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感謝されない仕事ほど、”当たり前”という大きな価値を届けている

この記事は、10X アドベントカレンダーの17日目の記事です。12/1から社員が思い思いの記事を書いてたすきを繋いでいます。自分もそのたすきを@takimoさんから引き継ぎ、@_nauya (udon)さんに渡したいと思います。


ある部長さんの一言

もうかれこれ3年ほど、小売(スーパーやドラッグストア)の方々とお仕事させていただいている。そんな中、ある時取引先の部長さんから言われた一言が今も忘れられず頭の中に残っている。

「スーパーの商売ってのは、誰かに”ありがとう”と言われることはほとんどありません。野菜が痛んでいたり、買いたい商品がなくてお叱りを受けることはしょっちゅうですが、感謝されることが少ない仕事なんです」

感謝されない仕事…

仕事は誰かに感謝されて当たり前という個人的な常識が、小売の方にとってはお叱りを受けることが日常であるという事実に衝撃を受けた記憶がある。

感謝されない仕事なんてこの世には存在しないはず。ただ、誰かからの感謝を感じやすい仕事とそうでない仕事があるのは事実だと思う。

そして、感謝を感じづらい仕事ほど、世の中に”当たり前”を提供しているインフラであり、人々の生活にはなくてはならないものであることが多い。

電車の車掌さんが良い例だ。少しでも電車が遅延すると、車掌さんは「電車は定刻通り到着する」という期待値に応えられていないので謝る。たとえ遅延の原因が車掌さんではないとしても…(あれは日本特有ですかね)。

当の部長さんも、打ち合わせ中にお怒りのお客様の電話を取り次ぐシーンに何度か遭遇したが、これでもかというほど低姿勢で、深く頭を下げながら電話越しのお客様に謝罪をしていた。

それでも、部長さんからは仕事に対する誇りをひしひしと感じる。自身の仕事の境遇や宿命を理解した上で、スーパーマーケットという商売を通じて人々の生活を守っているのだというプライドを持っている。

それが無性にかっこ良く、自分もいつか”自分の仕事は人の生活を支えている”と胸を張って言えるようになりたい、と思ったのである。

部長さんからの学び

世の中に感謝されない仕事なんて存在しない。必ず誰かにとって価値を生んでいるからその仕事が成り立っている。ただ、その価値が生活に密接に関係している”当たり前”のものであるほど、感謝が表現される機会は減ってしまう。

小売業界で働く方、特に現場を大切にされている方やお客様目線で仕事をされている方は、丁寧・素朴・謙虚な方が多い。

これらの基本姿勢がお客様に対峙する時の態度にも現れており、私はこれまで関わってきた数多くの小売関係者の方から商売の基本の基を教わった。

何かトラブルが起きたら、まず「お客様にとってどういう影響があるか」「お客様への影響を最小限に抑えるために何をしなくてはいけないか」を反射的に考えなさい
金額の大小が問題なのではない。お客様の財産に関わるものであれば全て、お客様に対して不利益があってはいけない。仮にお客様にとって不利益が生じてしまった場合は、誠意を持って謝罪し再発防止に努めなくてはいけない

私が10Xに入社してから学んできた様々なことの中で、お客様の財産に対する感度や身の振り方を肌で学べたことは、最も大きな学びの一つだと思う。この類の学びは頭では理解していても徹底することが難しく、私自身も何度も失敗し叱られてきた。

当たり前のことに対し、ちゃんと感謝を伝えられる人になろう

話は少し飛躍するが、感謝されづらい仕事の代表例として、育児・家事がある。

食器洗い、洗濯、掃除機、トイレ掃除、ゴミ出し、お迎え、寝かしつけ、おむつ替え、、、日々これでもかという小さな仕事を家庭内でやっていても、感謝されることはほとんどない。

逆にちょっと食器洗いをサボったり、仕事でばたついて子供のお迎え時間が遅くなったり、食事作りに時間がかかってしまうと、家族からは冷ややかな目で見られるし、きっと自分も逆の立場だったら無意識にそういう目をしてしまっている時があるだろう。

我が家では、とにかく些細なことでも”ありがとう”を言おう、というのを合言葉にしている。ドレッシングを取ってもらったとき、お風呂のスイッチを入れてもらったとき、それくらい些細なことでも”ありがとう”と言う癖をつけている。

これは、その行動に対し深く感謝しているという意味よりも、「自分はあなたの行動を認識しているよ」という意思表示に近いかもしれない。

このちょっとしたルールのおかげで、家庭内はだいぶ平和な時間が増えた気がする。

そして、この姿勢は仕事を進める上でもとても重要だと思っている。

さりげない同僚の配慮に気づく力や、普段感謝されることが少ない小売の方々へこまめに感謝や賞賛を送ることは、信頼関係を築く第一歩になる。

最後に

先日、第二子が誕生予定であることに絡めて、2人目は育休を取得しないことを決めた話をブログに書いた。

そんな矢先、妻が切迫早産で12/1から入院することになり、結果として2週間ほど病院生活を送ることとなった。赤ちゃんが産まれてこないよう、お腹の張りを緩和する点滴を打ち、その副作用で吐き気や痛み、ダルさと戦ってくれた。

その間、私はワンオペで3歳の娘と二人暮らし。全ての家事と育児を一人でこなしていたが、妻は毎日「今日も仕事も大変な中ありがとう」と声をかけてくれた。

自分が置かれている環境の方がよっぽど苦しいだろうに、そんな中でも当たり前のことに対しちゃんと感謝を伝えられること、仕事をやりながら育児・家事をやる大変さを理解した上で発言できること、これだけで私は報われた。

人から感謝されることはとても尊いことだな、とちょっとしたことで再認識するきっかけだった。

10Xで小売の方々とお仕事する中で得た気づきや学びが、自分の人生を豊かにしてくれている。仕事、家庭、プライベートで周りにハッピーを届けられる存在を目指したい。

ちなみに、妻は2週間の入院を経て予定より1ヶ月ほど早く元気な女の子を出産してくれた。今は母子共に健康である。

産まれたての次女

10X アドベントカレンダーはまだまだ続きます。もし時間が許せば他の社員の記事もぜひ読んでみてください。

本記事で書いたような、小売企業との深いパートナーシップを構築して小売のEC化という身近なテーマに興味が湧いた方は、ぜひ一度カジュアルにお話できればと思います!


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