者の赤木さんのブログにも近いメッセージがありました。赤木さんたまにシレッと良いこと言うので、ぜひご一読を。
(嘘ですw常に大事なことを教えてくれる良いキャプテンですw)

4.社会情勢の変化をモロに受ける

これは最近は一消費者としても「値上げ」「購買(個数)制限」等でも感じますよね。コロナでは顧客接点の大前提となる「来店」が制限される、不動産・電気価格が上がり続ける、そもそも商品が手に入らなくなる、など、その裏側で起きている小売業への影響度合いとスピード感を知ると、これをハンドリングしながら経営していく難易度の高さに頭が下がります。
しかも粗利率が高いとは言えない業界、手前の変化を吸収しつつ時間をかけて変革を準備する必要があります。そんな小売の経営に寄り添って、中長期での非連続的な成長=10xを支援するって、どうですか。聞いただけでゾクゾクしませんか(またドM精神の発揮)。

ちなみにもちろんネットスーパーも例外なく変化の影響を受けるので、それに柔軟に対応できるプロダクト設計や仕組み作りも必要なんですよね。10Xが扱うプロダクト「Stailer」としての進化は凄すぎて語りきれないので、ぜひこちらの記事で。

また先日出てたtenjinさんの記事も素敵で、複雑性の高さを解消しながらも、小売業側の変化や意志を柔軟に受け入れるようとする戦いがデータの観点から見えます。

5. 地域の「お客様のため」の愛が(マジで)強い

そんなこんなで「小売業ってマジで大変だな〜」と発見することも多かったのですが、でも一番の良い発見は「お客様への愛の強さ」です。
小売業の皆さんとは立場の違いゆえに意見が対立することはあっても、「お客様のため」となると皆さんピリッと「それはお客様が喜びますね」と目が輝きますし、儲かるかどうか以上に「地域のお客様からの信頼に応えられますね」と嬉しそうにされています。そんな姿を見ていると「あぁ、こんな風にお客様を愛している人達を愛したいな」と思ってしまい、誰かへの一途な姿を見て自分がその愛の沼に落ちる、という、結局は恋愛と一緒だなと思っています(???)。

商品での差別化が容易ではないという背景もありますが、店舗商圏を中心に地域に向き合って愛を注いできた小売業の皆さんに、「ネットスーパー」というまた一つお客さまに愛を届ける武器を渡せるお手伝いがしたいなと、そう本気で思います。逆に言うと、結局はネットスーパーもお客様との愛ある関係性作りの一つの手段にしか過ぎないので、10Xとしては手段に囚われず、目指す姿から逆算して出来ることをドンドン増やそうとしています。事業開発の機会が、本当にゴロゴロ転がっていますよ。

でも結局のところは

と、長々と「小売企業と面談を重ねてきて発見した点=改めて10XのBizdevとして向き合うことが面白いと思える点」を語ってきて、改めて自分がその発見を楽しんで事業に向き合っているなと認識することが出来ました。
でも日々を振り返ると、もちろん業界や事業の面白さはあれど、結局のところは「日々一緒に働くメンバーが最高にアゲ!」な点が大きいんですよね(急に右脳)。私は10Xのメンバーが大好きで、そんな人達と一緒に愛を注げる業界やパートナー企業を発見出来てめちゃ幸せじゃん、という話です。

以上、10XのBizdevとして1年経験を重ね、 100社以上の小売企業様と向き合う中で発見したこと、でした!これからももっと新しい発見をしたいし、楽しみたいなと思っています。

そして10Xはそんな発見を一緒に楽しんでくれる仲間を大募集中!ぜひリクルートサイトを見てみてください。(なんかスタートアップのブログっぽい締め〜!これ憧れてたので嬉しい!w)

明日はSWEのjojoさん(https://twitter.com/joj0hq)が記事を公開する予定です。お楽しみに!

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