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職場体験について改めて考えてみた

こんにちは \(^^)/
NPO法人河原部社の清田です。

今年の職場体験事業が終わり、来年度の職場体験に向けて現在動いております。今年の経験を活かして、さらに中学生にとってよい体験ができるように試行錯誤しているところです。そこで、改めて、職場体験について考えてみました。

職場体験の必要性

文部科学省の「中学校職場体験ガイド」の第一章「職場体験の基本的な考え方」には、職場体験の必要性について書いてあります。

職場体験には、生徒が直接働く人と接することにより、また、実際的な知識や技術・技能に触れることを通して、学ぶことの意義や働くことの意義を理解し、生きることの尊さを実感させることが求められています。また、生徒が主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲など培うことのできる教育活動として、重要な意味を持っています。望ましい勤労観、職業観の育成や、自己の将来に夢や希望を抱き、その実現を目指す意欲の高揚を図る教育は、これまでも行われてきたところであるが、より一層大切になってきている。職場体験は、こうした課題の解決に向けて、体験を重視した教育の改善・充実を図る取組の一環として大きな役割を担うものである。生徒の進路意識の未成熟や勤労観、職業観の未発達が大きな課題となっている今日、生徒が実際的な知識や技術・技能に触れることを通して、学ぶことの意義を理解し主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲など、培うことのできる教育活動として重要な意味を持っている。

文部科学省のHPより

上記のとおり、中学生の職場体験は、国で推奨されています。
「中学生が実際に働いている大人と接することによって、学ぶことや働くことの意義を理解し、生きることについて考え、職業観や勤労観を育み、主体的に進路決定をしたり、将来の夢や希望を見つけることができる。」
職場体験は、中学生にとってとても貴重な経験となります。

中学生と大人と地域と

日々生活をしている中で、中学生は学校、大人は仕事と、日常の中で交流する機会はめったにありません。そんな現状だからこそ、職場体験は地域の大人と地域のこどもたちが交流する貴重な機会だと思います。
中学生にとっては、仕事を知るのはもちろん、体験を通して、大人との様々なやりとり、自然に交わす会話の中から、多様な生き方や価値観を知る機会となります。
大人にとっては、地域の子どもたちに自分たちの仕事や、働くことのおもしろさや大変さを伝える機会となります。時には、中学生の発想やアイデアから学ぶこともあるかもしれません。
そして地域にとっては、地元の中学生に地域にある会社について知ってもらい、次の世代に想いを引き継いでいってもらうきっかけにもなります。

韮崎版職場体験の仕組み

地域の子ども達を地域で育んでいくために、中学校と地元企業との連携をして何かできないかと話し合った結果「韮崎版の職場体験事業を作ろう!」と2018年から取り組みをはじめました。
河原部社と中学校で企画・運営をしていくことで、役割分担をしたり、毎年良いものへアップデートしていっています。

河原部社の取り組み

河原部社が韮崎版職場体験事業を始めて今年で5年目です。
この5年間で過去様々な取り組みを実施してきました。

・受け入れ可能企業リスト化(市内約300~500社に声掛け)
・韮崎しごと展実施(中学生版企業説明会型トークイベント)
・東西中合同会議(別々に行っていた内容の統一)
・事前授業の実施(コミュニケーションについてのワーク)
・事後授業の実施(学びを最大化するためのふりかえりワーク)
・個人面談(ひとりひとりにあった職場にマッチングするための面談)
・14歳のハローワーク(求人票を見てエントリーシートを書いてもらう)

中学校での授業の様子
14歳のハローワーク

中学生ってどんな時期?

職場体験について考えているときに、中学生ってどういう成長段階なのだろうと思い、調べてみました。中学生の発達段階がわかれば、もっといい職場体験に繋がるのではないかと思いました。

エリクソンの心理社会的発達理論によると、中学生は青年期の時期となります。

エリクソンの心理社会的発達理論

具体的で日常的なものごとばかりでなく、現実を離れた抽象的な思考ができるようになります。このような思考能力の発達は、青年に自分自身についても思考の対象にすることを可能にします。こうして、児童期に芽生えた自己についての検討を、自分の置かれた環境や幼児期からの体験についての記憶、あるいは、読書や友人との付き合いから得られた知識等をもとに体系化し、高度に抽象的なレベルまで深めようとする試みがはじまります。エリクソンはこのように「自己とはなにか」について真剣に検討して自分なりの回答を得ようとすることを「アイデンティティ(自我同一性)の確立」とよび、青年期に与えられた重要な発達課題の一つと位置づけています。

中学生の時期はいわゆる思春期であり、自分とはなにかを悩みながら、本当の自分を見つけようと自分探しをし、社会との関わりを持とうとする時期となります。
自己が確立していないため不安定な時期でもあり、また社会との繋がりを欲してくる時期ともなるので、大人が中学生の心情を理解し寄り添い、温かい目で見守ってあげることが大切なのではないかと思っています。

大人が中学生にしてあげられること

地域の大人が地域の子供と関わる機会ってあまりないと思います。
そんな中、職場体験では中学生と関われる数少ない機会だと思うので、我々大人は「なにをしてあげられるか」を考えることってすごく大事だと思います。
社会のルールやマナーも大事ですが、注意をする大人よりも、かっこいい大人の方が「こんな大人になりたい」と思ってもらえて、お互いにいい関係が築けるのかなと思います。大人も中学生から憧れられると嬉しいですしね。

河原部社の「やって、みせる。」は、大人が何かに取り組んでいる姿を中高生にみてもらって、そこから学んでほしいという願いが込められています。大人から中学生に何かを教えるのではなく、中学生が自ら自分でやりたいことに取り組んでほしい。
職場体験を通して、そういった中学生に憧れられる大人を増やしていき、地域の大人が中学生をあたたかく見守っていくことができればいいなと思います。

以上、職場体験についていろいろ書いてみました。

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