ダイアナ・ウィン・ジョーンズを語るのに欠かせない1冊

 ファンタジーの女王として知られるダイアナ・ウィン・ジョーンズ。

 当然、ファンタジー小説を読むのが前提なんだけれど。

 彼女がどんな環境で育ち、どんな作品に触れてきたのか、を知らずには、語れないと思う。でも、意外とファンでも読んでいない人がいる。

 ここではDWJ自身の想いや、姉妹とのやり取り、意外にもほとんど本を読めなかった子ども時代や、好きだったネズビット、恩師トールキンについても語られている。
 トールキン先生だって人間だもの、と思わされる。

 巻末にはDWJ自身の作品のリストや、本書の中で触れられる数々の作品のリストも掲載されていて、どの作品にどんなアイディアが用いられたのか、登場する人物の名前についての裏話など、作品をより深く楽しめる内容がいっぱいだ。

 もっとも、事前に読んでいないとわからない話も多々登場する。

とか。

これはシリーズで。それから。

このへんも読んでいないと、わからない部分が出てきてしまう。

もちろん、このあたりも必読。

 事前に作品を読んでから、冒頭で紹介した本に手をつけないと、おそらく途中で意味がわからず、退屈して眠くなってしまうかもしれない。

 きちんと小説作品を読んだうえで冒頭の講演録に手をつけてみると、かなりおもしろい本だとわかる。語感の似た単語の勘違いや、妹たちとのエピソードはかなり笑えるし、作品のベースにあるユーモアの理由もよくわかる。こんな場所で、こんな環境で育ったら、自分自身もユーモアたっぷりで育つだろう、と思える不思議な体験の数々は、どうやら戦時中ならではのものらしい。


 ちなみにトールキンの『指輪物語』が未読だと、やはり理解が難しいので、こちらも必読。

 私は『ファンタジーを書く』を読んでから、『たのしい川べ』や妖精タム・リンの話、ネズビットの作品なども読んでみたけれど、この本で触れられている内容の理解が深まったり、実際に作品に使われているシーンが見つかったりして、結構おもしろい。

 『タム・リン』のような話は、結構、こういう子どもの本なんかに載っていたりする。絵本版もある模様。

 ほかにも多数の本に触れられていて、とてもここで紹介しきれない。ヨーロッパ系の神話なども、ほとんど常識レベルで扱われているので、幼いころからそういう話を聞いていない日本人は、自分で学んでおく必要がある。


 広げすぎても、どこから手をつけていいかわからない人が出てきそうなので、とりあえず、これくらいで。

 最後にもう一度、メインの本の紹介を。


 

 


 

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